徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

北前船が運んだもの ~しげさ節~

2023-11-02 22:12:42 | 音楽芸能
 先週、夏目漱石内坪井旧居で行われた「舞踊団花童公演」の演目18曲のうち、唯一初見だったのが島根県隠岐の島の民謡「しげさ節」だった。テレビやYouTubeでは視聴していたが、最近、花童の演目になったと聞いていたので今回は最も楽しみにしていた。
 この「しげさ節」の元唄は、新潟県柏崎地方の盆踊唄・座敷唄の「三階節」だといわれている。隠岐の島も柏崎も北前船の寄港地だったので船乗りたちによって伝えられたともいわれている。しかし、「しげさ」(出家さんがなまったもの)という言葉が「三階節」の原歌にも謡われているので、逆に隠岐の島の「しげさ節」が柏崎に伝わって「三階節」になったのではという説もあるらしい。ただ、「しげさ」という言葉は柏崎の古い民話に出てくるらしいのでやっぱり「三階節」が元唄のような気がする。
 いずれにしろ民謡の故事来歴を調べると実に興味深い事実がわかって楽しい。

舞踊団花童が踊る「しげさ節」(花童あおば・花童はるか・花童もえ)

「しげさ節」の元唄といわれる「三階節」