2012/7/12 (木曜日) 曇り時どき雨 強風
梅雨のぐずついた天気が続いている。
部屋にこもってちょっと退屈なときもある。
そこで机の上の棚に置いてあるスターリングエンジンを動かして遊んだ。
このスターリングエンジンは2年ばかり前、インターネットのサイトに
アップされている記事を参考に見よう見真似で作ったものだが、当時は
碌な工具も無く、小さな折り畳み作業机の上で苦心して作ったものだ。
何とか出来上がってテストでうまく回転してくれたときはとても感激した。
茫々と燃え上がる炎で熱してもヨタヨタと回転するばかりだったが
とても嬉しかった。
その後、少しでも速く回転するように、調整や改良を加えてきた。
ディスプレイサーの試験管は太いものに変えた。
注射筒で代用したシリンダーやピストンもアルミ製の本物に変えた。
性能も向上して今ではアルコールランプの炎で熱して、1秒間に14~15回転
するようになった。
今回はそんな実習生型スターリングエンジンの顛末をネタにしてブログの
更新をすることにした。
↓ 今から2年ばかり前、庭の隅っこに作業台を置いて工作を始めた。
↓ 持っている工具は小さな万力、ハンドドリル、カナノコ、ヤスリ・・・・などで、碌なものはない。
部品は全て手作業で作り出した。
↓ 出来上がったスターリングエンジン。
エンジンを熱する熱源には手持ちの缶入り固形燃料を使った。
茫々と燃え上がる炎・・・・・
この強力な炎で加熱してもエンジンはヨタヨタと頼りなく回転するばかりだった。
その時の様子を動画でごらんください。
しばらくの間、こんな状態で動かして遊んでいたがやがて注射筒のピストンが
焼きついて動かなくなってしまった。
ガラスは乾いているときは案外スムーズだがちょっと汚れて湿ってくると
貼りついて動きが重くなってしまうのだ。
何か他のものでピストンを作ろう・・・と材料屋を物色した。
やっと、ちょうどぴったりのアルミパイプとアルミ丸棒を見つけた。
ただし、アルミの材料は半田付けが難しいと聞いている。
気密にするのが難しそうだが、まぁ、何とかなるだろう・・・とこれにした。
ディスプレイサーもゴム栓での密閉とピストン棒の保持に問題があった。
ゴム栓がすぐ緩んで調整が狂い、動きが悪くなってしまうのだ。
そうは言ってもガラス試験管はディスプレイサーにはもってこいの特長がある。
それは熱が伝わりにくいということだ。
スターリングエンジンは作動ガスが高温部と低温部の間を移動して膨張と収縮を
繰り返すことでピストンを駆動している。
熱伝導が低いガラス製の試験管は高温部と低温部を同居させるのには大変都合が良いのだ。
そういうわけでやっぱり試験管は必要だ。
苦心して何とかピストン棒を安定して保持する工夫をした。
改造の結果エンジンはアルコールランプの炎でも十分回転するようになった。
そのテストの様子を動画でご覧ください。
エンジンは注射筒ピストンに比べると格段に早く回転するようになった。
だけどどうしても12回転/秒には到達しない。
あともう少して手が届くのにどうしても11回転止まりだ。
よし、全部分解して再調整してみよう・・・・・・・・・・
↓ 分解して並べた全部品。
↓ ディスプレイサー(試験管)
↓ ディスプレイサーピストン。 駆動棒にまっすぐ真ん丸く巻きつけるのが難しい。
↓ 試験管はガラスなので半田付けや溶接はできない。
そこでこんな鉢巻を締め付けてフランジにして固定する。 これが実習生型の特徴かな?
↓ 試験管の口を塞ぐ取り付け基部。 上の画像の鉢巻にネジ止めする。
↓ 試験管への取り付けの様子。
↓ パワーピストンとシリンダー。 この組み合わせでぴったり、スムーズに動作する。
↓ シリンダーがアルミなので半田付けはできない。 そこで鉢巻方式でフランジを取り付ける。
これが実習生型の特徴かな?
↓ シリンダーの前蓋。 鉢巻フランジにネジ止めする。 ゴムパッキンで気密にする。
↓ ピストン棒支えを取り付ける鉢巻フランジ。
↓ ピストン棒支え。 クロスヘッドの代用品?
↓ ネジ止め位置を調整してピストンがシリンダーと平行になるようにする。
↓ フライホイールには回転数計測用の反射パターンと光線センサー断続用の歯車が貼り付けてある。
全部品を取り外して必要な調整、修正を施した。
特にピストン(パワーピストン、ディスプレイサーピストン)がスムーズに動くように
調整するのがとても大変だった。 (これが実習生型の泣き所です。)
パワーピストンの調整の様子を動画でご覧ください。
ディスプレイサーピストンの調整の様子を動画でご覧ください。
ディスプレイサーはなかなか面白い動作をします。
その実験の様子を動画でご覧ください。
全部品の調整を終えて再組み立てをしました。
再組み立てが完了した。
さぁ、回転数はどのくらい上がっただろうか?
期待に胸を躍らせてテストを始めた。
テストの様子を動画でご覧ください。
(今回は市販小型テスターの周波数カウンターによる回転数測定をしました。
この周波数カウンターは波長(時間)から周波数を計算しているようで
フライホイール1回転 1パルス出力でも小数点以下のカウントまでできてしまいます。
そのため今まで使っていた1回転 10パルス出力の歯車は不要になりました。
こんな高性能の小型テスターが僅か千円で手に入るのですから驚きです。 )
再調整の結果、あっけなく12回転を超えて瞬間的ではあるが秒15回転(900rpm)を
実現できた。
1回転でも回転数のアップを目指す実習生はとても嬉しい。
ただ、この実習生型スターリングエンジンはディスプレイサーの調整部分にゴムパッキングという
変形しやすい部品が使われていて、調整がずれてしまいやすい、という欠点を持っている。
この部分からゴムなどという部品を取り除いてしまえれば良いのだがそれがなかなか難しい。
まぁ、いいか・・・・ ずれたらまた調整しなおそう、時間はたっぷりあるんだから・・・・
梅雨のぐずついた天気が続いている。
部屋にこもってちょっと退屈なときもある。
そこで机の上の棚に置いてあるスターリングエンジンを動かして遊んだ。
このスターリングエンジンは2年ばかり前、インターネットのサイトに
アップされている記事を参考に見よう見真似で作ったものだが、当時は
碌な工具も無く、小さな折り畳み作業机の上で苦心して作ったものだ。
何とか出来上がってテストでうまく回転してくれたときはとても感激した。
茫々と燃え上がる炎で熱してもヨタヨタと回転するばかりだったが
とても嬉しかった。
その後、少しでも速く回転するように、調整や改良を加えてきた。
ディスプレイサーの試験管は太いものに変えた。
注射筒で代用したシリンダーやピストンもアルミ製の本物に変えた。
性能も向上して今ではアルコールランプの炎で熱して、1秒間に14~15回転
するようになった。
今回はそんな実習生型スターリングエンジンの顛末をネタにしてブログの
更新をすることにした。
↓ 今から2年ばかり前、庭の隅っこに作業台を置いて工作を始めた。
↓ 持っている工具は小さな万力、ハンドドリル、カナノコ、ヤスリ・・・・などで、碌なものはない。
部品は全て手作業で作り出した。
↓ 出来上がったスターリングエンジン。
エンジンを熱する熱源には手持ちの缶入り固形燃料を使った。
茫々と燃え上がる炎・・・・・
この強力な炎で加熱してもエンジンはヨタヨタと頼りなく回転するばかりだった。
その時の様子を動画でごらんください。
しばらくの間、こんな状態で動かして遊んでいたがやがて注射筒のピストンが
焼きついて動かなくなってしまった。
ガラスは乾いているときは案外スムーズだがちょっと汚れて湿ってくると
貼りついて動きが重くなってしまうのだ。
何か他のものでピストンを作ろう・・・と材料屋を物色した。
やっと、ちょうどぴったりのアルミパイプとアルミ丸棒を見つけた。
ただし、アルミの材料は半田付けが難しいと聞いている。
気密にするのが難しそうだが、まぁ、何とかなるだろう・・・とこれにした。
ディスプレイサーもゴム栓での密閉とピストン棒の保持に問題があった。
ゴム栓がすぐ緩んで調整が狂い、動きが悪くなってしまうのだ。
そうは言ってもガラス試験管はディスプレイサーにはもってこいの特長がある。
それは熱が伝わりにくいということだ。
スターリングエンジンは作動ガスが高温部と低温部の間を移動して膨張と収縮を
繰り返すことでピストンを駆動している。
熱伝導が低いガラス製の試験管は高温部と低温部を同居させるのには大変都合が良いのだ。
そういうわけでやっぱり試験管は必要だ。
苦心して何とかピストン棒を安定して保持する工夫をした。
改造の結果エンジンはアルコールランプの炎でも十分回転するようになった。
そのテストの様子を動画でご覧ください。
エンジンは注射筒ピストンに比べると格段に早く回転するようになった。
だけどどうしても12回転/秒には到達しない。
あともう少して手が届くのにどうしても11回転止まりだ。
よし、全部分解して再調整してみよう・・・・・・・・・・
↓ 分解して並べた全部品。
↓ ディスプレイサー(試験管)
↓ ディスプレイサーピストン。 駆動棒にまっすぐ真ん丸く巻きつけるのが難しい。
↓ 試験管はガラスなので半田付けや溶接はできない。
そこでこんな鉢巻を締め付けてフランジにして固定する。 これが実習生型の特徴かな?
↓ 試験管の口を塞ぐ取り付け基部。 上の画像の鉢巻にネジ止めする。
↓ 試験管への取り付けの様子。
↓ パワーピストンとシリンダー。 この組み合わせでぴったり、スムーズに動作する。
↓ シリンダーがアルミなので半田付けはできない。 そこで鉢巻方式でフランジを取り付ける。
これが実習生型の特徴かな?
↓ シリンダーの前蓋。 鉢巻フランジにネジ止めする。 ゴムパッキンで気密にする。
↓ ピストン棒支えを取り付ける鉢巻フランジ。
↓ ピストン棒支え。 クロスヘッドの代用品?
↓ ネジ止め位置を調整してピストンがシリンダーと平行になるようにする。
↓ フライホイールには回転数計測用の反射パターンと光線センサー断続用の歯車が貼り付けてある。
全部品を取り外して必要な調整、修正を施した。
特にピストン(パワーピストン、ディスプレイサーピストン)がスムーズに動くように
調整するのがとても大変だった。 (これが実習生型の泣き所です。)
パワーピストンの調整の様子を動画でご覧ください。
ディスプレイサーピストンの調整の様子を動画でご覧ください。
ディスプレイサーはなかなか面白い動作をします。
その実験の様子を動画でご覧ください。
全部品の調整を終えて再組み立てをしました。
再組み立てが完了した。
さぁ、回転数はどのくらい上がっただろうか?
期待に胸を躍らせてテストを始めた。
テストの様子を動画でご覧ください。
(今回は市販小型テスターの周波数カウンターによる回転数測定をしました。
この周波数カウンターは波長(時間)から周波数を計算しているようで
フライホイール1回転 1パルス出力でも小数点以下のカウントまでできてしまいます。
そのため今まで使っていた1回転 10パルス出力の歯車は不要になりました。
こんな高性能の小型テスターが僅か千円で手に入るのですから驚きです。 )
再調整の結果、あっけなく12回転を超えて瞬間的ではあるが秒15回転(900rpm)を
実現できた。
1回転でも回転数のアップを目指す実習生はとても嬉しい。
ただ、この実習生型スターリングエンジンはディスプレイサーの調整部分にゴムパッキングという
変形しやすい部品が使われていて、調整がずれてしまいやすい、という欠点を持っている。
この部分からゴムなどという部品を取り除いてしまえれば良いのだがそれがなかなか難しい。
まぁ、いいか・・・・ ずれたらまた調整しなおそう、時間はたっぷりあるんだから・・・・
スターリングエンジンは学研のキットしか作ったことがありませんが、ボイラー無しで運転できるのが良いですね。
ただ、あまりにも出力が低いのがつらいところです。
私もそうですが、昔に作ったものは工作精度とか、理論的誤りとかあって、手を入れてやれば、かなり改善できるようです。
さて、外輪船も今週末には浴槽テストが出来そうです。予備実験ではかなりいい感じで動きそうなのですが、、、、
久しぶりにエンジン記事をアップしました。
何だかしばらく工作から離れたら、なかなか再起動がかかりません。
手近なスターリングエンジンで遊んでみました。
それに動画編集ソフトも新しいものを使ってその練習もしてみました。
スターリングエンジンは「こんなもので動くの?」という感じで面白いですよね。
ただし、おっしゃるとおりパワーはありませんのでただ回して遊ぶだけです。
工作は精度が命ですね、性能の差は精度の差だと思います。
ヤスリでピストンを削ってるようでは精度は出せませんね(泣き)。
外輪船の実験報告を楽しみにしています。
そこで質問なんですが、試験管はどこ製のを使いましたか?
試験管には「アサヒガラス」 「イワキ」 「パイレックス」とアルファベットで書いてあります。
東急ハンズの理科用品売り場で買いました。
ありがとうございました。