大阪府立高校の今春の入試で、54校で採点ミスが判明したというニュースが報道されました。ミスによって本来合格していた4名が不合格の結果を受け取ったことにより翻弄されたことを想えば、大阪府教育委員会の責任は極めて重いと言えます。
なぜ、これほどの大量ミスが起こったのか?大阪府教育委員会が考えるべきはその点です。これは決して教員だけに反省を促して解決できる問題ではないように思います。つまり、個々人の教員の問題ではなく、原因は制度にあるのではないかと考えます。今春の入試から前・後期の2回の入試が行われました。それが府立高校の教育現場にどのような影響を与えたか、そのことを検証せずして、「入試ミス」問題の原因は解明できないと思います。
大阪府立高:今春入試、54校で採点ミス 計4人が合格に
毎日新聞 2013年06月14日 22時54分(最終更新 06月14日 23時26分)
大阪府教委は14日、今春の府立高校入学試験で、全153校のうち54校で計114件の採点ミスがあったと発表した。同じ高校を受験した2人が、本来は合格なのに不合格とされていたことが新たに判明した。既に発表していた別の高校の2人と合わせ、計2校4人の合否判定が誤っていた。府教委は4人を合格にして謝罪し、希望すれば入学を認める。
府教委によると、正解の解答を不正解とするなどの判定ミスが54件▽配点や点数計算を誤った集計ミスが60件−−だった。本来の点数からの増減は、96件が2点以内に収まっていたが、6点増えたり5点減ったりした例もあった。
合否に影響が出たのは、成城(大阪市城東区)と大手前(同市中央区)の両校。成城高は2月の前期入試で、配点を誤って、本来なら合格していた受験生1人を不合格にした。この受験生は3月の後期入試で同校に合格。しかし、本来なら後期入試で合格していたはずの別の受験生が、玉突きの形で不合格となり、私立高に進学したという。7日に発表した大手前高のケースも、前期で不合格にされた受験生が後期で合格し、玉突きでさらに1人が不合格になった。
府教委は、ミスの具体的内容や設問ごとの件数を精査し、採点やチェック態勢を見直す。米国出張中の中原徹府教育長は「受験生・保護者を含む府民の皆さまに心からおわびしたい」とコメントした。【深尾昭寛、村上尊一】