偕楽園には花びらのない梅の木があります。正確には全く無いわけではなく、小さい花びらがある花もあり、全く見当たらない花もあります。偕楽園の東門を入ってすぐに左方向へ行くと南崖があります。そのすぐ手前に偕楽園では最初に咲き始める八重寒紅という紅梅があります。早咲きですから、今はほとんど花はありません。この八重寒紅のすぐ近くの階段を下りたところに�酈懸梅があります。花を見るのには、崖の上から千波湖を見ると、ちょうど目の前にこの�酈懸梅の花が見えるのですが、満開になっても茶色のおしべや萼しかみえないので、まだ咲いてないとか、もう散ってしまったと勘違いしがちです。3月8日時点では、この距離では花びらを確認できる花は見当たりませんでした。
ところが本日3月19日に久しぶりに行きました。(というのはいつもは毎日のように偕楽園通いをしているのですが、今週は93歳になる母を預かっていたので、行く機会がなかったのです) 今日は母の散歩を兼ねてゆきました。母は花には興味がないようで、あまり気が進まないのと、腰のあたりが傷むので、途中でベンチに腰掛けて休んだりして、どうにかここまでたどり着いたのでした。というわけで近辺の泰平と数本程度しか見ないで帰ろうということになりました。帰りがけにこの�酈懸梅を見ますと、なんと白い花が咲いているではありませんか。
この木は�酈懸梅の中では偕楽園で一番大きな木で、しかも他の�酈懸梅より早く咲き始めます。散るべき花びらがないので本当は、散ってしまったという表現は適切でないかもしれないが、もう花の盛りを過ぎて、ほとんどが散ってしまったであろうはずなのに、白い花が見えたのです。同じ木でありながら、花の盛りのころは、ほとんど花びらを出さずに、花の終わりには花びらを出して見せてくれたのであります。何とも不思議な咲き方をする梅であります。
酈懸梅はてっけんばいと言います。中国の地名です。この梅の名はまた茶筅梅とも言います。花を茶筅に見立てたものです。
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