マチンガのノート

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ラカン派やユング派の事

2019-09-26 20:19:28 | 日記

ラカン派では、個人の言語活動や人格の中心的なところに、

「父の名」と言うものが位置付けられているが、日本と比べて

伝統的、文化的に言語に重きを置く、などの影響だろう。

ユング派で似たような事で取り上げられるものと言えば、中心の投影としての太陽が挙げられる。

普通の子供でも小学校低学年くらいまでは、描画において、5~7個の太陽を描くことがあるが、

年齢が上がるにつれて、1つの太陽を描くようになるとの事である。

統合失調症の方の描画においても、複数の太陽を描いていたのが、回復するに従い、

単一の太陽を描くようになることはよく見られる事だという。

(「王権の心理学」織田尚生著)

さらにユング派精神科医武野俊弥氏の著書「分裂病の神話」によれば、

ノルウェー出身の画家のムンクも、統合失調症を発病したころに「叫び」を描いて、

病が治まるころに、太陽壁画を描いていたとの事。

ラカン派、ユング派それぞれに、中心が外的な対象に投影されて距離をとることの

必要性を臨床で感じていたのだろう。