本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「自分の仕事をつくる」西村佳哲著

2009-07-19 10:44:07 | 本・雑誌、読書

働き始めてから40代のこの年になるまで、ずっと~考え続けてきた「働くとは何か?」。
自分が何かをして、それで誰かが喜んでくれるのが働くということではないかと思いつつも、自分の仕事が必ずしも他者の幸せにつながっていないということが明らかな時に感じる心の中の矛盾。
矛盾を感じないためには、単にお金を稼ぐために自分の労働を売っていると割り切って、淡々と目の前のことをこなしていく方がいいのか。
働くことの意味を考えるなんて、意味がない・・のか?
もう考えることを止めようと思いつつ、時々タイトルに「仕事」や「働く」という言葉が入った本を手に取ってしまいます。
「仕事をつくる」というところに魅かれて読んでみました。
2009年2月に出た文庫本ですが、単行本は2003年9月に発刊されたものです。
会社員とは違う働き方、おもにモノづくりをされている方々にインタビューを行ったものです。

自分が疑問に思っている仕事の成果が役に立つものかっという話はこの本にはあまりありません。働き方についての本でした。
対象は、手作り、こだわりのものを作る方が多く、インタビューのまとめ方もユニーク=素晴らしい的発想で、普通のもののように感じました。
結局何か変わったことをしていないと駄目なのかな!とちょっとがっかりしてしまいます。

しかし、ところどころにそうだな~というフレーズがあって、マーカーしてしまいました。

「企業社会における経済活動の大半は、経済のための経済であり、より多くのお金を引き寄せるために仕事がかさねられている。しかし本来お金は、人間同士が交換している様々な価値の一時的な代替物に過ぎず、それ自体が目的ではなかった。」

「僕もいくつかの大学で教えているが、学生たちと話をしていると、「好きなことをやっても食べていけるんですか?」「必要とされるんですか?」という具合に、社会的価値をめぐる約束をあらかじめ取り付けたいような、そんな不安がにじみ出た質問を受けることがある。が、ハッキリ言って、あらかじめ意味や価値を約束されている仕事など、どこにもない。
建築家になればいいわけでも、医者になればいいわけでもない。肩書きは同じでも、意味のある仕事をしている人もいれば、まるで意味の感じられない仕事をしている人もいる。・・・」

「最近の日本でいえば、ワーキングプワーや、派遣労働をめぐる問題が取りざたされていますよね。しかし、たとえば都会に固執しないで地方へいけば、人間的な仕事はまだいくらでもあるというのが僕の実感です。かっこいい仕事ではなく賃料も低いかもしれないけど、ハローワークに募集掲示がないわけじゃないし、労働搾取的な案件ばかりでもない。お金がないと何も手に入れることができないという思い込みについても、それを手放すことで、あるゲームから降りることもできる。」

結局は人間も他の動物と同じで、生きるためには食べ物と安全な場所を確保しなければなりません。
そのために人間はお金を稼いで、買うことでそれを手にいれるのだけれど、それ以上の欲求があって、もっとお金が欲しいと思うし、生きるために本当は必要かどうかわからない名誉とか地位を欲しいと思います。
でもそれで自分が何をしたかったか・・豊かな生活?豊かな生活をするために、無理をしてしまって、逆に豊かじゃなくなっていますよね。
豊かってどんなものなのか?周りと同じような生活レベル?周りを気にすることを止めて、本当はどんな生き方をしたいかをゆっくり考えたら、自分の働き方が見えてくるのかなあと思います。

コメント
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