’20年に日本で本屋大賞を受賞したディーリア・オーエンズの同名小説を映画化したものです。
主演は英国のドラマ「ふつうの人々」で’21年ゴールデン・グローブ賞テレビ部門主演女優賞に
ノミネートされたデイジー・エドガー=ジョーンズさんです。
【あらすじ】
主人公の少女カイヤは一人で湿地にある家に住んでいるので、町の人々からは狼に育てられたとか、
猿人だとか夜に目が光るなど噂され、異人として見られています。
実際は父親が酒を飲んで暴れるので、母親と兄や姉たちは出て行き、さらに父親もどこかに行ったきり
帰ってこないため、カイヤは一人で貝を採って売ることで暮らしているのでした。
学校に行っていなかったため、字を読めないカイヤにエビ漁師の息子のテイトが
読み書きを教えることから二人の関係は始まりますが、大学に行ったテイトは
再会の約束も守らず戻ってきません。
そんなときに裕福な両親のいるチェイスが彼女に近づいてきます。
【感想】
原作が良かったので、映画版も観たのですが、原作の雰囲気を感じさせる映画になっていました。
映画の中の物語は1965年から始まりますので、当時の社会のあり方が解る描写でした。
主人公が純朴でもトロかったり無力だったりしないところが現代の映画という感じで
湿地の自然の描写と合わせ、原作の雰囲気を壊さずにうまく映画化できていると思いました。
アメコミものや大作映画が好きではない人に合いそうな映画になっています。
原作者のディーリア・オーエンズさんも、気に入っているそうです。
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