マチンガのノート

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CD付 コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニングを実際に少しやってみました。

2019-08-25 22:43:54 | 日記

宮口幸治氏の書かれた本書の付属のCDにある、黒塗り図形の課題を少し試しにやってみました。

最初の方は図形の内部の線を除くと、三角や丸などで、解り易いものが、徐々に内部の線と

図形の関係が複雑化していく構成でした。

たぶん小さな子供ならば、簡単な図形から、自分の手を動かして輪郭をなぞり、

黒塗り画像と合うものを考えるのでしょう。

段階が進むにつれて、無視しなければならない内部の線が増えるので、

子供によっては、内部の線につられていき、解りにくくなるのかもしれません。

簡単な輪郭を手でなぞることで、目と手と腕の動きの協調が取れていき、

それが身に付き発達することで、内部の線につられることが減るのでしょう。

細かいところを無視して、全体を見ることが出来るようになるにつれて、

少しずつ抽象化に向かうのでしょう。

宮口幸治氏の著書の「ケーキを切れない非行少年たち」でも、図形を写すと、

全体が崩れて、うまく書けない例が挙げられていましたが、目と手や腕の動きの連携が

発達しておらず、細かいところにとらわれて、全体が崩れるのかもしれません。

そのように考えると、ほとんど腕や体を動かさないで遊ぶゲーム機などは、

子供の発達を阻害しているのかもしれません。

「ケーキの切れない非行少年」宮口幸治

「CD付 コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング」宮口幸治

 


ケーキの切れない非行少年たち : 宮口 幸治 (新潮新書) その2

2019-08-20 23:22:58 | 日記

日常的なことで、身体性や他者と言うものが大きいものと言えば、

何げないおしゃべりや、遊ぶことだろう。

両方とも、なにか数値化できる目的や、可視化できる価値などは無いので、

基礎的な認知能力に偏りや不足があれば、そこに入っていったり、そこで時間を過ごしたりして

他の誰かと気楽に過ごすことや楽しむことには、困難を感じるだろう。

筆者の提案するコグトレなどで、基礎的な認知能力をある程度よくしたりできれば、

学校側が解る、授業態度や試験結果以外にも、日常を過ごす様々なところで

基礎的認知能力の不足や偏りのある子供が困ることは減っていきそうである。

学校の試験などは、偏りが大きくても、暗記で対応できる子供はある程度いるが、

単に暗記したものがその後の本人の役に立つとは考えにくい。

思考以前の基礎的な認知能力に関する研究や実践は貧困化が進む日本などでの、

これからの教育や療育の課題だろう。

非認知能力とは

非認知能力とは 


ケーキの切れない非行少年たち : 宮口 幸治 (新潮新書)

2019-08-19 22:04:38 | 日記

何かと取り上げられる認知行動療法だが、考える基礎能力が育っていない境界知能の子供や

発達の偏りの大きな子供には、少年院などでの著者の経験では、それほど効果は無いとのことである。

両者とも何か事件を起こして少年院に送られてくると、表面的な知能検査を受けるのみで、

後は画一的な扱いを受けるのみで、考える基礎を築くような療育や教育は受けていないとの事だ。

しかしながら、著者の考案した「コグトレ」と言うもので、ある程度、基礎的認知能力は

育つので、それを取り入れれば、かなりの割合の子供は社会生活をそれなりに送れる

と言うのが本書の主張である。

ブログ主は、深夜の「NNNドキュメント」でコグトレが少年院で取り入れられている風景を見て、

著者のコグトレの大きなポイントは、他者と身体性なのではないかと思った。

コグトレには身体や他者が関わるからこそ、それを行っている子供も、自己の内部や

周囲との境界を形成していき、それが柔軟で応用の効く認知能力の基礎となるのだろう。

奥行きのある空間性の認識も成立してくるので、知的にも身体的にも硬く不器用なところが

柔軟に使えるようになり、自分の行為の結果の予測にも繋がるようになるのだろう。

河本英夫氏の紹介する「オートポイエーシス」を連想させる内容だった。


発達障害の時代とラカン派精神分析:上尾真道 牧瀬英幹 編著 その2

2019-08-16 22:52:24 | 日記

本書は、未成立な主体がどのように未成立かを描き、さらにそこから

どのように主体を生成させていくのかを、理論立てて解説していこうという大胆な試みである。

ジュリア・クリステヴァが「恐怖の権力」で主体の生成について描写しようとしたが、

当時はまだ、参照できる症例も理論も少なく、とても解りにくく描かれていた。

本書ではこれまでの様々な研究や臨床での実践を参照して、ラカン派からの

見方で理論立てて論じている。

これまで、自閉症、発達障害がいかなる見方をされて来たかを長い期間を参照して

見渡すのにも丁度いい一冊である。


香港警察のジレンマ

2019-08-15 23:13:03 | 日記

香港警察としては、自分たちでデモ隊を鎮圧しないと、

中国の武装警察や中国軍の介入があり得るとの事で、難しい立場に立たされているようである。

毎日新聞のサイトの記事

BBCの報道

afpの報道

Sputnik 日本の記事

香港市民はEUなどの経済制裁がそれを防ぐと考えているのかもしれないが、

どうなのだろうか?

ロイターの報道

NRIのサイトの記事

ずっと自由と民主主義の下で暮らしてきた多くの香港人にとっては、

天安門事件での出来事などは、自分たちとは関係が無いと思っていそうである。

中国の直接介入によって、香港がチベットやウイグルのようになれば、

日本も含む周辺諸国に、大量の脱出者が来そうである。