大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

聖岳から悪沢岳 三日目(トンカツを一切れ)

2014年07月30日 | 南アルプス

山道に寝てるんだから撤収はあっという間に終了。

うっすらと明るくなる中を歩き始めたが、薄暗くてなかなか捗らない。

オマケに時々登り返したりするから尚更。

食事も行動食だけだが小屋まで何とかなるだろう。

やっとコルが見えたが5時過ぎていた。

3100mから2600mまで下り、2800mまで登るという地獄道。

コルに降り切って小休止。ガスが湧き幽玄な景色だったので撮ってみた。


やっと見えたコル


墨絵みたいな幽玄さ


滝雲再び


登り出しはトラバースからだったが、岩で険しい場所は巻き・登るというのの繰り返し。

基本的に岩大好き人間なのだが、脚が上がらずピッチが下がる有り様。

どうにか辿り着いた兎岳避難小屋は廃屋その物だったが、中は5人は寝られそうだった。

朝でもランプが必要な位に暗く、もう少し採光を考えて欲しかったが仕方ないか。

さすがにあの小牧氏も聖山頂で言葉を交わした茶臼からの単独氏も出発していたが、心配しただろうなあ。

小牧氏とは百間洞のテント場で再会できたが、茶臼からの単独氏とは会えず、
ヤマレコやってるとかだったからコメントしておこう。


廃屋だ!


内部だが実際は薄暗い(何で明るく写るんだ?)


小屋下のテント場(4張り程度?)


小屋で軽く食べてたら山ボーイが到着。茶臼まで行くらしいが、暗いので外で休むと入らなかった。

先に歩きだしたら中年夫婦が降りて来たから所要時間を聞いた。

百間洞から三時間半と言うので、「分かりました!」と返したら仰天の返事。
「私達速いからこの時間で算段したら駄目よ!」。

さすがに旦那はそんな事は無いと言ったが、「追い抜いたじゃないの」と自信満々。

二十年の山歩きで初めて聞いたが、凄いなあと変に感心してしまった。

旦那も大変だなあとちょっぴり同情したが、案外凸凹コンビで上手く行ってるかも。

小屋から30分かけて兎岳の標柱だったが、先には小兎と中盛丸山・大沢岳とドデカい瘤が待っている。


聖の登りも辛そう


小兎から中盛・大沢方面


これからの稜線には意外と花が多くてカタツムリ同然ののろさにペースダウン。

小屋からの上りから次々に花が出てきて楽しませてくれる。

タカネスミレ・ヨツバシオガマ・ミネウスユキソウ・コケモモ・チングルマ・コイワカガミ・ミネズオウ・ミヤマキンバイ・キバナシャクナゲなど旬の物が多い。

小兎岳の山頂からは遠く富士も見え、後から到着したベテラン山屋氏とストックの害で意気投合した。


富士が見えるかな


これからの中盛丸山の登りが辛かった。
まずゆっくり下るのは良いが、地図と違い西側を巻いて行く。
途中ミネザクラの綺麗なのに出会えたが、岩登りっぽかったりザレたりと疲れる道。

最後まで巻けば良いのに、わざわざ頂上を踏まされ、小屋への分岐目指して下降開始。

この登りがこの日一番の難敵だったが、予想外で精神的にもダメージが強かった。

分岐はコルから少し登った所にあり、標識があまりにお粗末なのに呆れた。


もうちょっとどうにかならないか、標識とは思えん

ダケカンバの二次林を抜け、小屋で受け付けを済ませたが、
この下りでも吐き気が出たので残念だったがラーメンにした。


雪の重みに耐えて枝が下向きのダケカンバ


やっと見えた小屋とテント場


ここのトンカツを食べに来たというのにガックリだった。

テン場も雛壇の半ばまで登らされて参ったが、小兎で話した先輩の隣に張った。

5時の夕食で同席した老夫婦はトンカツだったが、
ラーメンを完食したのを見て、奥さんが一切れ分けてくれた。

ブログに載せるので写真を撮らせて貰った時に不調を伝えてたが、
大丈夫そうなので分けてくれたんだ。

噂通りのデカさと厚さで、皆さん美味そうに平らげていたが、女性は少し 持て余していた。

聖・茶臼を越えて光まで行くというお二人と談笑した後、
テントへ登ろうとしたら、最下段にあの小牧氏がいた。

昨日のビバーグの話をしたら、わざわざ小屋のスペースを確保して待ってくれてた由。

茶臼からの単独氏も心配していたらしいが、知らせようが無かったからなあ。

この日も疲れた一日だったが、トンカツの一切れで救われたかな。

明日は赤石の登りが待っている。


噂の草鞋トンカツ・揚げたてで抜群の美味さ

コメント (4)
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