あれは、横浜に今年はじめての雪が降った朝だった。
仕事帰りのゴンザを駅まで迎えに行き、
肉まんを買い食いしながら歩き出すと。
とある一枚の張り紙を見つけ.....
私とゴンザは足を止めた。
ここは、我が家前の通りから続く商店街の。
かわいいおジイが営むお肉屋さん。
周辺の駅がどんどん開発されてゆく中でも、
変わらず古く小さな商店が頑張る、
少し寂れた商店街の中の。
ここのおジイはいつもニコニコしてて、
自転車屋さんの頑張るおジイや、食品店のおジイと共に、
いつもあいそ良く、買い物客に話しかけては、商売を続けていたのに.....
(『頑張れおジイたち!』)
とうとう、閉めちゃったんだな。
おジイ、どうしてるかな。
おジイのコロッケ、食べたいな.....。
商店街とは逆方向に進むと、
開発の波はすぐそこに迫っている。
今は平和なこの公園も、
すぐそばに場外馬券売り場が出来ることで
変わってゆくのだろうか。
それでも今はのんびりしてて、
心優しい誰かが、
積雪にも寒くないようにと、猫ハウスを作ってくれたようだ。
しばらくその場に立ち尽くし、私たちは少しうなだれて歩き出す。
おジイ、私たちの自転車を見て、
「おじさんにもああいうカッコいいの、乗れるかな?
お母さんにダメって怒られるけど、乗ってみたいんだよなぁ」
って言ってたよね。
お店を辞めても、ずっと、元気でいてくれるといいなぁ。
ここに棲む猫達はみんなコロコロとよく太っている。
そういえば毎日朝晩、色んな人がカリカリの袋を持って歩いているし(笑)
お天気がいい日は、河原でランチを食べる人の
おこぼれにも預かっているもんね。
私は頭の中で、
お肉屋さんの白衣を脱いだおジイが、サイクリングを楽しむ図を想像してみる。
おジイ、元気でいてよね。
コロッケ食べられないのはちょっと残念だけど、応援してるよ。
.....あ。
自転車に乗っても、転んで怪我すんなよ!
今までありがとう。
みんなが仲良く暮らせたら、一番なのに。