庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

深山探索 ミツマタの異常 花穂に花ではなく枝が咲く。ミツマタではなく四つ股も多数

2016年04月07日 | 野草を訪ねて
昨年2015年8月に深山探索のついでに立ち寄ったミツマタ群生地で異常な花穂を発見したので、花の時期に再度見てみたいものと思っていました。まずは昨年8月の花穂の異常です。
1508220104ミツマタの怪1508220104ミツマタの怪 posted by (C)雑草
上の写真のミツマタは花の咲いたであろう部分に花の数ほどの小枝がついています。拡大するとこんな感じでした。
1508220078ミツマタの怪1508220078ミツマタの怪 posted by (C)雑草
1508220080ミツマタの怪1508220080ミツマタの怪 posted by (C)雑草

これは何としたことか、ぜひ花の時期にも確認したいということで、花の盛りはやや過ぎたものの今回の探索となりました。
舎弟から前日に明日なら案内できるがと突然電話がありました。明日は雨模様でダメだろうと、テレビの天気予報をみると、あれれ、朝の予報では雨と曇り出あったのが、いつの間にか晴れと曇りに変わっています。明後日はもと職場のパンポン仲間の花見で明日しかないので、これ幸いと、明日ミツマタを見に行くことに即決し、早朝出かけました。
群生地の期待通りのすばらしい景観は前のブログのとおりですが、いざ、この群生の中へ入るのが一苦労です。

というのは天気予報に反して小雨模様で、おまけに花には水滴がいっぱいついていて、上からの雨よりもこの水滴でびしょ濡れになってしまうからです。
それでもここまで来ては探究心には変わりなく群生の中に分け入りました。まずは昨年見た枝の出た花穂はどんな状態かを確認しました。

1604050051mh11604050051mh1 posted by (C)雑草
昨年8月の時よりは小枝が少なくなっています。一箇所から多数の小枝がでたために、強い枝だけが伸びて、弱い枝は枯れてしまったのでしょう。それでもまだたくさんの枝が残っていて、枝先に葉が出始めています。
1604050050mh01604050050mh0 posted by (C)雑草
1 花床の上に多数の短い枝と10本余りの長い枝があります。1段目
2 この長い枝の先の一箇所からまた多数の枝が出ています。2段目
3 その2段目の枝の先に芽が出始めています。今年はこの芽が伸びて3段目の枝になるのでしょう。
以上は昨年8月に確認した株ですが、他に同じような株が数株あることがわかりました。場所はいずれも杉の木の下です。

さらに探索していると不思議な花?をつけた株を発見しました。
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これは一見花の集まりのようですが、どうみても普通の花ではありません。木の芽の集まりのようです。
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拡大して詳細を見ようとしたのですがピンボケになってしまいました。
16040500551604050055 posted by (C)雑草
この木の芽の花はもしかすると上の株と同じように、花床からたくさんの枝となるのではないでしょうか。
上の株では枝が2段になっていますが、この株は今年初めて1段目の枝が出るのでしょう。
この不思議な木の芽の花をつけた株もやはり杉の木の下でした。スギの木の下と言っても、開けたミツマタの群生地のすぐそばで、杉森の奥にはミツマタが生えていません。

この不思議な木の芽の花の付近では、さらに不思議な枝が出ている株が散見されました。それはミツマタの枝は、1年ごとに3本に枝が分かれるのが普通で、それ以外には枝が出ないものです。ただし枝を切ると、切った付近から何本かの枝がでます。
そのため通常の枝は下の写真のようにすっきりしています。
ミツマタミツマタ posted by (C)雑草
ところがこの場所の数株は、こんな具合に枝がたくさん出ていました。
1604050057me11604050057me1 posted by (C)雑草
上の写真は枝の先端については先に書いたとおりです。途中の枝にちゅうもくすると、これはミツマタの枝とは思えないほどです。
次も同じような状態です。
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次は幹の下のほうから小枝が次々に出てきます。
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次の写真では、枝が3本は正常として、その3本の枝にそれぞれ短い枝が見えます。正常ならばこのところも3本の枝が出るべきなのに1本だけが正常で、他の2本の枝が小さいか、ほとんど出ていない状況です。また3本に分かれてからこの異常点までの距離が短いのも気になります。
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さて、杉の木の下の異常な木の芽の花と、通常は枝が出にくい部位から出た枝などをみました。
今度は開けたミツマタの群生地内を探索して、またまた驚きました。それは三股(あえて股としました)が通常のミツマタの枝の出方であるのですが、多くの株に四股が見られたからです。
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1604050073 posted by (C)雑草
上は一箇所から4本でている例です。これはすでに枯れていました。枯れたのは昨年と思います。

つぎは生きている四つ股です。
CIMG3604med0CIMG3604med0 posted by (C)雑草
番号1が四つ股の部分です。番号2・3・4の順に成長してそれぞれ正常です。そして最後が番号5でことしここから3本の枝が出ることでしょう。
番号1の四つ股部分を拡大しました。
CIMG3608med01CIMG3608med01 posted by (C)雑草
4本の枝に分かれています。さらに注意して見ると、伸び始めて枯れたような枝があることがわかります。
この段が成長しようとした年はかなり過酷であったと推定できます。
この段はこう推定できます。その部分が成長した西暦年は現在2016年の芽・番号5から逆算しました。
2011に過酷な環境で芽が出たがすぐに枯れた。枯れたような枝が残っている。
2012に4本の枝がでた。通常3本のところ生長点に異常があってのことか枝が4本出たのかも。
その上に3本に枝が分岐した年が3カ所(番号2 2013・番号3 2014・番号4 2015)あり、これらは正常といえそうです。
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そして枝の最先端には番号5・今年2016の芽があります。今年もここからは正常な3本の枝が出ることでしょう。
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次は枝が2本しか出ない例です。
CIMG3630ed0CIMG3630ed0 posted by (C)雑草
西暦年は今年2016の芽から逆算しました。
一番下の枝は3本2010で正常。次が2本2011・3本2012・2本2013・2本2014・2本2015です。どうしてこんなに2本しか枝が出ないことが多いのでしょうか。最初の2本の枝が出たときが過酷であった。次3本になり立ち直ったと見えたが、3回連続して異常があるということは、回復できない異常を内在しているからなのでしょうか。
その延長の今年2016ははたして回復して正常な3本になるのか、これからも異常が続いて2本なのでしょうか。

このように異常がいつ発生したかさかのぼると2011年となるようです。
また、最初にあげた花穂に花ではなく多数の枝が出ること、あるいは通常は枝が出ない部分に多数の枝が出るという異常は今年も起きていることは、開けた場所ではなく、杉の木の下であることに関係しているようです。

開けた場所は風雨にさらされ、いわば日々洗浄されているので、異常が出ることが少なくなっている。それでも2本しか枝が出ない株の例のように、影響が続くことがあるのは、樹木自体の内部の損傷が疑われるケースではないかと疑われる。

一方杉の樹木の下では、まんべんなく洗浄するような雨風ではなく、むしろ杉の葉や枝をつたって落ちる水滴によるため、洗浄が十分でないことに加えて、さらには杉の木の汚れが落ちてくるなど、小さい木はかえって汚れがさらに蓄積されやすいなど、開けた場所よりも汚れが多くなり、かつ長期間汚れているなど影響が大きいと推定されます。
最初の花穂に花に代わって出た枝が何年に始まったかを逆算してみました。ちょっと自信がありませんが、まず下の写真の枝に番号をつけました。
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番号5は2016年の芽です。さかのぼって番号4は2015年に伸びた部分。番号3は2014年に、番号2は2013年に、番号1は2012年に伸びた部分と一応こうなりました。ちょっと間違いも?と考えられますが、
いや2012年でも間違いないかもしれません。それは今年初めてこのような現象が起きたと思われる株があるのですから(この記事の上のほうの木の芽の花)、1年遅れて2012年であったとしても不思議ではありません。

最後にこんな枝の異常も見つかりました。何本も出た枝ばかりでなく、白い塗料のようなものも不気味です。
CIMG3641mxxCIMG3641mxx posted by (C)雑草
コメント (4)
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