Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 6/3夜明け前 月と火星が接近

5月後半の☆撮り釣果

2017-05-28 23:30:00 | 遠征日誌

今月後半は19,20,27日と八ヶ岳方面まで☆撮り遠征してきましたが、
新月近くの27日は好天の予想に反し曇られてしまい、結局撮影できず。
釣果は月明りの影響もあって2晩で3ショットだけでした。
で、最初のターゲットはコレ↓

m97&m108_17.jpg

【M108&M97】
 総露出時間60分(6分×10コマ加算合成),トリミングあり,八ヶ岳高原にて19日夜撮影

右上の細長いのがM108銀河で、拡大画像はこちら↓

m108_17.jpg

左下の丸いのが惑星状星雲M97(通称ふくろう星雲)で、拡大画像はこちら↓

m097_17.jpg

この2天体については7年ほど前にも『「かつお節」と「ふくろう」』のタイトルで撮影画像を
記事にしてますが、その時と使用カメラが異なるせいか、特にM97の色調が違ってます。
また、以前より感度を2倍にしたので、写りは少し良くなってるかも?

2対象目はこの銀河↓

m109_17.jpg

【M109】
 総露出時間50分(5分×10コマ加算合成),トリミングあり,富士見高原にて20日夜撮影

この天体も8年前に紹介しており、その時よりも拡大率が上がるようにトリミングしてみました。
色彩が乏しくなってしまったのが残念。

最後はこの彗星↓

2015v2_20170520.jpg

【ジョンソン彗星(C/2015 V2)】
 総露出時間80分(5分×16コマ,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり,
 富士見高原にて20日夜撮影

GW中の4/29に撮影してから3週間後の姿になります。大きく写るようになってきました。
太陽最接近は来月の12日で、いよいよ最盛期に突入します。

なお、共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,中型赤道儀使用


丸くて古いヤツ 南北対決

2017-05-07 12:00:00 | 夜空のコラム

今年のGWは好天続きで、個人的には☆撮り三昧となりました。
彗星ばかり狙ってましたが、一般天体もいくつか撮ってます。
その中から球状星団(多数の古い恒星が球形に集まった星団)を2つ紹介しましょう。
まずは北天随一と言われるこの星団↓

m013_17.jpg

【M13(NGC6205)】
 総露出時間77.5分(露出8,4,2,1,0.5分の各5コマを加算合成),トリミングあり

ヘルクレス座にある天体です。Wikipediaによると明るさ5.8等、見掛けの大きさ(視直径)23'、
実直径145光年。日本では南中時にほぼ天頂まで昇り詰めるため観測条件が良く、
空の暗い所では肉眼で存在確認できたりします。

次に南天低くに見えるこの星団↓

n5139_17.jpg

【ω星団(NGC5139)】
 総露出時間36分(露出3分×12コマ 加算合成),トリミングあり

ケンタウルス座にある天体です。Wikipediaによると明るさ3.9等、見掛けの大きさ(視直径)36'、
実直径150光年。日本では南の超低空にしか見えないため観測条件が悪く、
空の暗い所でも肉眼での存在確認は困難です。

いずれの画像もトリミングしてますが、縮尺を合わせていますので、そのまま大きさの直接比較ができます。
露出時間はM13の方が長いんですが、明らかにω星団の方が大きいことが分かりますね。
視直径データでもM13の約1.5倍となっており、光度も断然明るいです。
ということで両者の対決はω星団の圧勝ですが、双眼鏡や望遠鏡を使った眼視観測では
M13の方が圧倒的に良く見えます。理由は単純で、南中高度が低いと大気による減光や光害の影響を
受けやすく、ω星団の観測条件が不利なためです。
ω星団はオーストラリアやニュージーランドとかでいつか見てみたいものです。

なお、共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO800,F2.8,中型赤道儀使用,
 長野県富士見高原にて5/2未明撮影