10月に入ってロンボク島を訪れたゆいツールは、環境を守りながら村ツーリズムを発展させるために、中部ロンボク環境局スタッフにランタン村まで来てもらい、ごみ管理システムや現在行っている住民教育について、プレゼンをしてもらいました。
Pak Maas dari Badan Lingkungan Hidup Lombok Tengah, presentasikan tentang masalah sampah di sekitar Lombok tengah.
地方環境局の施策は、当然地区長や村長、村役場を通して住民に伝わっていてしかるべきなのですが、村の人と色々と話していると大切な情報が末端の住民まで届いていないことに気づいたので、直接環境局スタッフを連れてきて、話しをしてもらうことにしたのです。
今回は、地震災害支援プロジェクトの関係で訪れてくれていたボランティアの方も一緒に参加しました。
プレゼンの前に雑談するボランティアさんと環境局スタッフのマアスさん。(手前はランタンの若者)
村長代理のアブドゥル・カリムさんの話によると、ランタン村はまさに今年ごみの問題について取り組んでいるところで、来年は村でごみを減らすための具体的な活動を進めていく予定、ということでした。(そしてまた、そういうことも、少なくともゆいツールとつながっているランタン村の若者は聞いたこともない、というのですが)
時間が来たので会を始めたときに、前方に座っているのは女性ばかり。やはりどこの国も女性の方が積極的なのか、と思いながら挨拶をしました。
今回、ロンボクを訪れてくれたのは、APEXというNPOの会員の方でした。
ゆいツールのカウンターパートのひとり、タナ・ベア村のトニーさんにも挨拶をしてもらいました。
トニーさんは話し上手なのですが、話しすぎるきらいがあるので、適当なところでストップしてもらい本題のプレゼンにすすみました。
マアスさんが話し出すころには、遅れてきた男の子たちも席に着き、会場の席が埋まりました。
マアスさんのプレゼンで、村の若者が初めて知ったことは、今まで行政が村にごみの回収に来てくれなかったのは、コンテナを準備していなかったからだ、ということでした。
コンテナは、環境局が準備するのではなく、各村が準備するものでした。そして、コンテナを購入するお金は村の予算から出せばよい、ということでした。そんなことは、おそらく村長や村役場の人は知っていたのでしょう。でも、住民には情報は届かず、環境局がごみを回収してくれない、と思っていたのでした。
環境局は、コンテナは各村が準備すること(ただし観光地をのぞいて)、と決めているようでした。
それは、村人がごみの問題に主体的に取り組んで欲しいから。自分たちの意志で、ごみを減らしてほしい。
それが今、環境局が住民に求めていることです。
そして、単に最終処分場:TPA(つまり埋立地)にごみを運ぶことを考えるのではなく、できるだけごみを分別して、埋め立てるごみを減らすことを求めているのです。
中部ロンボクには、行政が運営するごみの一次処分場(TPS 3R)があるそうです。
そんな場所が各村にあったら、最終処分場に持っていくごみを減らすことができます。
村の若者からは、そこはどんなところなのか?見学することはできるのか?と質問が飛びました。
そこで、ゆいツールは1週間後に、村の若者を何人か連れて、TPS 3Rを見学に行くことに決めました。
そうやって少しづつ、村の若者たちが学び、興味を持ち、現状を変えていくこと。これが、ESD(持続可能な開発のための教育)だなあ、としみじみ思います。
ゆいツールは、きっかけを与えているだけ。学ぶのは若者。気づくのも若者。
ゆいツールの活動の中で、一番チャンスを生かして学んでいるのは、タナ・ベア村のトニーさんです。
そして、ランタン村のオパン、タンティ、ティウィ、トゥリスナが続きます。
ゆいツールの現地ボランティアスタッフも同じです。
多くの若者が、チャンスを生かして学んでほしい。社会の中で問題に気づき、改善する手法を見つけてほしい。
そして、「ごみ銀行」や「村ツーリズム」といったツール(方法)を使って、持続的に発展していってほしい。
そのために、ゆいツールの活動があり教育があります。(山)
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