徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

まかしょ

2018-02-27 19:05:46 | 音楽芸能
 先月、舞踊団花童の中村花誠先生と城彩苑で久しぶりにお会いした時、先生の方から「4月の山鹿をどりでは"まかしょ"を踊るよ!」とおっしゃった。藤間珠太郎時代の先生の「まかしょ」の舞台映像を、4年前に僕がYouTubeにアップさせていただいた。その折、先生の踊りに感服した旨申しあげたのを憶えておられたのだろう。初めてナマの舞台で見る「まかしょ」が楽しみだ。
 「まかしょ」は古典中の古典で「寒行雪姿見(かんぎょうゆきのすがたみ)」というのが正しい曲名だが、唄い出しが「まかしょ まかしょ まいてくりょ」という文句なので「まかしょ」という俗称で呼ばれる。江戸時代、「まかしょ、まかしょ」と叫びながら絵を刷り込んだ小さい紙片をまき散らし、寒参りの代参をすると称して江戸市中をめぐり歩き、門付などを行なった願人坊主(がんにんぼうず)の姿が舞踊化されたもの。「まかしょ」というのは「まきやしょう」を縮めた言葉。寒行の浮れ坊主が酒に酔って踊るという趣向から、七つ梅、剣菱、白菊、花筏、飛梅など、当時名高かった酒の銘柄が歌い込まれている。
※右の絵は「熈代勝覧」より