鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

特攻平和会館

2007-03-31 | 施設
昨日、知覧の武家屋敷を紹介しましたが、もう一つ知覧で有名なものといえば特攻基地があったことです。
太平洋戦争末期、ここから片道分の燃料と爆弾を積んだ特攻機が飛び立っていきました。
特攻隊員の遺影や資料を展示しているのが特攻平和会館です。
知覧の町から少し離れたシラス台地の上にあります。


特攻平和会館。
知覧の町は、武家屋敷とこの特攻平和会館を訪れる観光客でいつもいっぱいです。


庭に展示している戦闘機「隼」
これは、映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」で撮影用に使用されたものです。
「隼」は知覧の基地から120機が飛び立ちました。
特攻で散った全体の御霊は1036柱です。


会館の隣にある三角兵舎。
土間の通路を挟んで粗末な寝床があり、特攻に飛び立つ前の夜、仲間と酒を酌み交わして最後の別れをしたところです。

会館の中は、撮影禁止のため写真はありませんが、特攻隊員の遺影、遺書、飛行機、その他さまざまな資料が展示してあります。
二十歳くらいの若者が、どんな気持ちでこの遺書を書いたかと思うと、胸が締め付けられる思いがします。
それにしても、昔の若者のなんと字の上手なことでしょう。

修学旅行にもよく訪れるところみたいで、小中学生の千羽鶴とメッセージが展示してあります。
戦争のむごさを伝える絶好の施設でしょう。

特攻平和会館の案内
 開館期間:年中無休(ただし、都合により休館することあり)
 開館時間:午前9時から午後5時まで
 入館料:大人500円、小人300円
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知覧の武家屋敷

2007-03-30 | 史跡
鹿児島の地方に武家屋敷がいくつかありますが(出水、蒲生、入来、野田など)、最も有名で訪れる人が多いのが知覧の武家屋敷です。
知覧は薩摩半島南部の内陸部にあり、麓川に沿って広がる、薩摩の小京都と呼ばれる美しい町です。

薩摩藩では、領地を外城と呼ばれる113の地区に分け、地頭や領主の屋敷である御仮屋を中心に麓と呼ばれる武家集落を作り、武士を分散させて統治していました。
知覧はその代表的な麓です。


表通りから裏に入ると、美しいイヌマキの垣根と石垣からなる通りが続き、いつも観光客が歩いています。
延長700mの通りが開放されて見学できるようになっています。


7つの庭園が見学できます。
これは西郷恵一郎氏庭園。枯山水の美しい日本庭園です。


これは知覧型二ツ家と呼ばれる建物で、居住区であるオモテと台所のあるナカエが合体しており、知覧独特の建物です。

知覧の武家屋敷群は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
また、7つの庭園は国の名勝に指定されています。
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レンゲソウ

2007-03-29 | 植物
一面に広がる黄色い菜の花、田んぼを赤紫のじゅうたんで埋め尽くすレンゲソウ・・・
これらの風景はかつて日本のどこでも見られ、日本の原風景といっていいものでした。
いずれも少なくなりましたが、最近少し復活してきています。
菜の花は、本来の菜種油を取るためではなく、景観や観光用に植えられています(いぶすき菜の花マラソンの菜の花など)。

レンゲソウ(蓮華草)は、正式名はゲンゲですがレンゲソウの方がなじみがあります。

あちこちの田んぼでレンゲソウが咲いています。
景観用としてではなく、本来の肥料用として植えられています。
レンゲソウなどのマメ科の植物には、根に根粒菌がつき、これが空気中の窒素を固定するので肥料になるのです。
しかし、美しい日本の景観としても優れています。


ミツバチがレンゲソウの蜜を求めて飛び回っていました。

 岸に咲くゲンゲやゲンゲ草錦

これは回文の句で、下から読んでも同じです。
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ツワブキ

2007-03-28 | 食べ物
鹿児島で(我が家でもそうですが)最も親しまれ、よく食べられている山菜といえば、ツワブキとタケノコではないでしょうか。
ツワブキは、海岸近くの日当たりのいい場所によく生えているキク科の草ですが、内陸部の道路脇の斜面や山林でもよく見かけます。
鹿児島では単にツワと呼んでいます。
3月から4月に新芽が出るのでこれを食べます。


道路脇のツワを取ったらすぐ1食分が取れました。
アクがあるのでアク抜きをします。
皮をむいて一晩水につけておくと、水が黒くなりますのでこれを捨て、1回湯がくとアクが取れます。

食べ方は、コンニャク、厚揚げ、シイタケ、ニンジンなどと一緒に煮物にするのが一般的ですが、ベーコンと炒めてもおいしいです。
ほんのりほろ苦さのある素朴な味で、今の時期の春の味覚です。


ツワのベーコン炒め

ツワブキは、晩秋に菊に似た黄色い花を咲かせ、花でも楽しませてくれる親しみのある植物です。

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アオモジ

2007-03-27 | 植物
今の時期、山を彩る花にヤマザクラと、このアモモジがあります。
アオモジはクスノキ科の落葉低木で、道端や畑の脇でよく見かけます。


薄い黄色の花で、つぼみは丸い形をしており、ミバナといって墓に飾ることが多いです。
樹木は芳香があり、爪楊枝の原料として使うそうです。
同じような木でクロモジというのがあり、アオモジのほうは樹皮が青いため、アオモジという名前になったということです。


薩摩半島では普通に見られる木ですが、大隅半島では野生のものはほとんどないそうで、植物分布の不思議を感じさせる木です。
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パパイヤ

2007-03-26 | 食べ物
奄美大島では、民家の庭にパパイヤがよく植えられており、実がなっています。
熟れたものを生でも食べますが、青いうちに取り、料理の素材として利用することが多いようです。
鹿児島本土では、庭に植えてあることはありませんが、スーパーなどで青いパパイヤが売られています。


長径20cm、短径12cmのラグビーボール状の青いパパイヤ。
千切りにして煮物と、漬物を作りました。
煮物は、大根の千切りの煮物のような食感と味でした。


パパイヤの漬物。
味噌に2~3日漬けておき、取り出して洗って食べました。
パリパリと歯ごたえのある食感の漬物です。
味は特に癖のない味です。
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犬飼滝

2007-03-25 | 水辺の風景
昨日紹介した、霧島市の和気神社の近くに犬飼滝(いぬかいのたき)があります。
神社と県道を挟んで反対側です。
天降川(あもりがわ)の支流である中津川にある滝です。


妙見温泉から和気神社に向かうと、正面にこの滝が見えてきます。
写真では少し薄いですが、滝の真上に雪を抱いた高千穂峰が見えます。
高千穂峰と滝の組み合わせが美しい名滝といっていいでしょう。


県道の脇に滝見台があり、そこから写した滝です。
高さ36m、幅22mといいますが、この時は幅はそれほどありませんでした。
水量が増えると幅も大きくなるのでしょう。

かつて和気清麻呂がここで遊び、新婚旅行で霧島を訪れた坂本竜馬も見たという由緒のある滝です。
遊歩道があり、滝の近くまでいけるそうです。
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和気神社の白イノシシ

2007-03-24 | 生きもの
今年は亥年。
イノシシに関するネタはないかと正月から探していました。
自宅の近くの山にイノシシが出没するようで、妻は見たそうです。
私もカメラを持ってそこに何回か行ったのですが、現れませんでした。

ぴったりの話題がありました。
和気神社の白イノシシです。
和気神社は霧島市牧園町宿窪田にあります。
妙見温泉から、県道犬飼霧島神宮停車場線を霧島神宮方向へ少し行くと左にあります。

和気神社は、和気清麻呂(わけのきよまろ)とイノシシを祭る神社です。
和気清麻呂は奈良時代から平安時代に活躍した人物ですが、そのゆかりの神社がなぜ鹿児島のこんなところに?と思ってそのワケを調べると・・・

清麻呂は733年、現在の岡山県和気町に郡司の子として生まれ、長じて国政に参加するようになりました。
769年、僧侶の道鏡が偽りの神託を用いて皇位を奪おうとしたとき、これを阻み、道鏡の怒りを買い、大隅国に流されました。
それがこの辺りだとされているのです。

清麻呂とイノシシの関係はというと、
大隅に流される途中、宇佐八幡宮に参拝しようと備前国(大分県)の海岸から陸路進むと、どこからともなく300頭のイノシシが現れ、前後で護衛して無事十里の道を案内したそうです。

清麻呂は、道鏡が失脚したあと都へ返され、平安京の遷都や尼崎港を築くなど、活躍しました。
それにしても、当時ここに流されるということは、今で言うと未開の外国に流されるような心境だったでしょうね。
俊寛は鬼界ケ島(硫黄島)に流され、そこで没したので、それに比べるとましですが。


和気神社
狛犬の代わりにイノシシが祭られています。


鳥居をくぐると左に豚舎ならぬ猪舎があり、白イノシシのあいちゃんがいます。
なかなか立派な体格のイノシシで、あいちゃんに会いに訪れる人も多いようです。

さて、和気神社と県道を挟んで反対側に犬飼滝がありますが、明日紹介します。
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牧園のエドヒガン

2007-03-23 | 植物
霧島市の妙見温泉から、県道犬飼霧島神宮停車場線を霧島神宮のほうへ車で5分くらい走ると、左に和気神社、右に犬飼滝があります。
和気神社の入口、県道脇にエドヒガン(江戸彼岸)があります。
別名、アズマヒガン、ヒガンザクラ、ウバヒガンともいいます。


エドヒガンは、本州、四国、九州の山に自生する桜で、ヤマザクラと同様、巨木になります。
ただ、数が少なくあまり見ることができません。
ここ、霧島市牧園町(旧牧園町)では、犬飼滝の下流400m左岸とこの場所に2本のエドヒガンを確認したのですが、下流のものは平成5年の豪雨で倒れてしまい、これだけが残っているそうです。

巨木というほどではありませんが、それでも樹高20m近くあります。
ヤマザクラと異なり、葉が出る前に花を咲かせます。
ヒガンという名は、彼岸のころ咲くからついたそうですが、撮影日は3月21日で、まさに彼岸に満開に咲いていました。
薄いピンクをしており、ヤマザクラとはまた違った美しい桜です。

和気神社には、珍しい白い猪がいますが、それは明日紹介します。
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マンサク

2007-03-22 | 植物
昨日、大浪池登山をしたのですが、その目的はマンサクの花を見に行くことでした。
登山道を登ると火口壁に取り付き、そこに非難小屋があります。
そこから右回りと左回りコースに分かれますが、右回りに(右側の道へ)行きます。
火口壁頂上までの間に、マンサクの群生地があり数十本のマンサクの木があります。
非難小屋から20分くらいのところです。


ちょうど今が満開でした。
マンサクはマンサク科の低木で樹高3m足らずです。


リボンのような少し長くて黄色い花弁が4枚付いています。
マンサクの語源は、「まんず咲く」(真っ先に咲く)あるいは「満開に咲く」からきたと言われていますが、文字通り、他の花が咲く前に満開に咲いていました。
霧島の春を告げる花です。
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