庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

小さな訪問者と庭の花たち

2025年01月19日 | 庭の花たち

 庭の小菊

 庭の小菊

今冬は気温では例年より暖かい冬ではあるが、偕楽園の梅の開花状況をみると、いまだに例年ですと12月の梅の咲き始めたころように、咲いている木が非常に少ないです。庭の梅の木はまだ1輪も咲いていません。その代わり、秋の菊の花が咲き残っています。

 イースターモーン

3月から4月にかけて咲くツバキ、イースターモーンの花が一個だけ異常に早く開花したものの、寒さのためにすっかり萎れてしまいました。他の蕾はまだ一向に咲く気配がありません。

 1月の毎朝の最低気温を18日まで見てみましたら、マイナスの日数が14日、プラスの日数がわずか4日でした。暖冬にしては気温の低い朝が多いように思います。それでも、極端に寒い朝、例えばマイナス5度とかマイナス7度になることはありませし、晴天の日が続いて異常に乾燥しています。秋と冬、サラには早春の気候が入り混じった気候に、花たちはいつ花を咲かせようかと右往左往しているようです。

そんな花を撮っていた老人に近づいてきて、何をしているの?と声をかけてくださった、ちいさい訪問者がおりました。ランドセルを背負って、ヘルメットを被った下校途中の小学1年生かと思われる方です。

 庭のお花を撮っているのだよとカメラのモニターをみていただくと、興味があるらしく、もっと花は咲いていないかなと探してくれました。

 小菊

 3メートルほど垣根の下の方をさがして、小菊を見つけられたので、カメラで撮って、モニターを見ていただきましたら、ここにも。と指さして教えてくださったので、

 小菊

また小菊の花を撮って、モニターを見ていただきました。小さな訪問者は、すこし楽しくなってきたのでしょうか、上の方に目をやって不思議なものを見つけられました。

 カラスウリの殻

カラスウリの中身を鳥が食べてしまった殻です。なんだろうと覗いていましたので、カメラで撮ってモニタを見ていただき、これはカラスウリですと説明しました。

 ノジギク

次に見つけられたのはノジギクでした。これはノジギクです。と名前をお知らせすると、ここにもと指さしました。写真を撮ろうとしたら、垣根の角に差し掛かっていたので、風が吹いてきて、花が揺れてしまい撮れません。

 ノジギク

手で押さえてくれるよう頼みましたら、両手でそっと押さえてくださいました。続いて垣根の角を回ったところで、なんだろうと興味深そうに見ていらっしゃいました。

 ハツユキカズラ

これは、えーと、あのー、これは・・・・ どうしたことか、名前がわかってはいるのに、口から名前が出てきません。時々あるのですが、よく知っている花の名前などが、咄嗟に口で言うことができないのです。

そうこうしているうちに次に見つけられたものを指さしています。

 ヒガンバナの葉と木の芽

それはヒガンバナの葉の間から顔を出していました。アジサイの新芽です。

これは、アジサイです。まだ上のほうで冷たい風の吹く場所では小さい冬の芽ですが、このように緑の葉に囲まれた暖かい場所ではもう春がきたように、葉っぱが出始めたのですと説明しました。

 花が終わったチェリーセージ

次に何だろうと見つけたのは、花の終わったチェリーセージでした。

この葉っぱに触って、その手のにおいを確かめてとおねがいしました。香りの移った手の平に少し驚かれました。それから駐車場に入ってゆかれて、赤い実を見つけられました。

 マンリョウ

これはマンリョウといいます。暫く赤い実を見ておられましたが、もうひとつの赤い実を見つけられました。

 オモト

 これはオモトといいます。鳥が食べてしまいました。と説明すると、

でもひとつ残っていると言われました。  次はとても不思議に思う実を発見されました。

 ノシラン

これはノシランと言います。もうすぐとってもきれいな瑠璃色になります。

 ノシラン

ノシランの実に手を差し伸べて見入っておられたので、持って行かれますか?と申し出ると、うなずかれましたので、1本差し上げました。 次に菊の花に手を添えられました。

 シマカンギク

もしかして、これまで見られた、小菊やシマカンギクとはちょっと雰囲気が違うことにお気づきなのでしょうか。

これはシマカンギクという菊です。  次はもっとも雰囲気が違った花を見つけられて、

 枯れたイソギク

枯れたイソギクの花を持たれて、歯ブラシみたいと、初めてご自分の感想を述べられました。

枯れた葉の感触が歯ブラシなのでしょうか、それとも枯れた花が歯ブラシに似ていると思われたのでしょうか。

私には思いつかなかった新しい感触でした。素晴らしい感性の持ち主と感心しました。

 イソギク

こちらには、まだ咲いている花があります、とご案内しましたら、

興味深そうに触っておられましたので差し上げました。
小さい訪問者は下校途中に私に声をかけてくださったのでした。お花に興味を持たれてなお優しい心を持ち続けていただきたいと、思いがけず時間が過ぎてしまいました。
ノシランとイソギクをお持ち帰りになられてお家ではどのようなお話をされるでしょうか。

実はこのイソギクの写真をよく見るとわかるのですが、コンクリートのわずかな隙間から出て来てかわいい花を咲かせた根性イソギクです。

かわいい花に、やさしい心をもっておられる小さな訪問者のかわいい手がそっと添えられた居ます。

 

 


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