ビョウヤナギが咲き始めました。
この花の名前の由来についてはいくつかあると思います。
その中で私の気に入っているのは、ビョウヤナギの葉が柳の葉に似ていることから、花の美しさを楊貴妃にみたてて、楊貴妃の眉を思い出させた未央宮(びおうきゅう)の柳の葉からビョウヤナギと名付けられたというものです。
ビジョヤナギとも言われますが、このビジョは楊貴妃のことと考えると同じことにつながりますね。
この説のもととなっているのは長恨歌とういう漢詩です。
長恨歌は 漢皇重色思傾國 (漢皇色を重んじて傾国を思う) という文から始まる長編の漢詩です。
未央宮の柳が出てくるのは、ちょうど長恨歌の真ん中ごろでした。懐かしいのでその部分をここに記します。
歸來池苑皆依舊 帰ってきてみれば池も庭もみなもとのままです。
太液芙蓉未央柳 太液池の芙蓉(スイレンのことらしい)も、未央宮の柳ももとのままです。
芙蓉如面柳如眉 芙蓉の花は今は亡き楊貴妃の顔のようで、柳の葉は楊貴妃の眉のようです。
對此如何不涙垂 これを見てどうして涙せずにはおられようか。
美人の眉は柳の葉に似ているのですね。お化粧の時には思い出してご参考にされてはいかがでしょうか。
ビョウヤナギの蕾は捻じれています。この蕾は右巻きです。
捻じれる方向はまちまちです。こちらは左巻き。
咲いてしまうとどちらに捻じれていたかには全く関係ないようです。どれも多数の長い雄しべと、柱頭が5本に分かれた雌しべが1本です。