A2の月影
A2の月の桂
月影と月の桂は非常によく似た花なので、いまだに花を比較してもいずれがアヤメかカキツバタのように、いずれが月影か月の桂です。
そこで今日は松崎睦生先生著の「水戸の梅と弘道館」にある月影と月の桂の説明文を詳細に比較してみました。
1 開花時期の比較
月影
やや早咲きの一重中小輪。
月の桂
やや早咲きの一重中輪。
開花時期はほぼ同じということですね。月影は中小輪で、月の桂は中輪。月の桂のほうがやや花がおおきめでしょうか。上の写真では花の大きさは比較できませんが、そういわれて実物を見ますと月影のほうがちいさめかと。
両者は御成門から見晴広場への園路の左側に黒い名札がつていますので、興味のある方は見てください。ちょっと園路から遠いのが難点です。
2 花弁の形の比較
月影
青白い丸弁が端正に開く、花弁の内凹は中位。
月の桂
やや凹む青白い丸弁が端正に開く。
花弁の形は同じようなものでしょうか。
3 花弁の数の比較
月影
説明なし。花の形の比較では端正に開くとあるので、5弁である。
月の桂
五弁花であるが六弁花も現れる
花弁数は月影は5弁(のみ)で月の桂は基本は5弁であるが6弁の花も現れるということでしょう。これはわかりやすいことです。
もう一度花をチェックしてみますと。
まずは月影です。
A2月影
それから月の桂です。
A2月の桂
たしかに月影は5弁花で、ちょっとだけの観察なので確信はないですが、6弁花は見当たりませんでした。月の桂は冒頭の写真とこの写真では6~7弁のように見えます。
それでは園内で今咲いているほかの月影はどうかと見てきましたところ、6弁花があるかなと探しましたら、6弁花が何と見つかってしまいました。
藤棚の月影
藤棚の月影
上は東門大通りの藤棚の南側、見晴広場への角の月影です。6弁花を見つけてしまいました。
次は椚門の下の月影です。
椚門下の月影
椚門下の月影
この木にも6弁花が混じっていました。
この結果からは、A2地区の月影はまさしく月影と考えられますが、藤棚南と椚門下の月影はちょっと怪しい。月の桂に近いのでしょうか。
4 花弁基部のすきまの比較
月影
花弁基部のすき間を淡緑色をした萼片がふさぐ
月の桂
説明なし
月の桂は花弁数が多いものもあるので、必ずしも花弁の間にすき間があるわけではないので説明がないのでしょうか。
上の花の写真を見ると、A2地区の月影にははっきりとしたすきまが確認できますが、月の桂ではほとんどすき間がありません。
また藤棚南と椚門下の6弁花もやはりすき間がほとんどないか、わずかにあります。これは6弁花を撮ったものですから、他の5弁花ではもっとすき間があるのでしょう。
5 雄しべの比較
月影
雄しべは正開。花糸は黄色の葯をつけ花粉は多い。
月の桂
雄しべは正開。花糸は長短あって黄色の葯をつけ花粉は多い。
月影は花糸の長さが比較的同じで、月の桂には長短あるということでしょうか。雄しべが正開と、黄色の花粉が多いというのは同じですが、他の緑萼の花と比較するときは区別点になるかもしれません。
6 花底の比較
月影
花底は緑色を帯びた橙色。
月の桂
花底は橙色であるが、老けると橙色が淡くなる。
どちらも橙色ですが、月影のほうが緑色を感じるということでしょうか。そういわれて上の花を見比べると確かに月の桂のほうが濃い橙色でA2地区の月影だけがちょっと薄いような気持ちになります。
この差は実物を並べて比較しないと分からないでしょう。個別に見てこの色の差がわかるのは専門家しかいないかもですね。
7 萼筒の深さ比較
月影
萼筒は中位の深さ。
月の桂
萼筒は浅い。
萼筒の深さは月影のほうが深いということですね。上の写真からは何とも区別がつきません。両者の花をたくさん並べてみたらその差が少しは分かるのでしょうかね。難しい。
8 萼片の比較
月影
萼片は丸型で淡緑色。
月の桂
萼片は丸型で若草色。
萼片の形は丸型で同じ。色が月影は淡緑色で月の桂は若草色。この違いは月影のほうは青色寄りで月の桂のほうが黄緑色寄りなのでしょうか。
萼の写真を比較してみましょう。
まずは5弁花しか見つからなかったA2地区の月影です。
A2月影
A2月影
次はA2地区の7弁花もあったA2地区の月の桂です。
A2月の桂
A2月の桂
上の月影と月の桂の違い。正直全くわかりませんね。気持ち月影のほうが青よりで月の桂が黄緑よりに見えるでしょうか。
次に6弁花のでた藤棚南と椚門下の月影の萼の様子です。
藤棚南の月影
藤棚南の月影
椚門下の月影
椚門下の月影
いかがでしょうか、藤棚南と椚門下の6弁花の出た月影の萼の色はA2地区の月影に近いか、それとも月の桂に近いかのどちらと思われますか。A2地区の月影と月の桂の色の違いもよくわからないのに、どちらの色に近いかと言われても困りますね。
9 苞の比較
月影
萼片の外側についている苞が開花後も花梗に残っているのが月影とされている。
月の桂
開花した時、萼片の外側についている苞が残らない。
月の桂は花冠が大きく6弁化も混じる。
開花後に苞が残るのが月影で、苞が残らないのが月の桂ということ。果たして上記8項でアップした花の裏側の写真を比較して残っているでしょうか。それとも残っていないでしょうか。説明はわかりやすいのですが、判別はしにくいです。
「8 萼片の比較」の項目の1枚目の写真「A2の月影」が苞が最も多く残っているように見えます。いかがでしょうか。
10 香りの比較
月影
野梅香が強く香る。
月の桂
野梅香が弱く香る。
月影のほうが香りが強いようです。残念ながら香りは確認していませんでした。写真では全くわかりません。後日確認してみたいと思います。
今回は月影と月の桂が咲いたので咲いたことを記録するために撮ってきました。ふと違いは何かと本を見ましたところ事細かに説明がありましたので、違いをもっと意識して撮ってくれば良かったと反省しています。
月影と月の桂の違いはわかったようでわからないですね。
5弁花のみが端正に開くのが月影で、6弁花も混じるのは月の桂ではないかというのが雑草の当座の結論ですね。
A2の月の桂
月影と月の桂は非常によく似た花なので、いまだに花を比較してもいずれがアヤメかカキツバタのように、いずれが月影か月の桂です。
そこで今日は松崎睦生先生著の「水戸の梅と弘道館」にある月影と月の桂の説明文を詳細に比較してみました。
1 開花時期の比較
月影
やや早咲きの一重中小輪。
月の桂
やや早咲きの一重中輪。
開花時期はほぼ同じということですね。月影は中小輪で、月の桂は中輪。月の桂のほうがやや花がおおきめでしょうか。上の写真では花の大きさは比較できませんが、そういわれて実物を見ますと月影のほうがちいさめかと。
両者は御成門から見晴広場への園路の左側に黒い名札がつていますので、興味のある方は見てください。ちょっと園路から遠いのが難点です。
2 花弁の形の比較
月影
青白い丸弁が端正に開く、花弁の内凹は中位。
月の桂
やや凹む青白い丸弁が端正に開く。
花弁の形は同じようなものでしょうか。
3 花弁の数の比較
月影
説明なし。花の形の比較では端正に開くとあるので、5弁である。
月の桂
五弁花であるが六弁花も現れる
花弁数は月影は5弁(のみ)で月の桂は基本は5弁であるが6弁の花も現れるということでしょう。これはわかりやすいことです。
もう一度花をチェックしてみますと。
まずは月影です。
A2月影
それから月の桂です。
A2月の桂
たしかに月影は5弁花で、ちょっとだけの観察なので確信はないですが、6弁花は見当たりませんでした。月の桂は冒頭の写真とこの写真では6~7弁のように見えます。
それでは園内で今咲いているほかの月影はどうかと見てきましたところ、6弁花があるかなと探しましたら、6弁花が何と見つかってしまいました。
藤棚の月影
藤棚の月影
上は東門大通りの藤棚の南側、見晴広場への角の月影です。6弁花を見つけてしまいました。
次は椚門の下の月影です。
椚門下の月影
椚門下の月影
この木にも6弁花が混じっていました。
この結果からは、A2地区の月影はまさしく月影と考えられますが、藤棚南と椚門下の月影はちょっと怪しい。月の桂に近いのでしょうか。
4 花弁基部のすきまの比較
月影
花弁基部のすき間を淡緑色をした萼片がふさぐ
月の桂
説明なし
月の桂は花弁数が多いものもあるので、必ずしも花弁の間にすき間があるわけではないので説明がないのでしょうか。
上の花の写真を見ると、A2地区の月影にははっきりとしたすきまが確認できますが、月の桂ではほとんどすき間がありません。
また藤棚南と椚門下の6弁花もやはりすき間がほとんどないか、わずかにあります。これは6弁花を撮ったものですから、他の5弁花ではもっとすき間があるのでしょう。
5 雄しべの比較
月影
雄しべは正開。花糸は黄色の葯をつけ花粉は多い。
月の桂
雄しべは正開。花糸は長短あって黄色の葯をつけ花粉は多い。
月影は花糸の長さが比較的同じで、月の桂には長短あるということでしょうか。雄しべが正開と、黄色の花粉が多いというのは同じですが、他の緑萼の花と比較するときは区別点になるかもしれません。
6 花底の比較
月影
花底は緑色を帯びた橙色。
月の桂
花底は橙色であるが、老けると橙色が淡くなる。
どちらも橙色ですが、月影のほうが緑色を感じるということでしょうか。そういわれて上の花を見比べると確かに月の桂のほうが濃い橙色でA2地区の月影だけがちょっと薄いような気持ちになります。
この差は実物を並べて比較しないと分からないでしょう。個別に見てこの色の差がわかるのは専門家しかいないかもですね。
7 萼筒の深さ比較
月影
萼筒は中位の深さ。
月の桂
萼筒は浅い。
萼筒の深さは月影のほうが深いということですね。上の写真からは何とも区別がつきません。両者の花をたくさん並べてみたらその差が少しは分かるのでしょうかね。難しい。
8 萼片の比較
月影
萼片は丸型で淡緑色。
月の桂
萼片は丸型で若草色。
萼片の形は丸型で同じ。色が月影は淡緑色で月の桂は若草色。この違いは月影のほうは青色寄りで月の桂のほうが黄緑色寄りなのでしょうか。
萼の写真を比較してみましょう。
まずは5弁花しか見つからなかったA2地区の月影です。
A2月影
A2月影
次はA2地区の7弁花もあったA2地区の月の桂です。
A2月の桂
A2月の桂
上の月影と月の桂の違い。正直全くわかりませんね。気持ち月影のほうが青よりで月の桂が黄緑よりに見えるでしょうか。
次に6弁花のでた藤棚南と椚門下の月影の萼の様子です。
藤棚南の月影
藤棚南の月影
椚門下の月影
椚門下の月影
いかがでしょうか、藤棚南と椚門下の6弁花の出た月影の萼の色はA2地区の月影に近いか、それとも月の桂に近いかのどちらと思われますか。A2地区の月影と月の桂の色の違いもよくわからないのに、どちらの色に近いかと言われても困りますね。
9 苞の比較
月影
萼片の外側についている苞が開花後も花梗に残っているのが月影とされている。
月の桂
開花した時、萼片の外側についている苞が残らない。
月の桂は花冠が大きく6弁化も混じる。
開花後に苞が残るのが月影で、苞が残らないのが月の桂ということ。果たして上記8項でアップした花の裏側の写真を比較して残っているでしょうか。それとも残っていないでしょうか。説明はわかりやすいのですが、判別はしにくいです。
「8 萼片の比較」の項目の1枚目の写真「A2の月影」が苞が最も多く残っているように見えます。いかがでしょうか。
10 香りの比較
月影
野梅香が強く香る。
月の桂
野梅香が弱く香る。
月影のほうが香りが強いようです。残念ながら香りは確認していませんでした。写真では全くわかりません。後日確認してみたいと思います。
今回は月影と月の桂が咲いたので咲いたことを記録するために撮ってきました。ふと違いは何かと本を見ましたところ事細かに説明がありましたので、違いをもっと意識して撮ってくれば良かったと反省しています。
月影と月の桂の違いはわかったようでわからないですね。
5弁花のみが端正に開くのが月影で、6弁花も混じるのは月の桂ではないかというのが雑草の当座の結論ですね。
また月影のように端正なところを気に入ってくださる方も。それぞれですね。
名札を取ってしまうと、名前がわからなくなるのが多いのです。