猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

ちゃあこの気遣い。

2008年02月05日 16時53分16秒 | 猫たち
昨夜。

仕事を終えた弟から電話があった。

私は、「どうした!?」と、
もしかすると、例の『お金貸して下さい女』が、本当に連絡でも寄こし、
『お金を返す』なんて話になっているのかと、勢い込む。

と、電話の向こうの弟はといえば、笑いながら、すっとぼけつつ、
「いや、ちょっと悲しいことがあったから(←寸借詐欺を指している・笑)
 たまには遊びに行こうかなと思って(笑)」
なんて。

すでに自身の不幸をネタにして、私から笑いをとろうとする。

そして。

やはり私はといえば、爆笑しながら、
「ああ、そうだね。遊びにおいでよ♪」と、返事をし、
電話を切っていそいそと食事の仕度を始める。

一人暮らしの弟だから、日頃摂れないであろう、
野菜や出来立てほかほかの食事を用意して待っていよう。

玄関チャイムが鳴った頃には、食卓の準備も整い。

それらをつつく弟を相手に、私は彼の話を聞いたり、
それ以上に喋り続けたりする。


ちゃあこも、弟の来訪に、はしゃぎまくり。

最近ではしないようないたずらをしてみたり、
普段は素通りしている隙間に入って見せようとしたり.....

それは、まるで、何かをわかっていて、
彼を笑わせようとしているよう。

そして、
散々、はりきるだけはりきった彼女は、
最後に弟の膝にちょこんと納まると、静かに彼の手を舐めはじめる。

「元気だしなよ、T君。ちゃあこが面倒見てあげるからさ」

そう、言いたげに。


.....いや。
ちゃあこの姿がそんな風に映るのは、私が親バカだからに違いないけど。

でもやっぱり、彼女は彼女で、
人の心を感じ取っているのかなと思う。

自分の手を舐めてくれるちゃあこを、弟は穏やかな目で見つめ、
私は、その光景を眺めながら、
弟の心の内に、今なにがあるのだろうと、
ぼんやり考える。

なんでも面白がり、自分の不幸さえもネタにするエスパー一族。

事件が起きたのが昨日の今日でも、
それを笑う逞しさがとりえ。

かつては路上で死にかけ、さまよっていたちゃあこも、
そんな一族らしく、耳を引っ張られようが、ひげを引っ張られようが、
平気の平左な逞しい猫だけど.....

その逞しさには意味があるんだよね。


T君(弟)
笑いながら帰って行ったね。