日々是好日

懐かしき過去、期待の未来を希んで!

67年前の懐かしき最後の帰省の日、皇国陸軍最後の陸士将校生徒として

2012年08月05日 | Weblog
 思えば67年前の今朝は、本土決戦前の最後の帰省を許され、早朝8時半に陸士校門を出た。一路朝霞駅から東上戦を経て池袋へ、その後赤羽を経て北千住から東武線に乗り換えて、目指す加須駅に着いたのは、丁度11時頃であったと思う。改札口で下級の兵隊さんから敬礼を受け、改めて陸士生徒としての矜持と誇りを体験した次第であった。急ぎ徒歩で稲荷神社に至り参拝し、神社お隣の平山写真店で最後の写真を、神域の欅を背景に撮影し、後程必ず留守宅に届けておくよう依頼した。この写真こそは恐らく今生最後の形見に成るであろう事を、覚悟しての記念写真であった。近道を経て不動岡の自宅に着いて、皆に迎えられ約7ヶ月の久濶を叙し、即座に歓談の話が展開した。思う事話す事が満載で昼食を頂き乍ら、あっという間に1時間が経過したものと思う。直ちにお不動様に参拝し岡古井の親戚を訪ね会話し、最後の別れを述べ、小学校へ至り、高橋小使い夫婦を尋ね、その後峰岸君宅を訪問した。この間父は、ず-と軍服姿の私の後を自転車で着いて来。最後の別れを忍び偲んだ事は想像に難く無かった。矢張り親子だ! 午后1時には、懐かしの吾が家と父母、義姉とそれこ最後の別れ会を告げて、そそくさと吾が家を後にした。その思い出は尽きず、当時の心境は、ただ悲壮とだに言えるものであったろう。5時前に校門へ帰着、区隊長に報告を済ませた。故郷で父母との最後のこの一日。僅かの時間に、長の別れの記念の日を共に暮らした次第である。思えば何とも懐かしく、よくぞ、今日まで永く生き長らえたものと思う。67年前を只管有り難く懐かしく思う。
 今日は医学部在学中の、愛する孫の誕生日である。家内と連名で、「お目出度う」元気で更に医学の勉強を! のメールを送信した。直ぐさま返信があって、「お蔭で」…間もなく卒業との嬉しい言葉が添えられていた。嬉しい次第である。

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