今回、ツアーを終えて日本に戻った若者たちは、多かれ少なかれ逆カルチャーショックを感じているようです。
豊かな日本で、便利さに慣れて暮らしてきた自分たちの生活を見直す機会になったのは、なんといっても3日間の村での生活でした。
ランタン村で一泊した翌日、午前中は「村の暮らし体験」をしました。
Mahasiswa dari Jepang menginap di desa Lantan, dan mengikuti aktivitas kehidupan masyarakat di sana.
まずは、ココナッツオイルを作るために、ココナツを割ります。
すでにほとんどのココナツは村の若者が割ってくれていましたが、ひとつだけ残してくれていたものを日本の若者が割ってみます。
大きな鉈で手を切りそうでドキドキ。村の若者にとっては日常的な作業でも、私たちにとっては未知な体験。
続いて、ココナッツを削る作業。
伝統的な方法でやっていると日が暮れるので、隣では近代的な道具でココナツを砕いていきます。
ココナツオイルを火にくべるために、村の若者たちが火起こしをすると日本の若者たちはその様子を写真に撮ります。
火を起こすことの何が珍しいんだろうか、と思われたに違いありません。
そこへ、お皿に不思議なものを載せてハリスさんがやってきました。ハリスさんはオパンさんと一緒に若者をもてなす係です。
お米と綿と水とピナンという木の実と、シリという葉っぱとコインです。
薪を使って火で作業をするときには、これを準備するんだよ、とハリスさんが教えてくれました。
煙で目が痛くなったときには、綿に水を湿らせて拭えば痛くなくなるとか、コインには魔物がやってこないようにする力があるとか、ロンボクの伝統的なお呪い(おまじない)のようです。
ココナツを砕いたあとは、水を加えてぎゅうぎゅうと搾ります。
そして、その液を火にくべます。絞った状態のものは、ココナッツミルク(サンタン)で、インドネシア料理によく使われます。
ココナツオイルを作る横では、コーヒーづくりが始まります。これが材料です。左のものはなんでしょうか?塩?砂糖?
答えは、米。ロンボクのコーヒーは、お米と一緒に焙煎します。
まずは、お米を炒めるところから。
炒めたお米をちょっと味見。バナナの葉っぱに載せています。
一通りお米を炒めてから、コーヒー豆を投入してさらに炒めます。
さて、ココナツオイルとコーヒーづくりを村の女性に任せて、若者たちは田んぼへ繰り出します。
集落より田んぼが下にあるので、眺めが抜群です。田んぼについたら稲刈り作業。
そして脱穀作業。田んぼでの作業は、機械化は進んでいないので、すべてマニュアル(手作業)です。
田んぼから戻ると、コーヒーがすっかり黒くなっていました。お米入りです。
ココナツオイルは、ココナッツのかすと分離していました。かすも食べられます。
こうして、午前中の体験が終わりました。日本の若者たちにとっては、すべてが未知との遭遇です。
こちらは、火をくべている横でガイドのアンディが始めた遊び。パパイヤの葉っぱの長い茎に、切れ目を入れてトランペットにします。
インドネシアの人は、何にもないところで生きていくのが得意。
コンビニとかスーパーとかレストランとか電化製品とか電子機器とか居酒屋とか電池で動くおもちゃとかその他いろいろ、私たちの生活を便利に豊かにしてくれるものが何もないのに、なぜか豊か。不便なのに幸せ。
もちろんロンボクだって発展中で、街の中は日本とあまり変わりません。村の若者たちだってスマホを持っているし、SNSも盛んです。
だけど、村の若者たちはまだ伝統の中で生きています。
今回、ある参加者は帰国後に「日本は綺麗で便利で快適だけど、失ったものも多くあると気づかされた」と言っていました。
それは日本から出ないと感じられないこと。ロンボクのような素朴な暮らしを体験してみないと、わからないこと。
さて、午後からはワークショップです。(続く)
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