本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「獄中記」佐藤優著

2010-12-03 20:38:29 | 本・雑誌、読書
外務省の職員だった佐藤優氏が背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、拘留された東京拘置所512日間の獄中生活の記録をまとめたものです。
文庫版で読みました。
独房の生活を日々つづった日記は、佐藤氏も書くようにゆっくりと体系的に何かを学んでみたいと思うものには満ち足りた快適な生活に見えます。

しかし、文庫版あとがきにつけられた「所内生活の心得」を見ると獄中の生活が佐藤氏の記述よりはもっと厳しいものであっただろうと想像できます。

内容は佐藤氏が取り組んだ本や研究の事が大半を占めており、ほとんどが初めて聞くタイトルの本やキリスト教・哲学の話は、あまり理解できないながら豪華な気持ちになります。
佐藤氏の想像できないくらいの教養の高さにも圧倒されます。

そうはいっても権力闘争に巻き込まれ、エリートの世界から獄中に落ちてしまった事で混乱しそうになる自分の気持ちを整理しようとしている心の動きがところどころに読みとれるような気がします。←違うかなあ~・・まったく違う世界の方だから平凡な人間が感じるこんな感覚は感じられなかったかもしれません。

ところで国を考え仕事をされていた者が国家の陰謀で国家から見捨てられ、次の生き方を考えているというというような記述もありましたが、もし・・

「国家」・・・

というより・・

「日本」

のことをいまでも考えておられるのであれば、単に本を書いたり、講演をして自分の生活の糧を得るだけでなく、持てる知識・教養で将来の日本を担う人を育てる活動をして欲しいなあと思ったりもしております。

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新卒高校生の就職面談会のお手伝い

2010-12-02 01:28:24 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
昨日は地域のハローワークが開催する高校3年制の就職面談会のお手伝いに行ってきました。
日頃お話する機会のないハローワークの職員さん2人(お二方との民間でお勤めをされ、退職後ハローワークに請われて就職した方ですが)に、近頃の高校生、大学生就職事情について伺いました。

まずは大学生、漫然と進学し社会に出る準備をしていない人=働くための武器・・例えば資格であったり、面接などの短い時間でPRできるものを持っていない人は、大卒ではなく、高校7年生卒と考えるべきと言われました。

高校生のレベルで年をとっているだけ・・高卒で就職して4年も鍛えら得れば、一端の仕事ができる。誰が素人の大卒をとろうと思うだろうか?

次に高校生。もう12月ですが、この時期でも就職するのか、進学するのか決まっていない。ようするに何も考えていない。そんな高校生がたくさんいるらしい。

自分の人生なのに?昨日の面談会でもせっかく企業の説明が聞けるのに、全然関係ないところで溜まっていた・・
そして・・そのことに対して何も言わない先生が多かった。
就職をしたいと参加した面談会を高校生が有効に使えないという現実を見て、日本の行く末に大きな不安を感じています。


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整理解雇について考えた

2010-12-01 00:20:52 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
昨日と一昨日の日経新聞、経済教室は「整理解雇の論点」というテーマでした。

整理解雇の妥当性は4つの要件

(1)経営上の必要性
(2)解雇回避努力
(3)被解雇者選定の妥当性
(4)協議手続の妥当性

で判断するのですが、この要件が解雇を難しくしているとよく言われているようです。

しかし、非正規社員がどんどん増えている現状を見ると、いわれるほど厳密かな?と思わざるを得ません。

ところでこの記事のタイトルだけを見たベテランの相談員さんがいきなり
「日経はいつも経営者よりで経営者にすり寄ったものを載せている」
とか
「多様な働き方を隠れみのに非正規や派遣を増やしてきた」と・・・

その方は、解雇規制は緩和ではなく強化の方針のようです。

確かに労働者にとっては雇用を確保することはとても大事。

でも??

4つの厳しい要件を出しても解雇は行われており、現実に非正規労働者は増えています。
現段階で規制を強化したら、正社員は守られても既に高い割合になっている非正規労働者は?
労働者は安心できても、安心の元である会社は大丈夫??

いま必要なことは「経営者側の発想」「労働者側の発想」「多様な働き方」など、曖昧な言葉に過剰に反応をすることではなく、すべての提案を予断を持たずに検討して見ることでは?

世間一般で言われていることを簡単に信じないで自分の頭で「考えてみる」、そして何らかの選択をした際にそれが今後どのような影響を与えるか「想像してみる」。そして自分の立場だけでなく「様々な立場を慮ってみる」

労働相談に携わってみると日本の労働環境が待ったなしの状態であることを肌で感じます。すぐにこの状況に歯止めをかけなければいけないと思います。

どうすれば働きたいと思う人がきっちり働ける環境を作れるか・・

それは、反対ばかりをして今あるものをかたくなに守ることではなく、新しいしくみを作っていこうと前向きになること・・

そのために頭を柔らかくして、いままで常識と思っていたこと、いままで信じていたことをもう一度疑ってみることが大事なんじゃないかな・・

それにしてもベテランさんの発言に全身の血を逆流させてしまい、朝からとっても疲れた一日でした。

私どもの組織ではカリスマ的なこのベテランさんに新米ながらあれこれ逆らっており、怖いもの知らずもいいところですが、そのうちこの業界から追放されるかもしれませんです(まあいいけど・・)。

でも新人だからこそ、おかしいなあと感じるところは伝えておきたいです(おバカです!)。

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