「ジェントルメン」のガイ・リッチー監督の映画ですが、フランス映画の「ブルー・レクイエム」の
ハリウッド・リメイク版とのことです。
[あらすじ]
現金輸送車の警備員になったH(ジェイソン・ステイサム)ですが、襲撃された際の
行動などから、どうも普通の警備員とは違うようです。
彼が警備員になったのは、ある理由があるからでした。
[感想]
ダークな作りになっていますが、そこからお金と人の命の価値についても考えさせるという、
現代的な作りになっています。
普段はアクションの多いジェイソン・ステイサムさんですが、本作ではアクションは
かなり控えめになっていました。
その分、その佇まいがとても印象に残る映画になっていました。
それにしても、犯人グループが過去にしていたことのスリルと興奮が忘れられず、
さらに経済的に不遇なため、仲間で組んで犯罪を犯すというのは、
なんとも複雑な感じを抱かせました。
現代社会のことを、上手く反映させた映画になっています。
WRATH OF MAN Trailer 2 (NEW 2021)
近代になるにつれて、社会制度が時間や場所で様々に分化して、それに合わせて人間も
時間や場所で様々に分化、構造化されてきたとのことだが、その前に、ペストの流行などに対して
教会が無力であり、更に人口減で農民などの一般の労働者が大事にされるようになり、
それぞれが自ら考える様になったことが基礎にあるのだろう。
教会の言うことから距離を取り、様々な人が自ら考え出したことが
ガリレオやコペルニクス、ニュートンなどの17世紀の科学革命の基礎になったのだろう。
デカルトが「我思う、故に我あり」と書いたが、それ以前はそう思うことは
ほとんどの人には無かったのだろう。
周囲から分化した個人の内面というものが、生じて来た時期に書かれたので、
後世に残る事になったのだろう。
社会の発展とともに、個人が自分の部屋を持つようになってきたことや、
時計というものが徐々に普及してきたこともそれを進める要因だったのだろう。
それ以前は人間も社会もあまり構造化されていなかったので、統合失調症のような
個人の構造が崩れて病むという形態の病み方もほとんどなかったのかもしれない。
そのようなことを考えると、最近の発達障害圏などに対しての、さまざまな治療、
サポートも、自ら感じ考えて、境界や構造を作り出していくように
サポートする対応が合っているのだろう。