Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 6/3夜明け前 月と火星が接近

乗鞍高原で撮影したアンタレス付近(2024/05/03)

2024-05-07 00:01:33 | 遠征日誌

今年のGW後半戦がスタートした3日に☆撮り目的で長野県・乗鞍高原へ出撃。
天気は上々で、夜には素晴らしい星空が広がりました。
夜半前から月が昇ってくるまで、このエリアをずーっと撮り続けたのでした。


【アンタレス付近】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO1600,StarScapeフィルター,
 半自作口径絞りツール使用,総露出時間150分(6分×25コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,長野県松本市にて

さそり座の1等星アンタレス(上の写真で左下寄りに写っているオレンジ色の輝星)の辺りに広がっている星雲群です。
色とりどりの星雲が織り成す極めてカラフルなエリアで、☆撮り屋が一度は狙ってみたいと憧れる天域の1つです。
昨年の夏に入手した短焦点屈折鏡筒を使って、いつか狙わねばと考えていて、ようやくチャンスに恵まれました。
これまではカメラレンズで撮ってきましたが、やはり天体撮影に特化した望遠鏡だと星像がとってもシャープで、
写りが段違いです。露光不足気味で暗黒星雲部分などの描写に若干不満が残りますが、このエリアを撮ってきた中で
パーソナルベストの出来映えになったような気がします。また、高標高地におけるクリアな空にも助けられた感じ。
その代わり明け方は気温が5℃未満まで下がり、厚めのダウンジャケットを着ないと耐えられない状況でした。


Witchy Nebula

2023-10-26 18:08:51 | 遠征日誌

今月中旬の新月期、東伊豆まで☆撮り遠征した際にこんな天体を撮りました。


【魔女の横顔星雲 IC2118】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO1600,StarScapeフィルター,
 総露出時間100分(5分×20コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県東伊豆町某所にて

エリダヌス座にある淡い反射星雲で、ニックネームは欧米での呼称 "Witch Head Nebula" に由来しています。
この星雲を輝かせているのはオリオン座の1等星リゲルで、そのすぐ傍にあります。位置確認用星図は次のとおり。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

しかしまぁ、どうしたら魔女に見立てられるのか不思議な感じですが、画像を180度回転すると・・・

星雲の青白くて濃い部分が魔女の右顔っぽく見えなくもないです。名付けた人はオリオン座が逆さまに見える
南半球の人だったりするのかもしれません。個人的には花王のマークを連想してしまいます(向きが左右逆ですが・・・)
なお、非常に淡い星雲であるため大きめの望遠鏡を使っても眼視で魔女の顔をはっきり確認するのは難しいでしょう。


銀河系の内と外の天体が並ぶところ

2023-08-26 18:51:17 | 遠征日誌

西村彗星を再撮影した21日未明にこんなのも撮ってました。


【NGC6946&NGC6939】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県東伊豆町にて

撮影エリアはケフェウス座の一角で、こんなところです。


AstroArts社ステラナビゲータにて作成

銀河系の外にある渦巻銀河(NGC6946)と銀河系内にある散開星団(NGC6946)が並んでいる珍しい天域になります。
WikipediaによるとNGC6946は2250万光年の彼方にあり、NGC6939までの距離は3860光年ということで、
実は奥行方向にかなりの隔たりがあります。そんなに離れているのに見掛けのサイズがほとんど変わらず、
しかも地球からは並んで見えるというのは奇跡的と言えるかもしれません。
ちなみに光度はNGC6946が9.6等、NGC6939が7.8等で、口径20cmの望遠鏡で仲良く並ぶ姿が眼視で確認可能です。
但し、NGC6946の渦巻き構造を確認するにはもっと大口径の望遠鏡が必要でしょう。


久々に撮ったペルセウス座二重星団

2023-08-20 11:30:00 | 遠征日誌

西村彗星を撮影した13日未明にこんなのも撮ってました。


【h-χ星団】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO800,StarScapeフィルター,
 総露出時間36分(3分×12コマ,σクリップ加算平均コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町にて

勇者ペルセウスと義母のカシオペヤの星座境界付近にあり、肉眼でも見える大散開星団が2つ並んでいることから、
ペルセウス座二重星団として非常に有名な天体です。17世紀初頭に作成されたバイエル星図では恒星に付される
ギリシャ文字とアルファベットが2つの星団に振り当てられたことで、h-χ(エイチ-カイ)星団とも呼ばれます。
それぞれの星団はNGC天体カタログにも登録されており、東側(写真で左側)の方がNGC884(バイエル星図ではχ)、
西側(写真で右側)の方がNGC869(バイエル星図ではh)になります。ちなみに撮影したのはこんなエリアでした。


AstroArts社ステラナビゲータにて作成

今月13日に極大となったペルセウス座流星群の輻射点(放射点)はこのすぐ近く(深緑色で示した#)にあります。
群流星は輻射点近くに流れると短い経路になりますので、同流星群の活動ピーク時に撮影したら星団と流星の
コラボ写真が撮れたかもしれません。いずれそんなのも狙ってみたいですねぇ。

今回、先月入手した屈折望遠鏡では初撮影ってことになりました。焦点距離300mm程度の撮影光学系でも星の
大集団であることが確認できますが、2009年11月の古い記事で紹介した画像と比べると迫力に欠けるでしょうか。


Barnard's Galaxy

2023-07-13 00:10:00 | 遠征日誌

先月の中旬、新潟県南部まで☆撮り遠征した際に、こんな銀河を撮ってました。


【バーナードの銀河 NGC6822】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,Star Scapeフィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,新潟県十日町市某所にて

我々のいる銀河系やアンドロメダ銀河などを含む局部銀河群に属する不規則銀河で、いて座北東部にあります。
いて座には天の川の濃い部分があって、銀河系の星間物質に遮られて遠方の銀河はほとんど見えないんですが、
この銀河は比較的近い所にあるため、実体は小さいながらも観測可能となっているようです。
名称は発見者である米国の天文学者に由来します。光度は9等台なので、特に明るいと言うほどではありません。
矮小銀河で恒星数は1000万個程度と少ないながら星形成は活発なことが分かっていて、
天文学的に興味深い天体らしいです。
個人的には初めて狙いましたが、500mm程度の焦点距離では細部が捉えられなかったこともあり、
視直径が満月の半分ほどもある大きめの銀河の割に写りはイマイチでした。


デネブ付近

2023-06-21 10:00:00 | 遠征日誌

先週末の蓼科山七合目での☆撮り釣果の続きです。

日付が変わってから撮影したのがコレです。


【デネブ付近】
 キヤノンEOS Ra+EF200mmF2.8LⅡUSM,F4.0,ISO1600,L41フィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,長野県立科町にて

フレーミングしたのはこんなエリア。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

中央やや上に写っているのがはくちょう座の1等星デネブで、その左下に巨大な散光星雲である北アメリカ星雲と
ペリカン星雲が存在感たっぷりに捉えられてます。フレーム右半分にもいわし雲のような赤い星雲が広がっていて、
シャープレスカタログの登録天体もあるので、いずれクローズアップで撮りたいところです。

しかしまぁ、夏至が近いと薄明開始時刻が早い(なんと!2:37)ことにあらためて驚かされました。
ということで夜の時間が短く、結局3ショットしか撮れませんでした。
そのうち最初に撮った被写体はかなり淡くて画像処理が難航しており、残念ながらお蔵入りとなりそう・・・


M24付近

2023-06-19 10:24:07 | 遠征日誌

先週末は梅雨の中休みで絶好の☆撮り日和となり、久々に蓼科山七合目まで出掛けました。
着いてみると星空は上々でしたが、風がある上に湿度が高い感じ。
山の天気は気まぐれなので、カメラレンズでの撮影に止めることに。
で、こんなのを狙ったのでした。


【M24付近】
 キヤノンEOS Ra+EF200mmF2.8LⅡUSM,F4.0,ISO1600,L41フィルター,
 総露出時間60分(3分×20コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,長野県立科町にて

フレーミングしたのはこんなエリア。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

ほぼ中央にメシエ天体のM24(星団ではなく天の川が濃くなっているスタークラウドとされる)が写ってます。
天文ファンの間では「バンビの横顔」と呼ばれ、北側にある2つの暗黒星雲を小鹿の目に見立てているようです。
その鼻先の上に写っている赤い星雲がM17(オメガ星雲)で、明るくて目立つ天体であることが分かります。
それらのほぼ中間点には散開星団M18が小さく写ってます。また、フレームの左寄りには散開星団M25が、
右端には散開星団M23が写っており、全部で5つのメシエ天体が確認できます。
いずれも双眼鏡で存在が分かり、濃いめの天の川の光芒も含めて眼視で楽しめるエリアです。
貴重な梅雨の晴れ間に広がった美しい星空をバックに流星もいくつか見られて、癒しのひと時となりました。


射手が引く弓付近を狙ってみた

2023-05-21 11:50:08 | 遠征日誌

前記事の続編です。

さそり座の尻尾辺りを撮った後、次に狙ったのはコレでした。


【M21,M20,M8付近】
 キヤノンEOS Ra+EF200mmF2.8LⅡUSM,F4.0,ISO3200,LPS-D3フィルター,
 総露出時間30分(3分×10コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町にて

フレーミングしたのはこんなエリア。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

星座絵によると、いて座がさそり座を狙って引いている弓の北側付近に相当します。
銀河系の中心部の近くになりますが、暗黒帯が斜めに走っており、その向こう側の星の光が遮られて
暗く写ってます。その低輝度エリアを背景に大きな干潟星雲M8の赤い広がりが目に付きます。
その右上には青と赤の星雲から成る三裂星雲M20、そのすぐ左上には散開星団M21が写ってます。
周囲には淡いながら赤い星雲が散見され、シャープレスカタログの登録天体が10個近くあります。
そのような目立たない各星雲もいずれクローズアップで撮って紹介できればと思います。


サソリの毒針付近を狙ってみた

2023-05-20 12:20:50 | 遠征日誌

今週は新月近くということで、16日の夜に東伊豆まで☆撮りに出掛けました。
いつものように強風が吹いていて、主砲での撮影を途中で断念し、カメラレンズ撮影に切替えたため、
本格的な撮影は日付が変わってからとなりました。
空の透明度は比較的イイ感じだったんで、まずは低空エリアであるさそり座の尻尾辺りを狙ってみました。
得られた画像がコレです。


【さそり座尾部付近】
 キヤノンEOS Ra+EF200mmF2.8LⅡUSM,F4.0,ISO3200,LPS-D3フィルター,
 総露出時間30分(3分×10コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町にて

フレーミングしたのはこんなエリアでした。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

星座絵で分かるとおり、さそり座の尻尾の先辺りに相当します。ギリシャ神話では勇者オリオンを一刺しで
倒した毒針の周辺ということになります。画像左寄りが明るいのは天の川の濃い部分が広がっているためで、
肉眼でも存在が分かる明るい散開星団M7が写っているんですが、背景が明る過ぎて埋もれてしまってます。
画面上方やや左には散開星団M6が写っていますが、こちらは天の川の暗黒帯が背景になっているため、
はっきりしています。その右横には淡いながら大型の散光星雲Sh2-12の赤い広がりが確認できます。
画面右寄りには赤い散光星雲が2つ目立ってますが、上が彼岸花星雲NGC6357、下が出目金星雲NGC6334です。
先月撮ったさそり座頭部と比べればカラフル感は劣りますけど、天の川とその中に点在する暗黒星雲が
織り成す濃淡も興味深く、そこそこフォトジェニックな印象でした。


パステルカラーのサソリに恋した♪

2023-04-30 00:02:15 | 遠征日誌

19日の夜の新潟遠征時、日付が変わって20日未明に撮ったラストショットがコレでした。


【さそり座頭部】
 キヤノンEOS Ra+SAMYANG135mmF2 ED UMC,F4.8,ISO1600,L41フィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,新潟県魚沼市にて

撮影光学系をカメラレンズに切り替えて、薄明開始前の1時間で何とか撮り切った画像です。
全天一カラフルなエリアとして天体写真ファンには良く知られたさそり座のアンタレス付近を左下寄りに、
「さそりのはさみ」の付根に位置する3つの星を右寄りにフレーミングしてます。
やっぱりこのエリアは色とりどりの星雲だらけでフォトジェニックな被写体です。
2年ほど前にもほぼ同じ星域を狙ってますが、その時よりもコントラスト良く仕上げられた感じ。
空が十分に暗い所で撮るとさすがに違うなーって思いました。
ただ構図的に少し窮屈な印象が否めないので、もう少し写野が広めのレンズでも狙いたくなりますねぇ。