大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

聖岳から悪沢岳 二日目(聖越えでビバーグ)

2014年07月29日 | 南アルプス
山行日:2014.7.23

いよいよ最難関の「聖越え」の日がやってきた。

天気はすこぶる良く、分岐点から眺めた茶臼方面の滝雲が美しい。


流れる滝雲


聖も優しげに見えたが


やっぱり厳しそう

極力ゆっくり歩きを心がけるが、何度も瘤を越えて行く内に、
脚が上がらなくなっていく。

便りが島への分岐点にザックが5個デポされてたし、
後から来た4人と2人のパーティーもデポしていた。

意外と便りが島からの入山が多いのに驚いた。
日帰りの猛者達の御用達ルートらしい。

しかし脚の重さは全く軽減されず、途中一緒に休んだ
小牧からの73歳のスーパー爺さんに置いていかれた。

俺より重い15キロのザックを背負いテン泊なんだから素晴らしい。

小聖前後のちょっと岩っぽい道を過ぎたらいよいよザレ道の登りだ。

案外と滑らずそんなに苦労しないが、脚の重さは益々拍車がかかる。

あの小牧氏は遥か上だが、心無しかペースが落ちたみたいだが、
俺はそれどころではなくカタツムリに笑われそう。

軽快に登り降りするピストン組みの多さが半端無いが、
この山には一番賢い歩き方かもなあ。

しかし、不調な脚は何と7時間もかかって頂上に辿り着く有り様。


聖山頂


富士のアップ


百間平から赤石岳



テントを干した

朝半分残したアルファ米の五目飯をアマノの味噌汁でかき込んだが、
食糧がちと心許無さ過ぎ。

この時点で百間洞は諦め、兎岳の小屋に寝るのは確定だが、
眺めた兎岳への登りに溜め息だ。

しかし、ちょっと考えたら分かる事だが、登るには下るのだからなあ。

のん気に濡れたテントを乾かしたりしてやっと2時前に下りだした。

意外と出てくる花達を撮ったりして歩いていたが、
何だか段々気分が悪くなり歩くのが嫌になってきた。

何故か吐き気を催すし、ひょっとしたら熱中症?

西陽は容赦なく照りつけるし、
この体調ではあの地獄の登りは無理と4時にビバーグ決定。

苦労して登ったのに何と500メートルを下り、
200メートルを登り返すんだから地獄も地獄、大地獄。

北アルプスの「天狗の大下り」などここに比べたら天国だろう。



下り途中からの赤石とミヤマダイコンソウ


百間洞の小屋や遠く中央アルプス


翌日痛めつけられた兎から中盛他が勢揃いだ


ビバーグ地から赤石

それより何より体を冷やさないと拙いが、水は無駄にできないしと
考えてたらテントに敷いたビニール・シートがあった。

取り出したら水滴だらけで、上半身裸になり巻き付けたり脇の下に当てたりして冷やした。

どうにか落ち着いて寝床作りだが、これはすこぶる簡単。

このビニールを道に広げ、エアマットにシュラフを置いたら出来上がり。

フライを木の枝に括り付け、ストックを使い天井を高くした。

その後の強風で飛ばされそうなので、
シュラフに巻き付けて凌いだが雨の心配が無いのが心強かった。

暗くなったら正面に百間洞の小屋の白い灯りがポツンと見えていた。

本当ならあそこで美味いトンカツを食ってたんだなあ。

やる事も無いしさっさとシュラフに潜り込んだが、二度程小をやった後眠りについた。

何だか情け無い事になってしまったが、ビバーグ大好き人間で良かったなあ。

最初は熊野奥駈道の八経ヶ岳、次に合戦尾根の富士見ベンチ、
最後が三の沢岳手前のコルと三回意図的にやっていたのが役にたった。

二日目がビバーグとはトホホも良いとこだった。
コメント (4)
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