まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

不謹慎な話

2018-09-12 08:50:43 | くらし

今朝も涼しい。
涼しいを通り越して肌寒いくらい。ちょうどいい加減がないなんて、ね。
そして今日は、友ご主人が亡くなって初めての定例会。久しぶりだわ。

それにしても、お葬式って悲しみの中にも当事者でないものはきょろきょろする。
心と頭は別になる。日常じゃないから、それでいろいろと不謹慎な言動をしてしまう。
いやいや他でもない、私に限ってのことね。後の方は常識があるからそんなことはしない。

おまけに「聞いて聞かぬふり見て見ぬふり知ってて知らぬふり」の高等技術が使えないから、
全部ぶちまけしまうという幼稚さ。そんな性分だからと開き直って。

 (真夏の公園のバラ)

通夜の席で。

我らの前の列には故人の友人3名の紳士が並んでいた。
読経の間、遺影をぼんやり見ていたら、前のお三方の頭部に目がいった。
あらあ、お三方とも銀髪でまだ髪の毛がふさふさしているのね、
そういえばご主人も髪の毛はたっぷりとふさふさしていたわ、なんてあらぬ思いにとらわれたりして。

紳士お三方のおひとりが僧侶と一緒に経典を開いてお経を唱えている。
はじめ、どこから聞こえてくるか分からないけど二重に聞こえてくるな、と軽く気になりはじめた。
気になりはじめたら気になる。お隣に奥様が座っている。
私が妻だったら、夫の袖を引いてやめさせるのにな、といらぬお節介を考え始めたら落ち着かないのよ。
違うお経に移ったら止んだから、ほっとしたけれど。



甥御さんが故人に似ているかどうかという話で顔馴染内で盛り上がった。
似てる、いやそんなに似てないわよなんて。
仲人してもらったひとりが、
「あの眉毛を見たら○家の系統だってすぐ分かる!」と断言。
ほんとだ、優しげな太い下がり眉。「ああ、そうだわね」と誰しも肯いて納得の表情。
棺の中でご主人苦笑しているに違いない。

告別式で。

出棺の際の、涙にくれた友の思いがけない愛情表現の行動にいたく感激した年下友。
「私も主人の時はああすることにした」と固く決意したようだ。
その年下友、他の方の遺影を見て、自分の遺影も背景は花に彩られた写真にするときっぱり。
何かと参考にすること多しだったらしい。

荼毘に伏されている間のこと。
食事の席で係りの方が「喪主さまのご挨拶は?」と聞く。友「いいです」だって。まさか。
我ら周りは「だめよ、ちゃんとあなたがやんなきゃ。献杯の人は決まっているの、えっ決めてないの。
すぐにあの人に頼んどいで」とここぞとばかりに張り切って促す。

喪主の友が挨拶に立とうとすると「だめよ、そのポシェット取らなきゃ」とチェックも厳しい。
涙をぐっとこらえた挨拶も終わりほっとして喪主の年上友は席に座って。
即興のご挨拶をした甥御さんの「けんぱい!」の発声に合わせて、私と前の席の年上友はつい。
コップを合わせてしまったの。いつものくせよ、それが出てしまった。
どちらも何の躊躇もなく。あああ。

ちん!という音があたりに高らかに鳴り響いたけれど、もう遅い。鳴ったものは消しようがない。
「やると思った!」の年下友の冷ややかな声。
こちらとあちらの境をまだうろうろしていたご主人は、いつもの口癖「ばか!」と叱責したに違いない。

 

 

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