第4章の松下姫歌氏の「器質性精神障害を抱える女性との出会い」の
産後まもなく髄膜脳炎と多発性硬化症に罹患した30代の女性で、
両下肢麻痺、言語性IQは60位、ほぼ寝たきりで、著しい記憶障害があり、
新しい体験の積み重ねが成立しづらく、自分の要求が通らないと大声で叫び続けたり、
常にイライラして叫び、煙草と電話を頻繁に要求する、主治医へも罵声を浴びせるという方との
心理検査から始まる関わりで、3回目の面接で、子供に好きなおかずが入ったお弁当を作ってやれるようになりたいから「頑張る」という所が印象に残った。
重い疾病体験と、その理不尽さに、心の次元の自分のまとまり感や
自分を支える基盤感覚が大きく揺らぎ、「わからなさ」「寄る辺なさ」を感じると
刹那的な拠り所として煙草や電話を要求して、叫ぶことで救助の欲求や怒りを伝えている
のだろうとのことだ。
こうしたクライエントとの関わりにおいては、一瞬一瞬その都度出会う未知性に対して
どんな事がどのように脅威でどんな事が安心につながるのかといった
「心の次元における生死」の感覚をキャッチすることが大切とのことだ。
そこから、ひとまずの「自分のまとまり感」が生まれて、心が心に関与し心的な
自分を生み出す「主体性」をつかむ第一歩になるとのことだ。
重い障害を持っている方を見ると、外見や雰囲気から、関われないだろう、
なんとなく恐い、と感じてしまうが、それを越えて関わるのが、医師や臨床心理士などの
専門性なのだというのがよく解った。
産後まもなく髄膜脳炎と多発性硬化症に罹患した30代の女性で、
両下肢麻痺、言語性IQは60位、ほぼ寝たきりで、著しい記憶障害があり、
新しい体験の積み重ねが成立しづらく、自分の要求が通らないと大声で叫び続けたり、
常にイライラして叫び、煙草と電話を頻繁に要求する、主治医へも罵声を浴びせるという方との
心理検査から始まる関わりで、3回目の面接で、子供に好きなおかずが入ったお弁当を作ってやれるようになりたいから「頑張る」という所が印象に残った。
重い疾病体験と、その理不尽さに、心の次元の自分のまとまり感や
自分を支える基盤感覚が大きく揺らぎ、「わからなさ」「寄る辺なさ」を感じると
刹那的な拠り所として煙草や電話を要求して、叫ぶことで救助の欲求や怒りを伝えている
のだろうとのことだ。
こうしたクライエントとの関わりにおいては、一瞬一瞬その都度出会う未知性に対して
どんな事がどのように脅威でどんな事が安心につながるのかといった
「心の次元における生死」の感覚をキャッチすることが大切とのことだ。
そこから、ひとまずの「自分のまとまり感」が生まれて、心が心に関与し心的な
自分を生み出す「主体性」をつかむ第一歩になるとのことだ。
重い障害を持っている方を見ると、外見や雰囲気から、関われないだろう、
なんとなく恐い、と感じてしまうが、それを越えて関わるのが、医師や臨床心理士などの
専門性なのだというのがよく解った。