このブログでも何回も日本型経営の特徴である終身雇用制と年功序列型賃金のメリットについて書いてきましたが、マスコミや政党あるいはネットでもこの日本型経営の再考については多くを語らない。逆に日本型経営を否定する考え方が多く見受けられた。
このような中でニューズウィークで「労働者の限界生産性を忘れてはいないか」という記事が載せられていた。少しづつ日本型経営のメリットを考え直す機運が高まればよいと思う。
これは何も労働者の利益だけでいうのではなくて経済全体への影響からも必要なことです。
「年功賃金制度の中で「能力と業績との関係」を示す言葉として、「限界生産性」がある。これは従業員が20代~30代の若い頃には、労働生産性よりも賃金(給料)が低いのに対して、勤続年数や職務経験が豊富になってくる40代以上になると、労働生産性よりも賃金(給料)が高くなるという日本独特の賃金システムのことである。」(引用)
年功型賃金制度として年功を積み重ねることにより賃金が上がっていくという表面上のものではそのとおりなのですが、これを限界生産性という経営理論から見るとおかしなものになる。
若い人はその生産性に見合った賃金を得られず、年配者その生産性以上の賃金を得ているという前提が間違っています。たしかに昔から若い人の賃金が低すぎるという問題がありましたが、現実は若い人も高齢者も労働者全体の賃金が低かったというのが実情です。生産性が上がり企業の利益は高まったが労働者の賃金は上がらないというものが昔から現在に至るまで続いていました。ですから生産性に見合った賃金かどうかが問題ではなくて、年功序列型賃金の制度自体が良いのか悪いのかを考えるべきでしょう。この点が引用したサイトの間違いでもあります。
年功序列型賃金がなぜ経済上でも必要なのかの考察も必要でしょう。
なぜ高齢者の賃金は高くなるのか?
一つは、企業の歴史においてその発展過程には必ず過去の労働があったわけでその労働の成果なのです。もちろんそこには年配者が若いころに労働した成果が含まれているわけです。ここに若い労働者の労働が保証される。こう見ると年配者の賃金はある程度高くてもおかしくありません。
もう一点は、賃金額は生活費であるという事です。これはマルクス主義から見ると賃金は労働力の再生産費(次の日も次の年も良質な労働ができるための費用)であるという事に結びつきます。高齢者になると生活費が多くなっていく。その生活費が保証されることによって労働力は再生産できる。このようにして労働者は働き続けられるのです。ですから高齢者の賃金は高くならざるを得ない。これは個人消費の問題として経済活動と強く深くかかわる問題です。高齢者が若い人と同じ低い賃金のままならば、子供を育てられなくなったり、必要な必需品を買えなくなる。今この個人消費が伸びない矛盾の原因がここにあります。
年功序列型賃金と終身雇用は労働者の安心を生み出します。人生設計がある程度たちますから。結婚をして子供が生まれ、小さくとも自分の家を持ち、節約をしながらも子供を大学に入れて、独立したら夫婦の老後の蓄えを餡が得る。。。。。この保証ができるわけです。同時にこの人生設計の中で個人消費を行います。若い人の賃金はその過程により上昇しなければなりません。
このような中でニューズウィークで「労働者の限界生産性を忘れてはいないか」という記事が載せられていた。少しづつ日本型経営のメリットを考え直す機運が高まればよいと思う。
これは何も労働者の利益だけでいうのではなくて経済全体への影響からも必要なことです。
「年功賃金制度の中で「能力と業績との関係」を示す言葉として、「限界生産性」がある。これは従業員が20代~30代の若い頃には、労働生産性よりも賃金(給料)が低いのに対して、勤続年数や職務経験が豊富になってくる40代以上になると、労働生産性よりも賃金(給料)が高くなるという日本独特の賃金システムのことである。」(引用)
年功型賃金制度として年功を積み重ねることにより賃金が上がっていくという表面上のものではそのとおりなのですが、これを限界生産性という経営理論から見るとおかしなものになる。
若い人はその生産性に見合った賃金を得られず、年配者その生産性以上の賃金を得ているという前提が間違っています。たしかに昔から若い人の賃金が低すぎるという問題がありましたが、現実は若い人も高齢者も労働者全体の賃金が低かったというのが実情です。生産性が上がり企業の利益は高まったが労働者の賃金は上がらないというものが昔から現在に至るまで続いていました。ですから生産性に見合った賃金かどうかが問題ではなくて、年功序列型賃金の制度自体が良いのか悪いのかを考えるべきでしょう。この点が引用したサイトの間違いでもあります。
年功序列型賃金がなぜ経済上でも必要なのかの考察も必要でしょう。
なぜ高齢者の賃金は高くなるのか?
一つは、企業の歴史においてその発展過程には必ず過去の労働があったわけでその労働の成果なのです。もちろんそこには年配者が若いころに労働した成果が含まれているわけです。ここに若い労働者の労働が保証される。こう見ると年配者の賃金はある程度高くてもおかしくありません。
もう一点は、賃金額は生活費であるという事です。これはマルクス主義から見ると賃金は労働力の再生産費(次の日も次の年も良質な労働ができるための費用)であるという事に結びつきます。高齢者になると生活費が多くなっていく。その生活費が保証されることによって労働力は再生産できる。このようにして労働者は働き続けられるのです。ですから高齢者の賃金は高くならざるを得ない。これは個人消費の問題として経済活動と強く深くかかわる問題です。高齢者が若い人と同じ低い賃金のままならば、子供を育てられなくなったり、必要な必需品を買えなくなる。今この個人消費が伸びない矛盾の原因がここにあります。
年功序列型賃金と終身雇用は労働者の安心を生み出します。人生設計がある程度たちますから。結婚をして子供が生まれ、小さくとも自分の家を持ち、節約をしながらも子供を大学に入れて、独立したら夫婦の老後の蓄えを餡が得る。。。。。この保証ができるわけです。同時にこの人生設計の中で個人消費を行います。若い人の賃金はその過程により上昇しなければなりません。