Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 6/3夜明け前 月と火星が接近

木星(2023/11/03)

2023-11-04 17:15:08 | 惑星

昨日、木星が衝(外惑星が太陽と正反対の方向に来た状態)となりました。今が観測に最適な時期ってことになります。
そこで日付が4日へと変わる時間帯に久々に望遠鏡を用いた拡大撮影を行いました。得られた画像がコレです。


【木星 2023.11.03 24時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),UV/IRカットフィルター,
 合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1000/2000フレームをAS!3にてスタック×10セット,
 WinJUPOSにてDerotation処理コンポジット,Registax6でwavelet処理

この季節にしては気流が割と安定してたのか像の揺らぎは少なめで、まずまずの出来映えだったような気がします。
上方やや左の明るくて丸いヤツは衛星ガニメデで、木星面にその影を落としているところでした。
なお、スタック用の動画10本の取得後に、気流がさらに落ち着いた感じだったんで、もう1本だけ撮影した動画から
作成した画像がこちら。

動画1本のみからのスタッキングなので細部の描出がイマイチですが、ガニメデは公転に伴う移動によるブレが少なく、
表面の濃淡が認められる画像となりました。個人的に衛星表面の模様を捉えたのは初めてのことで舞い上がってます。
となると、衛星の模様については木星の自転に合わせたDerotation処理を行わない方がイイんじゃね?って思いきや、
その処理を行うソフト"WinJUPOS"の最新版だと、どうやら衛星の動きまでも考慮したコンポジット処理が可能らしく、
衛星本体もその影も横に伸びたイメージとならずに済むらしいので、いずれ試してみたいものです。

ところで、惑星撮影ネタの記事で恒例の高層風速マップをチェックしてみたら・・・

ジェット気流は九州の西あたりで何故か南北に分岐し、関東周辺では弱まっていたみたいです。
それが好シーイングの理由でしょうかねぇ。でも週明けには気流の速い部分が関東上空にも来て悪条件になりそうです。
まあ、像の揺らぎを左右するファクターは他にもあるので、あくまで参考程度ですけどね。


木星画像をDerotation処理してみたら・・・

2023-09-23 19:56:30 | 惑星

19日に撮影した木星画像は上空の気流の安定度に助けられたようで、思いのほかイイ出来映えだったんですけど、
1分弱の動画1本のみからフレームスタッキングした画像だったんで、よく見るとノイズが若干目立ってました。
そこで、予備として連続的に撮影していた8本の動画を各々スタッキングし、得られた8画像をコンポジットして
S/N向上を狙ってみようと思い立ったんですが、全ての動画撮影に6分ちょっとかかったため、木星の自転により
模様が動いてしまい、最初と最後に取得した動画を元に作成した2画像をGIFアニメにするとこんな状況でした。

たった6分程度でもこんなに動いてしまうんですよねー。木星の自転の速さを再認識させられました。
で、約6分間分の8画像をそのままコンポジットすると・・・

目論見どおりノイズが減ってパッと見では問題なさそうな感じですが、実は結構ブレたイメージになっていて、
よく見ると大赤斑の中心にある暗部が横方向に伸びてしまっているなど、自転によるズレの影響が認められます。
このような自転の影響を防いでコンポジットできれば、ノイズ低減とブレ解消を両立したイメージが得られるって
ことになります。それを実現するのが"WinJUPOS"っていうフリーウェアに備わっている"Derotation"っていう処理
なんですが、随分前にソフトをDLしたものの、とっつき難くて操作がよく分からず、ずっと手付かず状態でした。
今回、割と良好な素材映像が得られたことと、有難いことにネット上で具体的な操作を示しているwebサイトが
あったんで、重い腰を上げてDerotation処理を行ってみました。その結果がコレです。


【木星 2023.9.19 01時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),UV/IRカットフィルター,
 合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1500/3000フレームをAS!3にてスタック×8セット,
 WinJUPOSにてDerotation処理コンポジット,Registax6でwavelet処理

さらに明るさ・コントラスト調整した最終画像と先日の記事に貼った単独動画ベースの画像を上下に並べると・・・

やっぱりDerotation処理した上の画像の方が滑らかで且つ模様の細部がよく見えてます。
いやー、これは効果絶大ですねー。これからは手間を厭わず、この処理をしっかりやらないといけないなぁ。


木星(2023/09/19)

2023-09-19 12:50:00 | 惑星

昨夜、今年初めて木星を拡大撮影しました。


【木星 2023.9.19 01時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),UV/IRカットフィルター,
 合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1500/3000フレームをAS!3にてスタック,
 Registax6でwavelet処理

木星の撮影は昨年11月中旬以来です。ちょうど正面に大赤斑が来る時間帯を狙いました。
気流がかなり安定していたらしく、像の揺らぎは少なかった感じ。まだ夏の好シーイングが続いているみたいです。
スタック時に1.5倍Drizzle処理をかけて像を大きくしてみたところ、結構細かな模様まで描出されました。
これは自己ベストの木星像かもしれません。

参考用として、高層の風速マップをチェックすると・・・

ジェット気流はまだ北寄りにあったようですが、そろそろ南下してきそうで、この先はシーイングが悪化していく
可能性が高いとみてます。今シーズンの木星の観測好期は10月に入ってからとされてますけど、
気流の安定度を考慮すると、秋風が吹く前の方がベターかもしれませんねぇ。


土星(2023/08/24)

2023-08-25 17:18:10 | 惑星

昨夜、観測好期になっている土星を撮影しました。


【土星 2023.8.24 23時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),,UV/IRカットフィルター,
合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の600/2000フレームをAS!3にてスタック×8セット,
 Registax6でwavelet処理

個人的に土星の撮影は2年ぶりでした。前回の撮影時より環の傾きが小さくなり、土星本体の南側が隠されずに
見える状況となってます。気流は割と安定していたのか、像の揺らぎは少なめでした。


火星(2022/11/13)

2022-11-13 15:52:31 | 惑星

日曜日の未明に撮影した火星がコレです。


【火星 2022.11.13 01時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+UV/IRカットフィルター+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),
 合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の3183/10613フレームをAS!3にてスタック,
 Registax6でwavelet処理

連夜の惑星面撮影です。この夜は火星だけを狙いました。雲はほとんど無く、天気は上々。
日付が変わる前に機材をセットアップし、鏡筒が外気に馴染むまで1時間以上待ってから撮影開始。
5セットほど取得した動画の中から像の揺らぎが比較的少ないものを選んでスタック処理を行いました。
前夜の木星撮影時よりもスタックのフレーム数を増やせた上に、カメラの感度も若干低めにしたので、
S/N的には良くなってるはずです。なお、火星は視直径が小さいので、Drizzle処理で1.5倍に拡大しました。
それでもやっぱり拡大率不足で迫力に欠けますねぇ。像のキレもイマイチな感じですし・・・
ちなみに、下の方が白くなっているのは北極付近に広がっている雲かと思われます。
その上にアフリカ大陸みたいな形をした「大シルチス」の暗色模様が写っていて、
さらにその上には「ヘラス盆地」と呼ばれる巨大な円形クレーターが明るく写ってます。

で、火星の撮影後に月の欠け際を狙って得られたのがコレです。

ほぼ左半分を占める大きなクレーターは「ピッコローミニ」という名が付いており、直径は88kmとされてます。
いやー、同一拡大率で月を撮ると、とんでもないクローズアップになることを実感しました。
火星は来月の1日に地球に最も近づきますが、今年は中接近のレベルなので、あまり大きくは見えず、
最接近日の視直径を調べたら、今回の撮影時より1.06倍にしかならないことを知りました。
残念ながら自分の現有機材では細部を捉えるのは難しそうです。

さて、毎度のことながら、参考までに高層の気流マップをチェックすると・・・

前日よりもジェット気流は弱まる予想でしたが、動画上の像の揺らぎは前日より大きかったような・・・
撮影場所の極めてローカルな気流の乱れが悪さしてたかも?


木星(2022/11/11)

2022-11-12 01:28:18 | 惑星

金曜日の夜に撮影した木星がコレです。


【木星 2022.11.11 21時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+UV/IRカットフィルター+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),
 合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1500/3000フレームをAS!3にてスタック,
 Registax6でwavelet処理

今年初の惑星面撮影ネタです。木星の観測好期突入からは1か月以上ズレてしまいました。
大赤斑が正面に来ている時間帯に撮影できましたが、雲が湧いてきたため、取得できた動画は1セットのみ。
久々の撮影にしてはまずまずの出来映えかなぁ。 気流がそこそこ安定していたのが良かったのかも?
参考用として、高層の風速マップをチェックすると・・・

やはりジェット気流は割と弱めだった模様。
土曜日の夜はさらに好条件になりそうなんで、そろそろ火星も撮ってみたいです。


木星(2021/08/19)

2021-08-20 22:17:51 | 惑星

昨夜撮影した木星です。


【木星 2021.8.19 23時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),合成F値=30,
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1500/3000フレームをAS!3にてスタック×8セット,
 Registax6でwavelet処理

せっかく大赤斑が見えてたのに、シンチレーションが大きめだったせいか、解像感はイマイチ。
約45秒間の連続撮影動画から得られたスタック画像8枚をコンポジットしてみましたが、
木星の自転が速くてブレた可能性もあります。その辺の対処をそろそろ考えないといけないかな・・・
いつものように、こちらのサイトにある高層の風速マップをチェックすると・・・

関東上空のジェット気流は弱めだったみたいです。でも実際の像の揺らぎは気になったなぁ。


土星(2021/08/03)

2021-08-05 22:18:31 | 惑星

観測好期を迎えている土星を、一昨日の深夜にベランダにて撮影しました。


【土星 2021.8.3 23時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),合成F値=30,
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1250/5000フレームをAS!3にてスタック×8セット,
 Registax6でwavelet処理

個人的に今年初の土星撮影でした。当夜のシンチレーション(大気による像の揺らぎ)は少し大きめ。
高層の風速マップはこんな状況。

条件は悪くなかったと思うんですが、地上は風が少し吹いてたんで、その影響でしょうか。
環のカッシーニの空隙は全周に渡って捉えられたものの、アーティファクト(偽模様)が出てます。
wavelet処理がキツ過ぎるのかなぁ・・・


木星(2021/07/25)

2021-07-25 12:30:27 | 惑星

昨夜撮影した木星です。


【木星 2021.7.25 01時台】
 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),合成F値=30,
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,約1分間のキャプチャー動画から1200フレームをAS!3にてスタック,
 Registax6でwavelet処理

個人的に今年初の木星撮影でした。動画撮影時間が短めだったため、スタック数が稼げず、
ちょっとノイジーなイメージになりましたが、上側の白斑群などが案外よく捉えられたんで、
久々の撮影にしてはまずまずの結果かなぁ。左端には衛星イオが写ってます。
ちなみに、こちらのサイトにある高層の風速マップはこんな状況。

日本上空のジェット気流は比較的弱めな上に関東付近は速めの流れから外れていた模様。
好条件に助けられたかもしれません。


火星(2020/10/25)

2020-10-28 22:50:40 | 惑星

日曜日の夜に晴れたので、6日ぶりに火星を撮影。


【火星 2020/10/25 23時台】
 タカハシμ-180望遠鏡+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),合成F値=30,
 約1分間のキャプチャー動画から1250フレームをAS!2にてスタック×6セット,
 Registax6でwavelet処理,タカハシEM-200Temma2M赤道儀 ※上が南

最も濃い暗色模様の大シルチス(中央から下に伸びた部分)が真正面に来る時間帯を狙って撮影しました。
ようやく待望の面に出逢えたって感じ。大シルチスの上にはヘラス盆地っていう巨大クレーターがあり、
通常そこは明るくて河童の頭みたいに写るんですが、何故か少し黒ずんだ感じになってます。
なお、相変わらず気流の状態が悪いのか、像の揺らぎが激しかったんで、25%のスタック枚数に抑えました。

火星は少しずつ遠ざかりつつあり、見掛け上のサイズは徐々に小さくなってきてます。
正中時刻は早まってくるんで、深夜の撮影からは解放されそうです。