うちの父親はアルコールの問題を抱えていて何かと被害的になる祖父の長男として産まれて、
小さい頃から何かと干渉されてきて、さらに酔って暴れたりする祖父に対して祖母や他の兄弟が何も出来なかったこともあり、
祖父の言いなりになるのみで家庭内で自分で考えて何かを決めたりする機会も与えられなかったことから、抽象化能力も育たず、
そのため周囲とは違う自己を持てなかったことで、学校でもずっと教員などの言いなりになるのみで学校の試験勉強は暗記でしのいでいたのだろう。
それでも試験の成績はある程度取れていたという点に関しては、チンパンジーは記憶力はとてもいいが、抽象的な思考はできないという点を思い起こさせるところである。
本人は英文学関係の学部に行きたかったようだが、防大にも受かったので祖父にそちらに行かされたとのことだ。
さらに防大では24時間することが決められていて、教官の言うことに従うことが基本にあったこともあり、周囲の言いなりになるのではなく
自分で考えて何かをするということを身に着けられなかったのだろう。
そのため周囲とは違う自分というものは持てず、周囲との境界も作れなかったのだろう。
そのこともあり防大を卒業してから、幹部候補生学校に行った際に、言いなりになるのではなく自分で考えて決めて、指示を出すなどが出来なかったので、
やっていけないので中退したのだろう。
本人も周囲とは違う自己や主体というものを持てなかったので、なぜやっていけないのかが解らなかったのだろう。
ある程度、実家で家庭教育があり、これはこうあるべき、こうするのが普通、などを教わっていればある程度なんとかなった
のかもしれないが、祖父が酔って暴れても周囲が止めたり追い出したり出来ない家庭では、そのような常識的知識も身につかなかったのだろう。
近年、発達障害の子供が増えているが、主体がなかったり曖昧だったりする学生が、24時間することが決まっていて、
教官の言うことには従うという防大に入ると、主体をしっかり持ったりする方向には行かないと考えられる。
主体が曖昧だったり無かったりすると、主体的に臨機応変に対応することが出来ないので、有事の際に適切に判断を下し
対応することが困難になりそうである。
欧米の士官学校では学生に個室が与えられていて、それなりに自治が認められているというのは、学生の主体を
生成させることに繋がりそうである。
欧米では近代以降、国家間の戦争が多かったため、有能な士官が必要であったことや、階級社会であることからそのような制度になったのだろう。