ついに、ここまで「日の丸」「君が代」の強制は来たのかと唖然とするニュースが流れました。教育への「日の丸」「君が代」強制は、教員への命令・処分ばかりではなく、今度は教科書にまで及びました。6月27日、東京都教育委員会は、都立高校教科書採択に介入し、「(特定の教科書を)選定するな」通知を出すことを決定しました。これは現代版焚書坑儒とも言うべき行為です。そもそも、教育委員会制度について様々な角度から批判が出ていますが、これは教育委員会がもっともなすべきことではない領域の一つです。行政が、教育内容の最たるものである教科書に介入してくるー「君が代」強制ははここまで浸食しています。そして、それを足がかりにし、て教育内容全般への介入をさらに招くことになります。東京都教育委員会に全国から批難の声をあげる必要があります。
http://mainichi.jp/select/news/20130627k0000e040226000c.html
都教委:特定の日本史教科書使わないよう通知
毎日新聞 2013年06月27日 15時00分(最終更新 06月27日 15時32分)
東京都教育委員会は27日の定例会で、高校で使う特定の日本史教科書に国旗国歌法に関して不適切な記述があるとして、各都立高に「使用はふさわしくない」とする通知を出すことを決めた。高校の教科書は各校長が選定して都道府県教委に報告することになっており、選定に教委が事実上の介入をするのは極めて異例。通知に強制力はないが、都教委は「指摘した教科書を選定した場合は、最終的に都教委が不採択とすることもあり得る」としている。
都教委が問題視しているのは、実教出版の「日本史A」と、来年度向けに改訂された「日本史B」。国旗国歌について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記載している。
都教委は2003年、学校行事で日の丸に向かい君が代を斉唱することを通達で義務付け、従わない職員は懲戒処分にする厳しい対応を取ってきた。最高裁は11年、起立斉唱の職務命令を合憲と判断したが、12年の判決では「減給や停職には慎重な考慮が必要」との判断も示している。
実教出版の日本史Aには11年度の検定で「政府は国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし現実はそうなっていない」との記述に文部科学省の意見がつき、後半を「公務員への強制の動き」などと書き換えて合格。文科省によると、日本史Aの全国シェアは約14%という。
だが、都教委は昨年3月以降、各校に電話で「都教委の考えと合わない」と伝え、13年度の教科書に選定しないよう要求。採択の最終判断は都教委ができることもあり、この教科書を選定した高校はなかった。
14年度から使う教科書を決める昨年度の検定では、同じ記述がある日本史Bも合格。都教委は不使用を徹底するため、今回は文書で通知することにしたという。都教委幹部は「『公務員への強制』という表現は明らかに間違っており、採用するわけにはいかない」と話している。
実教出版は「そうした決定が出たとすれば大変残念だ」とコメントした。【和田浩幸、佐々木洋】