徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

舞のはなし。

2017-10-15 21:19:13 | 音楽芸能
 先週放送されたNHK・Eテレの「SWITCHインタビュー 達人達」は黒柳徹子と京舞井上流の家元・井上八千代の対談だった。人間国宝である井上八千代を取り上げた番組はこれまでも何本か見ている。京舞の基本「おいど(お尻)をおろして、かかとを上げる」という話もいつものように話題になった。
 また、京舞井上流には「動かんやうにして舞ふ」という教えがあるらしい。京舞名取の名匠・井上佐多の話をまとめた「佐多女芸談」に出て来るらしい。これは世阿弥の「風姿花伝」と並ぶ伝書「花鏡」の二番目の章に出てくる「動十分心、動七分身」という教えと同じ意味だと思われる。つまり「心を十分に動かして、身を七分に動かせ」というのは、「その動きの意味を十分理解し、熟達した上で、その七分くらいを表現するくらいでちょうどよい」という意味なのだろう。能の観世流との関係が深い京舞井上流であればこそという気もするし、能から発展した日本舞踊の歴史を再認識するような話でもある。


舞妓さんたちに稽古をつける井上八千代師