雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

SPA直入物語ー3 昔話ー42

2007-03-18 06:12:33 | M/Cレース
SPA直入物語ー3

88年3月11日、大分県直入町の所有地内に小型のサーキットを建設しようというプロジェクトはスタートしたのである。

たまたま営業にいた岩崎茂樹君と組んでこのプロジェクトを進めたのだが、
はじめての経験ではあったが、二人ともレースマネージメントの経験はあって「ずぶの素人」でもないので、基本コンセプトさえ確りさせておけば何とかなると思った。

大体、次のように考えた。


1.直接の動機は今後も続くであろう直入町のいろいろな要望を満たすことが出来る、そんな施設の建設である。サーキットがそれを満たすことになるかどうか,100%自信があった訳ではないが基本コンセプトの中の一つに直入町としてのメリットを考えた。


2.当時,各メーカーが発売するマシンは所謂レーサーレプリカ的なものが多く、性能も相当なものであった。ユーザーはマシンの性能に見合うレースに似た走行はしたいのだが、その場所を求めてカーブの多い峠などに集まり、各地で峠族などと言われて問題となっていた。

各地にサーキットはあったが、一般市販車で走行を許してくれるところはどこにもなかった。
このコースを造る当初から、ここでは一般の市販車でも走れるコースにすると決めてスタートしている。
大げさに言えば、ユーザーに車の提供をするだけでなく、走る場所の提供をすることもメーカーの社会的責任と思ったからである。

テストコースでは客は来ないが、サーキットならお客も来るし幾らかでも温泉も賑わうのではないかとと思った。


3.岩崎君とコース設計をする時点で、コースの安全性についてはどこのコースにも負けないように留意した。コースの巾、カーブのアール、安全地帯、傾斜角度など。
コースの規模から言って、初級クラスのライダーの走行が多いことを意識した。


4.建設費も3~4億円という枠を勝手に決めた。
土地は有り余るほどあるのだが、九州という市場で余り大きくしても採算維持費に将来苦労するようではと思った。

サーキットの建設に掛かる費用の大きいのは,移動する土量と水処理などである。
土の移動量を極力少なくするようになレイアウトを考え、それでコースの長さ1.43キロは決まったと言ってよい。


5.レースに関連するイベント開催を当初から想定したので、パドックは広くとった。1000人位の人を入れても十分余裕がある広さを確保した。


いろんなことはあったが、このプロジェクトのMUST条件は直入町が納得するかどうかに掛かっていた。
町長以下議員さんたちににサーキットを理解して貰うために、岡山の中山サーキットを見学して貰ったりした。
また、3月には直入町の芹川ダムにジェットスキーを寄贈しレンタル業を町が行うなど町との関係の改善を図った。
これはジェットスキーが新しい乗り物で話題性もあって好評であった。

今までぎすぎすしていた直入町との関係は、サーキット完成前に大きく前進したのである。

一番大きかった町との関係が目途が立って、次に社内の本社決済を取ることから具体的に活動をはじめたのである。


コメント (2)
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