マチンガのノート

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なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない 東畑開人 新潮社  感想

2022-03-22 19:57:03 | 日記

解りやすく幅広い内容

10年前に出版された東畑氏の著書「美と深層心理学」では、主に二者関係について書かれていましたが、

東畑氏はツイッターなどで、最近になるまでDVや依存症を扱ってきた信田さよ子さんについて

知っていたが知らなかったと言っているだけあり、本書ではクライアント本人の事のみではなく、

その両親や周囲の人についても書かれています。

クライアントの様々な事が、いかに周囲の影響で起きているのかが見えるようになって来たのでしょう。

大学の相談室や、カウンセリングセンターなどではそれなりに恵まれている方が来談するので、

クライアントが周囲の人たちから、いかに大きな負の影響を受けているのかが解りにくかったのでしょう。

本書は面接室でのカウンセリングのことから、社会のあり方の変化や最近の当事者研究のことまで

幅広く取り上げた内容になっています。

また、本書ではカウンセリングのみではなく、自己啓発本についても色々と書かれていて、

解りやすく分類されています。

そのためカウンセリングや自己啓発について関心のある方におすすめの内容になっています。

書きようによっては読みにくくなりそうな内容を、軽く読みやすく書いていますが、

そのあたりは著者の才能でしょう。

臨床心理に詳しい人から、そうでない人まで幅広い読者に対応した内容になっています。