マチンガのノート

読書、映画の感想など  

貧困と脳 鈴木大介 幻冬舎 感想

2024-12-31 21:17:31 | 日記
 

『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』鈴木大介 | 幻冬舎

自己責任ではない!その貧困は「働けない脳」のせいなのだ。ベストセラー『最貧困女子』ではあえて書かなかった貧困当事者の真の姿約束を破る、遅刻する、だらしない――著者...

幻冬舎

 

『最貧困女子』『老人喰い』など、貧困者や様々なアウトローたちを取材してきた著者が、

これまで取材してきた相手によく見られた”だらしなさ”や”現実逃避的行動”などに関して、

自身が軽度の脳梗塞を経た後に、そのような態度、行動がどのような理由で起きているのかについて

自身の実体験を参考に考察したものです。

脳のワーキングメモリが機能しなくなったりすると、簡単な事務処理ですら困難になったり、

不安を喚起することを思い出すと、そこから逃れられなくなり、何もできなくなるため、

敢えて様々な督促などの書類を開封しないなど、一般的には単に『意志が弱い』『現実逃避癖』

などと片付けられ、非難されるような態度、行動が、いかに様々な障害当事者にとっては、それなりの

理由があることなのかが著者の実体験をもとに解りやすく解説されています。

それらに関しては、それほど大きな病や障害を持つ人ではなくても、うつ症状やDV被害体験、PMS、更年期障害

など、多くの人に見られることとのことです。

 

 

不自由な脳 - 株式会社金剛出版

 

 

 


ウクライナ戦争終結後に起きることの予想

2024-12-23 17:07:20 | 日記

ベトナム戦争に参加した米国と韓国では、帰還兵の一部が帰国後にDVなどの加害者になり、

どちらの国もDVに関しては、警官が家庭内に入って行ける様に法律も変えられたが、

ロシアや北朝鮮でも帰還兵の家庭内などでの暴力が増えて、様々な影響が出てきそうに思える。

現代は銃が高性能化したので、米国での銃乱射事件の報道を見ると、

一人の乱射犯がいるだけでも大勢の警官や救急隊が駆けつけていることから、

ベトナム戦争後よりも大きな影響を与えるのかもしれない。

 

 

心理臨床と政治|日本評論社

心理臨床と政治。信田さよ子氏。東畑開人氏。日本評論社は1918年創業。法律時報、法学セミナー、数学セミナー、経済セミナー、こころの科学、そだちの科学、統合失調症のひ...

 

 

 

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主体と依存について

2024-12-20 17:50:19 | 日記

発達に問題を抱えた人で、外ではおとなしいが知り合いの中では

何かと周囲に聞いたり頼んだりする人がいるが、主体が曖昧だと外側から来るものしか無く、

それを何とかコントロールしようとする以外のところが動いていないのだろう。

依存的に見えて、頼りない感じの人に、しっかりするように厳しいことや困難なことをさせても、

主体が曖昧だと周囲に何かをやらされる、無理強いされるなどの被害感を募らせるのみで、

自分で考えて、決めて、行動する、という主体的なところが動き出すわけでは無さそうである。


発達障害への心理療法的アプローチ 河合俊雄 畑中千紘 田中康裕 竹中菜苗 創元社 感想

2024-12-15 11:08:52 | 日記
 

こころの未来選書 発達障害への心理療法的アプローチ

発達障害の中核的な特徴は「主体のなさ」ではないか―この仮説から、新しく見えてくるものは何か?「主体」を作り出す心理療法は可能か?それは、どのようにして可能となるの...

紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

 

創元社から出版されているこのシリーズのいいところは、表面的な症状、治療に関して論ずるよりも、

まず、いかに人間の心やあり方が、中世から近代、現代にかけて変化してきたかを考察しながら、

現代社会において発達障害とされていることに関わり、考察を展開していっているところだろう。

他の表面的なことのみを取り上げて論じているものとは違い、歴史や人間に対してこれまでに積み重ねられてきた

知識を十分に活かして深く論じている。

いかに教養というものが物事を考える際に必要なのかが判るシリーズである。

 


グランド・ジョー 監督 デビッド・ゴードン・グリーン 出演 ニコラス・ケイジ タイ・シュリダン 感想ネタバレ

2024-12-14 13:34:43 | 日記

最近なにかとB級映画に出続けているニコラス・ケイジさんですが、本作は地味ですが

じっくりくるいい映画です。

【あらすじ】

米国の南部の田舎で違法な伐採事業に従事しているジョー(ニコラス・ケイジ)ですが、ある日、

ゲイリーという少年(タイ・シュリダン)がそこで働きたいと言ってきます。

かれの父親は家族に暴力を振るうアルコール依存の人物なのですが、ゲイリーは母親と妹がいるので

出ていけないため、自分が働きお金を稼ごうとしているのした。

【感想】

最近は、雑なB級映画のニコラス・ケイジさんばかりを観ていたので、この映画で彼がオスカー俳優ということを

あらためて認識させられました。

それでもニコラス・ケイジさんの一人芝居のようにならなかったのは、本作でヴェネチア国際映画祭新人賞を受賞した

タイ・シェリダンさんの演技力や、周囲の俳優さんの地力があってこそなのでしょう。

全体的にゆっくり進む映画なので、アメコミ物などが好きな人には合わないでしょう。

地味でもしっかりした映画が好きな人向けの映画です。

グランド・ジョー(予告編)