夜空に浮かぶ覆われた月も、明け方林に沈んでいくまんまるの大きな月もいい月だ。
一夜のショウタイムってとこか。
無花果や唐柿が大好きだ。
小さなつぶつぶが歯に当たる感触、ほの甘い唐柿ねっとり甘い無花果。
越す前の実家のお隣さんには裏庭に大きな唐柿の木があった。
秋にはたわわに実り、私たち子どもはお隣さんの子どもたちと一緒に取り放題食べ放題で、
唇の端がひりひり傷むまで食べていた。まだ熟していないやや硬めの唐柿は、母が
砂糖を入れて柔らかくなるまで煮こんでくれた。
これがまたおいしくて、柔らかくなった実を食べ汁を飲みおやつにしていた。
実の付け根を折ると白いべとべとした汁が出る。これがいぼ取りにいいと聞いて、首筋に
同じようないぼがある父と私は毎日せっせとぬった。ほんとだった。
ぬり続けていたらいぼは小さくなり、縮こまってやがてポロリと取れた、ふたりとも。
先日実家の町内の人が電話連絡してくれた。
唐柿のあった家のご主人が亡くなったって。娘さんの話では、お二人ともそういう状態で、
お母さんが先だと思っていたそうだがお父さんが先だったって。
で、翌日お母さんが亡くなったそうだ。お二人一緒のお葬式。
町内はひとりひとりと亡くなっていき知った顔に会えなくなる、さびしいものだ。
さすがに唐柿はあまり見かけないけれど、歩くと近所ではいろいろな果物の木を見かける。
花が少ない今の季節にはなかなかいいもんだなと。
あちらの家に みかん
こちらの家にも みかん
負けじと ここにも みかん
みかんがあるなら レモンだって
オリーブだって 仲間に加えます
カリン
こちらの家のカリンは豪勢だ
鳥に お食べ と言っているような柿
柿 垣根の内側に1本
階段通路に
極めつけは わが家から一番近い家の風景
薄くオレンジ色に見えているのが柿の木