弘道館にはグミの大木があります。北側の土塁の西端、テニスコートの上ですから、一般には近づかない場所です。
グミとしてはかなりの大木です。
名札は『アキグミ』ですが、・・・・
葉と新梢を見たときに疑問に思いました。私がこれまで見てきたアキグミと違います。
もしかしてナツグミではないか。
アキグミ
これはアキグミの葉です。枝がかなり白いです。でもネットを見ると茶色の枝もありました。
アキグミ
これはアキグミの花です。花柄は短めです。
アキグミ
これはアキグミの実です。小粒で真ん丸ですね。
そういえばこれまでこの弘道館のグミの花や実を見たことがありません。そこで今年は花と実を確認することにしました。
4月17日 講道館のグミは満開でした。アキグミの開花は図鑑によると4~6月とあります。ということは4月に花が咲くことは有りということか。でも私の記録はアキグミは5月中旬に花が咲いていました。今年は桜も早かったし、アキグミの4月開花はやはり有りなのか。
花を確認しました。子房は小さくてほとんど真ん丸です。グミのなかでアキグミの実だけが真ん丸です。ということはアキグミか?
でも花柄がかなり長い。アキグミはもっと短いはず。やはりアキグミではないと思うが。ということでどうやらアキグミではないとの心証を得たが、とにかく実が熟すのはいつか待つことにしました。秋ならアキグミ、夏ならナツグミに違いないからです。
そして本日、庭のビックリグミが真っ赤に熟しました。
ビックリグミ
ナツグミもビックリグミとほぼ同じ時期に赤くなるはずです。そこで急遽講道館に確認に行きました。
あんなにたくさん花が咲いていたのに、遠目には実が見えません。もしかしてまだ赤くなっていない? そうしたらアキグミの可能性も有りか。
まばらについている実が有りました。赤く熟しています。でも実が真ん丸。いやアキグミより粒が大きめです。
まだ未熟な実もありました。この形は明らかにアキグミではないです。
赤い実はほとんど丸形ですが、今熟していますので、花柄も長いし判定はナツグミですね。
おっと、よく似たグミにトウグミというのがあります。正直雑草はナツグミとトウグミの違いを理解していません。次回の南高校の特別講座「楽しい自然観察」で観察してどちらであるか最終判定をしてみたいと思います。とりあえずは暫定ナツグミということです。
鹿島灘付近でもアキグミはいま開花しています。ところで、樹齢はどのくらいでしょうね。200年以上あると、空想が広がるんですが…。
この木の樹齢についてはわかりませんが、他の天然記念物が400年とかで、その半分くらいはと思っております。
グミの枝を燃やすと死人を焼くようなにおいがすると子供のころは言われました。あの頃は薪で焼いていたので風向きによってはでしたね。
このため悪鬼が来ないようにというので村境や境内の入口付近に植えたということがあるようです。例としては曙のグミなど。そのように考えると鹿島神社、孔子廟にも比較的近く悪鬼が来ないようにと植えた可能性も有るのではと考えられますね。明治以降に植えたとか、自然に発芽したとは考えにくいし、むしろ弘道館のために植えたとか、それ以前に城内へ悪鬼が侵入しないようにと植えたとかのほうが可能性があると思います。樹齢について専門的な方に見ていただく価値があると思いますね。
このグミは小粒でしたが甘かったです。