「君が代」不起立処分は、東京と大阪で際立っています。背景に政治があるだけに、都議選の結果も気になるところです。お馴染みの渡部秀清さんのメールを掲載します。
昨日(6月23日)、都議会選挙が行われました。
その結果、
①自民党の圧勝(39人⇒59人)
②共産党の躍進(8人⇒17人)
③民主党の惨敗(43人⇒15人)
④維新の惨敗(3人⇒2人)
⑤投票率の大幅な低下(43.05%。4年前より10.99ポイント低下)
のような特徴が現れました。
これをどう見るかは人それぞれだと思いますが、私は次のように見ました。
(1)この間のアベノミックスにより、貧富の差が広がり、日本社会における階級対立が強まってきた。それは①②に現れている。
(2)そのため、③にあらわれているように中間的な政党が後退してきた。
(3)この間維新のあまりにも酷い実態が明らかになり、彼らは世論から見離されつつある(④)。(水に落ちた〇状態)
(4)⑤から分かることは、多くの都民が総与党のような都政に呆れかえっていること。
したがって「①自民の圧勝」といってもそれは内輪だけ表面だけ(議会だけ)の話であるということ。
特に、今回は(1)と(3)が重要ではないかと思います。
(1)に関して言えば、日本でも、世界各地の大衆運動の発展同様、新たな大衆運動の条件が生まれつつあると言えます。
(3)に関して言えば、「水に落ちた〇」をしっかりと撃つことでしょう。すでに、石原は橋下について「終わったね、 この人」と述べています。維新は参院選でも、石原・橋下のツートップで闘うつもりのようですが、「暴走老人」と「終わった人」をまとめて叩くことが私たちの大きな課題になりそうです。
しかし特に、橋下を容赦なく叩くことが重要だと思います。
(叩けば叩くほどボロが出てくる)
その上で、以下のような動きは参考になると思います。
<6月3日>(埼玉県・新座市議会)
橋下発言の撤回・謝罪を求める決議が全会一致で可決
<6月19日>(宮城県内超党派女性議員43名)
橋下発言の撤回と謝罪を求める抗議声明を発表
<6月21日>(茨城県取手市議会)
橋下発言の撤回と謝罪を求める決議を賛成多数で可決
「女性を性の対象としか見ていない考えが透けて見える」とある
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<6月18日>(サンフランシスコ市議会)
「橋下氏の態度・発言を強く非難する決議案」を全会一致で採択。
その中では、
①日本の国会が戦時中の残虐行為を公式に認める法律を採択するよう
オバマ大統領と米議会が日本側に働きかける。
②サンフランシスコのリー市長が姉妹都市の市長として、この決議を
橋下氏と大阪市議会に届ける。
とも述べられています。
<6月20日>(ニュージャージー州議会上院)
州議会下院に続き「日本は従軍慰安婦犯罪の教育をせよ」
との決議を全会一致で採択。
すでに5月31日には、国連の拷問禁止委員会が
「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」
とする勧告をまとめ、日本政府にこうした発言に明確に反論するように求めています。
したがって、橋下を容赦なく叩くことは安倍政権を叩くことにもなります。
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前回(6月12日)のメールで、根津さんからの、「世界」7月号に、「君が代」不起立を続け、今春は卒業式、入学式ともに減給1ヶ月処分を受けた 田中聡史さんへのインタビュー記事が掲載されています。 ・・・というメールを紹介しました。
そのインタビュー記事に対して、(すでに田中さんがいくつかのMLに流していますが)、
都教委は校長を通じて田中さんへの「事情聴取」を行いました。
田中さんは、次のように書いています。
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先日、岩波書店の「世界」7月号(6月上旬発売)に、
私の不起立に関するインタビュー記事が載ったことについて、
6月19日水曜日に、校長から、
それについて取材報告をするので事情を聞かせてほしい、
との呼び出しがありました。
水曜日は簡単に取材の経緯を説明して
水曜日は簡単に取材の経緯を説明して
(4月20日土曜日に取材を受けたことなど)、
おそらく校長はその日のうちに都教委に報告をしたのだと思います。
そして、昨日、6月21日金曜日、
そして、昨日、6月21日金曜日、
校長による私に対する校内での研修の8回目があったのですが、
その冒頭に、再び取材報告についての質問がありました。
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その質問内容は以下の通りです。
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1取材を受けた経緯/どのようなやりとりがあったのか
2取材の依頼は/いつ/どこで
3取材後のやりとりはあったか
2取材の依頼は/いつ/どこで
3取材後のやりとりはあったか
(世界7月号は6月上旬に発行、取材後1ヶ月以上の間隔があった。)
・あったとしたら/いつ/内容は
4取材に対してのお礼等は
5取材を受けたら報告する義務があるが、報告がなかった理由は
4取材に対してのお礼等は
5取材を受けたら報告する義務があるが、報告がなかった理由は
(4月14日に東京新聞の取材をうけ、18日に報告をしている)
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これに対して田中さんは、
これに対して田中さんは、
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5つ目の質問の、
「取材を受けたら報告する義務があるが、報告がなかった理由は」 という項目については、私は「義務があること自体を知らなかったが、根拠となる服務規程などがあるのですか。」 と尋ねたところ、校長は「今はすぐにわからないが、確認しておく。」との返事でした。
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しかし、これまで何度も新聞や雑誌の取材を受けた根津さんや他の被処分者の方にもこのようなことは一切ありませんでした。
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しかし、これまで何度も新聞や雑誌の取材を受けた根津さんや他の被処分者の方にもこのようなことは一切ありませんでした。
大阪、全国の方はどうですか?
これはメールを見てもわかるように明らかに
①都教委が新たな処分理由を見つけるための「事情聴取」
②都教委が言論統制をするための「事情聴取」
です。
田中さんは校長に対して
「義務があること自体を知らなかったが、根拠となる服務規程などがあるのですか。」
ということを聞いていますが、そのような「義務」や「根拠となる服務規程」があるとしたら、
とんでもない国です。これでどうして、「日本の人権状況は先進的だ」などと言えるでしょうか。
5月22日、国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会の対日審査が行われた際、日本の上田秀明・人権人道担当大使が英語で「黙れ」を意味する「シャラップ」と大声で発言していたことが問題になっています。
そこでは、委員から、
「日本の刑事司法制度は自白に頼りすぎており、中世のようだ」
との指摘が出たので、上田大使は、「日本の人権状況は先進的だ。中世のようではない」と反論したところ、場内から笑いが起きたので、上田大使は「何がおかしい。黙れ(シャラップ)」と大声を張り上げたと言います。
まさに日本は、国際的に「笑われる国」に転落しつつあります。
舌禍を繰り返す政治家と、彼らに従順な官僚・役人たちによって。