まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

笑って、笑って、笑って

2011-02-15 13:50:39 | くらし

病室がいつも深刻だというのは当たらない。
重症患者の部屋だって笑い声はあるわけでして。

お隣の方のお見舞客が、
「はよ、ようなって、雪でもかけるようになるといいねえ」
なんて声をかけたら、奥様、
「なに、せいぜい頭かくしかできんがさ」とのお答え。
反対隣りの付き添いの方と私、思わず笑ってしまって、
「頭かけるだけでも私ら羨ましいですよねえ」と、顔見合わせる。

向こうのベッドからサワノさんが「おとうさん、いくつだの」と聞くから「96歳ですが」と答えると、
「はあーすごいなあ、そう見えん。若いなあ、おれも真似せんなん」って。
「俺はの、この間、片足向こうへ突っ込んでしもうたんだや。子供も親戚もみんな呼ばれたけど、俺は何にも覚えておらん。はははは」と、いともあっけらかんに話す。
ずっと酸素してるの大変ですねえ、といたく同情しても、
「なに、今までもずっとしとったから慣れとるが。ボンベ引っ張ってどこでも行くが。」
なあーんも苦にしていない。
それどころか、常時ぶら下げているおしっこの袋をさして、
「家でもこれしとったけどの、これも便利なことがあるんだが。年寄りだから夜中に何べんでも便所に行かんなんけどの、これしとると便所に行かんでもいいからの。寒い時でも起たんでいいが。朝起きたらあけりゃあいいんだから」って。
いやあ、ポジティブ、明るい。こんな人だから看護師さんたちに好かれる。皆さんが声をかけて話していく。人徳人徳、見習わねばと真剣に思う。

 

あちらのヤマモトさんにもお見舞客。ヤマモトさん、お地蔵さんのようなお顔で楽しいの。耳が遠いから話は一方通行だけれど。お見舞客の方をさして、
「俺より年取って見えるが」って言ったらしい。あはははあははは笑って、その方、
「そんなこと言うなら、もう来てやらせんや。90のじいさんに俺より年とっとる、っちゃあるかや、ね」と相槌求めてまだ笑っている。

そちらこちら、あの日この日、悲喜こもごもの日々。

コメント
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