徒然なか話

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熊本民謡になりそこねた歌 ~火の国育ち~

2016-08-21 20:10:38 | 音楽芸能
 先日終わった山鹿灯籠まつりで主に踊られるのは「よへほ節」。明治初期からお座敷唄として歌われていた「よへほ節」を、温泉町山鹿の唄として改作したのは、明治末期から昭和前期にかけて詩人、童謡・民謡作詞家として活躍し、北原白秋、西條八十とともに、童謡界の三大詩人と謳われた野口雨情
 昭和初期、「新民謡」づくりが一つのムーブメントになり、雨情も日本全国をまわって数百曲という新民謡を作った。熊本でも県内各地を回って20数曲を残しているが、代表作がおなじみ「五十四万石」。その作品の中には今日ではほとんど忘れられているものもあるが、その一つがこの「火の国育ち」。雨情の作詩に大村能章の作曲という「五十四万石」のコンビによる作品なのだが、国立国会図書館デジタルコレクションの歴史的音源として保存公開されている音源を聞いてみると、いかにも昭和前期という時代を感じさせ、今日では問題になりそうな言葉も含まれる珍品中の珍品である。