徒然なか話

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映画「花のあと」 藤沢周平モノの叙情性

2010-03-14 19:39:18 | 映画
 昨日、公開初日の「花のあと」を観に行った。藤沢周平モノの映画を観るのは、これで6本目か。今年の夏には7本目の「必死剣鳥刺し」(平山秀幸監督)の公開も決まっている。映画としての完成度という面では、1本目の「たそがれ清兵衛」を超えるのは極めて困難だと思われる。
 それはさておき、この「花のあと」、公開されたばかりなので、ネガティブな評価は極力控えたい。劇場用映画を監督するのは2本目という中西健二監督だが、ひと言で言うと「真面目だなぁ」という印象。とにかく藤沢周平の世界を忠実に表現しようという気持が痛いほど伝わってくる。まるで劇中の江口孫四郎が、慣れない奏者役を必死に務めている姿が、中西監督の姿にダブって見えた。登場人物たちの所作などは、もっとさりげなく描いていいのになぁと微笑ましくもあり、その真面目さには好感が持てる。それから、この話は、以登おばばが孫たちに語って聞かせるお伽話風な物語なので、藤村志保さんは語りだけでなく、登場させて孫たちに語って聞かせる場面を前後、もしくは最後に入れた方が叙情性豊かになったのではないだろうかと、ふと思った。とにかく時代劇初主演の北川景子ちゃん始め、みんな一生懸命頑張りました、という映画だ。