マチンガのノート

読書、映画の感想など  

さよならの儀式 宮部みゆき 感想

2023-11-30 19:19:30 | 日記

’19年に出版された、宮部みゆきさんの短編集です。

宮部みゆきさんの本は時代物やファンタジーが多いので、しばらく読んでいませんでしたが、

久しぶりに読んでみました。

【感想】

「戦闘員」や「わたしとワタシ」、「星に願いを」など、日常がずるりと非日常へずれてゆく作品が

印象に残りました。

SFというと、何かと大掛かりなものが多いですが、このような作りのものの方が、

こちらに染み込んで来る感じを受けます。

宮部みゆきさんの書いた小説では「火車」などがありますが、SFでもそれ以外のジャンルのものでも、

日常から少し違う方向に行くと、全く知らない世界が拡がっているというものの方が、

こちらに染み込んでくる感じがあり、インパクトを受けます。

大掛かりなSFが合わない人に向いていると思いました。

 


時代劇の影響について 2

2023-11-26 09:16:32 | 日記

近代になるまでは、書物も少なく多くの人が得られる知識といえば、昔からの慣習や

言い伝え、伝聞などだっただろう。交通も通信も未発達だったので新たなことを知る機会自体

少なかったと思われる。

更に日本では明治まで農民や武士階級などそれぞれ決まったことをしていたので新たな知識に接したり、

新たなことを考えて行うことは少なかったと思う。

そのような社会ではそれぞれが決まったことをするのみで、状況に応じて色々と考えるという

こともあまりなかったと思われる。

様々な知識や情報があり、どれを使い何をするかを考えるというのは時代が進んでからなのだろう。

 

 

人類にとって「心」とは何だったのか? 神からAIへ、3000年の物語が始まる! 『生成と消滅の精神史――終わらない心を生きる』一部公開! | 下西 風澄 | ちょい読み

人類は「心」をどのように捉えてきたのか? 下西風澄さんは著書『生成と消滅の精神史――終わらない心を生きる』において、西洋哲学、認知科学に、夏目漱石まで横断しながら...

本の話

 

 

 


時代劇の影響について

2023-11-24 21:22:23 | 日記

近代になるまで、色々なことで自分で考えて決めて行動できるという範囲はとても

少なかったのだと思う。

しかしながら、昔から、皆がそれぞれ考えて決めて行動していたというイメージがあるのは、

テレビの時代劇や歴史物の映画の影響なのだろう。

 

 

『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』下西風澄 | 単行本

若き俊英が鮮やかに描き出す、人類と心の3000年。 古代ギリシャから西洋哲学の歴史を紡ぎ直し、認知科学、さらに夏目漱石へと至る。若き独立研究者が切り開く、心と人類の...

文藝春秋BOOKS

 

 


葛城事件 監督 赤堀雅秋 出演 三浦友和 南果歩 新井浩文 若葉竜也 感想 ネタバレ

2023-11-22 23:14:28 | 日記

世代による軋轢が、どのように事件などの原因になるのかを描いた作品です。

【あらすじ】

親の金物屋を継いだ葛城清は若い頃に一戸建ての住宅を建て、妻とともに二人の息子を育てます。

しかし真面目な長男はリストラの後、仕事が決まらない事を苦にしていて、

次男は社会の中でうまくやっていけません。

清は自分は親と同じようにやって上手く行ったので、自分を基準に物事を捉え、何かと尊大に振る舞います。

妻は幼いところがあり、夫に強く出られないのでした。

そうしているうちに長男は自殺し、次男は通り魔事件を起こすのでした。

【感想】

経済的に豊かな世代が自分を基準にして物事を捉え行動し、更に自らの物理的な威圧感を

自覚しないと、いかに周囲が大変なのかがよく分かる内容でした。

このようなことは団塊の世代とその家族との間でよくある事なのでしょう。

団塊の世代の常識が、いかに周囲に害を与えているのかが上手く描かれていました。

 

映画『葛城事件』予告編