猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

対岸の火事じゃない。

2008年03月13日 02時26分38秒 | ハ~プニング!

あれは日曜日。
楽しく自転車を漕ぎ、公園へ向かおうとしている時だった。

私たちは、サイクリングロード下の河川敷で、
誰かが焚き火をしているのを見つけた。

 

公園で見つけた小さなどんぐり。
冬の間、きっとこの実は、小さな動物たちの貴重な食料となったことだろう。

 

一部、コンクリートで固められた場所で、
じかにその上に何かを置き燃やしている、その様子は、
周囲に人がいないことから、「あれはいったい何者の仕業なのだろう?」と。

そして、私たちは怪訝に思いながらも横目で通り過ぎ、
「危ないねぇ。コンクリートの上で直接火なんか焚いたら爆発するのに」
と。

そう呟きながらも、焚き火の規模が小さいのをいいことに、
その存在をすぐに忘れ.....

自分たちの休日を楽しむことに没頭してしまったのだった。

 

なぜか公園には、珍しい蝶の標本もおかれ、
その美しさに我々も感心。
なんでこんな色に進化したんだろ?
(ただし、一部の蝶は羽に色がついているのではなく
反射による光の屈折が、人に色を認識させているらしい)

 

.....と。

帰り道。

同じ場所を通りかかった私たちは異変に気づく。

あの、焚き火をしていた左側。
それまで背の高い枯れた葦がたくさん繁っていた場所が、
かなりの広い範囲、綺麗に黒焦げになっているのを。

そして、よく見ればその焦げはすべて水浸しになっていて、
それは明らかに消火の跡であることがはっきりわかる。

目を転じれば、数人の警察官の姿と、側に立つ60代頃の男性の姿があって、
「ああ、この人が焚き火の主だったのだ」と。
「あの焚き火が原因で、河川敷に火災が起きたのだ」と。

私たちは、朝にあの焚き火を見た時点で通報しなかったことを悔やむ。

 

ここから左側、かなりの範囲黒焦げになった河川敷。

 

『河川敷にはたくさん人がいたからキケンがあればすぐに誰か気づくだろう』
『焚き火の主もすぐに戻ってくるだろう』と、
自分中心の考えでいたから、こういうことになってしまったのだと。

怪我人は出なかったようだから、それだけは救いだが、
でもきっと、多くの虫や小さな生き物は焼け死んだことだろう。

対岸ではサッカーに興じる人たちが朝から大勢おり、
燃え盛る炎を見たときにはパニックとなったに違いない。

焚き火の周辺を散歩していた犬たちは、怪我をしなかっただろうか。

土の中の虫たちは?

鳥たちは?

 

凹みながら辿った家路。
途中、こんなサクラを見つけた。
空が青いなぁ。

 

現場検証をしている警官に私たちは尋ねる。

「焚き火が原因で燃えちゃったんですか?」

警官は「そうなんです」と答え、大きな巻尺を持ち出して、検証を続ける。

と。

ゴンザが口を開き、警官にそっと注意を促した。

「そこ。チューリップの芽が出てるんです。踏まないように気をつけて!」

燃え残った土手の縁。

警官はパッと飛びのき、「ああ、ごめんなさい!」と、小さな芽を見つめる。

河原の植物たちは、きっとすぐに再生するだろうが、
何事も対岸の火事ではなかったのだ。

私たちはため息をつきながら、再び自転車のペダルを踏んだ。

 

家に到着すると、階下の犬猫病院では、
仔猫たちがこんな重なりポーズで熟睡中。
下の子、苦しくないのかなぁ(笑)