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教科書への介入を決めた6/27都教委~根津公子「都教委傍聴記」届く!

2013-06-28 09:22:57 | 東京の根津公子さんからのメール

東京の根津公子さんから6月27日の教育委員会の生々しい傍聴記が届きました。


今日(6月27日)の都教育委員会定例会で、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版の「日本史A」「日本史B」を採択しないよう「見解」を出すことを決定したニュースはご存じかと思います。

私たち、河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会の3名で傍聴したので、その報告をお送りします。


6月27日東京都教育委員会定例会報告

都教委の考えと異なる教科書は採択させない「見解」を決定

今日も都庁前チラシ配りをした後、定例会を傍聴しました。

きょうの定例会は教育委員6名と事務方(都教育庁)が一体となり、都教委の独裁的権力性、暴力性をはばかることなく見せつけるものでした。

一昨日の東京新聞が、都教委事務方は都民から寄せられた請願の6割を握りつぶしてきた実態を明らかにしてくれたばかり。多少は反省(いや、体面を繕うか)が見られるかと思いながら傍聴に臨んだのですが、いやはや。

来年度、都立高校(特別支援学校等を含む)が使用する教科書の調査研究報告がされ、それに続き、「平成26年度使用都立学校用教科書についての見解」が提案されました。

「都教委の方針と異なる記述があることについて、教育委員長が指導部に指示して教育委員会の見解をまとめさせたので、読み上げてもらう」と木村委員長が言い、指導部長は次の「見解」を読み上げました。
都教委の方針と異なる記述をした実教出版の日本史は採択させない、という国定教科書を想起させる、これまでにはなかったことです。


■「平成26年度使用都立学校用教科書についての見解」■

都教育委員会は、各学校において、最も有益かつ適切な教科書が使用されるようにしなければならない責任を有しており、教科書の採択に当たっては、採択権者である都教育委員会がその責任と権限において適正かつ公正に行う必要がある。

平成26年度使用高等学校用教科書のうち、実教出版株式会社の「高校日本史A(日A302)」及び「高校日本史B(日B304)」に、「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保障するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」という記述がある。

平成24年1月16日の最高裁判決で、国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であるとみとめられたことを踏まえ、都教育委員会は、平成24年1月24日の教育委員会臨時会において、都教育委員会の考え方を、「入学式、卒業式においては、国旗掲揚及び国歌斉唱について」(別添資料)にまとめ、委員総意の下、議決したところである。

上記記述のうち、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」は、「入学式、卒業式等においては、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導することが、学習指導要領に示されており、このことを適正に実施することは、児童・生徒の
模範となるべき教員の責務である。」とする都教育委員会の考え方と異なるものである。

都教育委員会は、今後とも、学習指導要領に基づき、各学校の入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱が適正に実施されるよう、万全を期していくこととしており、こうした中にあって、実教出版株式会社の教科書「高校日本史A(日A302)」及び「高校日本史B(日B304)」を都立高等学校において使用することは適切ではないと考える。

都教育委員会は、この見解を都立学校等に十分周知していく。

都教育委員会は、委員総意の下、以上のことを確認した。

平成25年6月27日                    
                                      
東京都教育委員会

 
教科書採択は、小中学校の場合は各市町村教委単位で行いますが高校の場合は、各学校の校内選定委員会で決定した出版社版を校長が都教委に報告し、それが承認される仕組みになっています。しかし、昨年の教科書採択の際、その手順を無視し、上記の記述を問題視した都教委は、実教出版「日本史A」を選んだ学校(校長)に対し圧力をかけ、他社の教科書に変えさせた経緯があります。今年も高校では警戒をしていただろうと思います。

今朝のチラシまきは東京都学校ユニオンも行っていて、そのチラシには、「本年4月17日の校長会において『使ってはいけない教科書があるか?』という質問が出たそうです。江本敏男高校指導課長の回答は『そういうものは無い』」と書いてありました。

4月17日まで、指導部はこの「見解」を出すことを考えてはいなかったということです。木村教育委員長が発言したように、指導部に「見解」作成の指示を出したのは木村教育委員長。委員長は、教育委員6人の意見交換、決定をいつ行ったのか。4月以降の定例会を一度だけ傍聴できなかったのですが、その定例会でそれをしたのか。そうだとしたら、その時にマスコミ報道があったはずだろう。それとも非公開・非公式に行ったのか。そんなことがあっていいのか。疑問が次々に湧いてきます。

きょうもこれ以前に行われた報告や議案では活発に発言していた4人の教育委員でしたが、この議案には誰一人発言をしません。教科書検定制度や採択について、十分知識を持っているはずの人たちが、それに反することを都教育委員会の権限で行うことになぜ黙るのか。黙ることへの責任は感じるか。そう思いながら一人ひとりの顔を観察しました。表情をなくしたと見える委員がいました。場は異様な雰囲気でした。

一方で、あっけなく、あまりにひどい決定をしたことに一言ブーイングが漏れると、木村教育委員長は、「黙れ!」と烈火のごとく声を荒げました。「ここは私が支配する」というような印象でした。

今年は、この「見解」を指導部が各校長に送ることになります。校長が「見解」に逆らうことは、10・23通達に対してと同様、不可能(に近いこと)でしょう。

他に「都民の声(教育・文化)について 平成24年度下半期」の報告がありました。請願と同様、都教委の方針と異なる都民の声は実質握り潰しておいて、半期ごとに性質別件数を定例会に報告して、何の意味があるのかというものでした。このことについても、委員からは一言の発言もありませんでした。

肝心なことには口を閉ざす委員たちでした。

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