鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

五十音表の謎

2012-06-30 | エッセイ

「あいうえお、かきくけこ」

という五十音表がある。

日本語を学ぶとき、最初にお世話になるものである。

一見、完璧に見える表だが、この表にも謎がある。

文字の配列に関する謎である。

 

最初の行が「あいうえお」なのは理解できる。

母音であり、他の子音と区別されるからである。

ローマ字では、子音がka、ki、ku、ke、koと2字なのに対し、母音はa、i、u、e、oと1字であり、優位性は明らかである。

 

最初に「あ」が来ているのは、まあわかる。

人が驚いたときや感動したときなどに、自然に発する音であり、響きも明るい。

だが、そのあとの配列はどうやって決まったのだろうか。

発声練習で「あえいうお」というのがあるが、これは口を大きく開いた状態からすぼめた状態へ変化している。

だが「あいうえお」には、どのような規則性があるというのだろうか。

「い」は、「俺はいろは歌のトップだからな」といって2番目にもぐりこんだのだろうか。

 

さらに謎なのは、子音の配列である。

「かさたなはまやらわ」というのは、どんな理由で順番が決まったのだろうか。

考えられるのは、言葉の数の多い順番である。

「わ」行の言葉は実質的に「わ」しかないから、数は少なく最後に押しやられている。

手元の国語辞典から、数の多い順番に並べると、「かさはたまならやわ」であり、必ずしも数の多い順になっていない。

 

五十音表では、文字たちが配列の順番を巡って、せめぎあっているかも知れない。

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恋之原のイスノキ

2012-06-28 | 巨樹・古木

日置市伊集院町恋之原の稲荷神社にあるイスノキを紹介します。

 

左から恋之原公民館、稲荷神社、その右にあるのがイスノキです。

恋之原とは、いい地名です。

 

稲荷神社。社殿の左にあるのがイスノキです。

 

稲荷神社社殿とイスノキ(柞の木、マンサク科)。

 幹周り:3.0m

 樹高:20m

 推定樹齢:500年

イスノキは、照葉樹林帯に分布する常緑高木です。材質が硬く、そろばん玉、櫛などに利用されるそうです。

 

根元。蔦が絡んで幹はよく見えません。

日置市指定保存樹です。

 

根元にある手水鉢と石塔。

 

枝に白いリングがたくさんついていました。これはいったい何でしょう。

なお、葉や枝には虫こぶ(虫えい)という球が出来ます。これを笛にして鳴らすことができ、その音からイスノキのことを別名ヒョンノキというそうです。

 

神社から茶畑を望む。このあたりはお茶所です。

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清藤の田の神他

2012-06-26 | 田の神

田の神をいくつか紹介します。

 

日置市伊集院町清藤の、清藤公民館の近くにある田の神です。

県道の脇に3体の田の神が並んでいます。

 

向かって右の田の神。本物のワラヅトを首に下げています。

 

真ん中の田の神。

右手にメシゲ、左手に杖を持っており、立派な袴を着ています。

 

左の田の神。面長です。

 

後姿。左右の田の神は、ワラヅトを背負っています。

 

いちき串木野市大里にある田の神です。

国道3号の大里バス停近くから、観音ケ池に行く途中の道路脇にあります。

 

右手にメシゲ、左手に椀を持っています。

 

霧島市隼人町姫城の、山野温泉にある田の神です。

 

右手にメシゲを持っており、袖が立派です。

 

同じく霧島市隼人町姫城の姫城公園にある田の神です。

公園の隅にあり、これは後姿です。

 

丸く彫られた中に「田の神」と書いてある文字型の田の神です。

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徳重神社

2012-06-24 | 史跡

6月2日に、島津義弘を祭る加治木の精矛神社を紹介しましたが、島津義弘を祭る神社といえば、日置市伊集院町の徳重神社のほうが有名です。

 

徳重神社。元は妙円寺がありましたが、明治2年に廃仏令により廃寺となり、徳重神社が建立されました。

島津義弘は、2歳から16歳まで伊集院壱宇治城で過ごし、妙円寺を菩提寺としました。

 

社殿。

島津義弘は、関ケ原の戦いで豊臣方に味方して敗れ、敵陣を突破して苦労の末薩摩に生還しました。

それを偲んで、鹿児島から徳重神社までの20kmを歩いて参拝する妙円寺詣りが行われます。私も歩いたことがあります。

 

妙円寺詣りの音符付き歌碑。

 

島津家の家紋である、丸に十の字の石灯籠。

 

うっそうと茂る境内。

 

境内の隅にクスノキの古木があります。

 

根元。空洞化しておらず、樹勢もいいです。

根回り、幹周りの表示はありませんが、かなり大きいです。

 

イチョウ? 残念ながら枯れています。

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重富干潟

2012-06-22 | 水辺の風景

霧島屋久国立公園が、霧島錦江湾国立公園と屋久島国立公園に分割されました。

これにより、錦江湾(鹿児島湾)奥の姶良カルデラも国立公園になりました。そこにある重富干潟の風景です。

 

重富駅近くの海岸から重富干潟を望む。干潮時の風景で、左は思川河口です。

 

前の写真の右です。

重富干潟は、面積53haの錦江湾奥最大の干潟で、、秋から冬は渡り鳥が飛来し、貴重な干潟生物が生息しているそうです。

 

近景。沖の島は隼人三島(別名神造島)。

棒が立っているのはノリの養殖でしょうか。トラクターで干潟に出ている人がいました。

 

桜島の方角を望む。

 

近くに重富漁港があります。

正面の山の斜面は、姶良カルデラのカルデラ壁です。 

 

重富漁港の風景。

 

舟溜まり。

 

漁港の近くにある白金酒造の石倉です。

 

前の写真の反対から見たものです。

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石谷の石坂他

2012-06-20 | 史跡

鹿児島市石谷町の石谷西公民館近くにある、石坂という史跡を紹介します。

 

石谷の石坂。道路の真ん中の一段低いところに石畳の坂があります。

 

石谷の領主であった町田久成は、1860年から1861年まで、有馬新七を石谷奉行として招き、青少年の育成に当たらせました。

青少年の中の不真面目なものには、罰として遠方から石を運搬させ、伊集院・鹿児島に通じるこのぬかるみの坂道に石畳の街道を造りました。

 

 

石畳。付近はシラス台地で石はないので、運搬するのは大変だったことでしょう。

 

終点側。当時は150mほどだったそうですが、一部を保存しています。

 

史跡をもう一つ紹介します。

5月18日の記事で、鹿児島出身のヤジロウという人物が、フランシスコ・ザビエルを鹿児島に案内したと書きましたが、そのヤジロウの墓が、日置市伊集院町清藤の県道脇にあります。

伊集院は、ザビエルが領主の島津貴久と会見したところです。

 

ヤジロウの墓。

ヤジロウの生涯についてはよくわからないところが多く、異国で亡くなったという説もあるそうです。このため、脇の案内板には、ヤジロウの墓(伝)と書かれています。

 

今日の絵手紙。鯛をいただいたお礼に…

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うっがんどんの森のムクノキ

2012-06-18 | 巨樹・古木

いちき串木野市役所の近くに、うっがんどんの森というのがあります。

「うっがんどん」とは、氏神様のことです。

 

うっがんどんの森。 

ここは下名村戸長役場があった場所です。森は第二次大戦後の都市計画で取り壊されそうになりましたが、この一角だけ残されました。

 

森にあるムクノキの古木。

 

別の角度から見たムクノキ(椋の木、ニレ科)。

 樹齢:800年

落葉高木で、実は食べられるそうです。

 

根元。左に氏神様の祠があります。

 

祠です。

 

 

左がムクノキ、右の空洞化しているのがタブノキ(椨の木、クスノキ科)。

 

タブノキは根元から切られ、空洞化していますが、幹の端から2代目の木が生長しています。

 

空洞の中に、新しい芽が生えていました。

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左箙の滝他

2012-06-16 | 水辺の風景

姶良市蒲生町の記事が続きます。今回は、滝を二つ紹介します。

 

蒲生町の中心から西へ行くと「くすの湯」という温泉があり、そこからさらに西へ少し行くと「空」という施設があり、その奥に岩壁があります。

 

橋を渡っていきます。

 

滝が見えてきました。左箙(ひだりえびら)の滝です。

右の岩壁にお堂があります。

 

 

近づきました。

 

左箙の滝全景。落差25mで、岩壁を滑り落ちる滝です

五代友厚の父が愛した滝だそうです。

 

滝とお堂。

 

左箙の滝から西へ5.5km行ったところにある薄原の滝です。

前郷川の左岸に落ちています。落差20mくらいです。

 

滝の下部と滝つぼです。向こうが前郷川上流です。

これらの写真撮影は梅雨前でしたので、今はもっと水量が多いと思います。

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姶良の火山

2012-06-14 | 風景

姶良市にある火山を3つ紹介します。現在活動している火山ではなく、火山の跡です。

 

蒲生町の中心から県道を漆のほうへ行くと、米丸というところがあり、そこに円形をした広い水田地帯があります。

米丸マールという火口の跡です。

 

別の角度から見た米丸マール。

マールは、マグマ水蒸気爆発で出来た火口で、爆発が激しいため噴出物が遠くへ飛ばされ、周辺に噴出物が少ない火口です。

 

広大な水田が広がっています。

 

飛行機から見た米丸マール。円形をしており、火口だとわかります。

 

米丸マールの東に、台地状の山がありますが、これも火山で青敷といいます。

 

前の写真の反対側から見た青敷。

 

近景。溶岩の岩壁があります。

岩壁の右側に、雨のあと現れる青敷滝がありますが、このときは落ちていませんでした。

 

青敷の東、蒲生町と姶良町の境に、以前紹介した住吉池があります。

これも米丸マールと同じく、マグマ水蒸気爆発で出来た火口です。

 

約8200年前の噴火で出来ました。農業用水の水源地になっています。

火山は、噴火災害をもたらしますが、温泉や景観などの恵みも与えてくれます。

米丸マールは農地、住吉池は水源という恵みを与えてくれています。

 

 

自宅の庭のアジサイです。3株植えていますが、大きくなって庭を占領しています。

 

アジサイの色は、土壌で決まるそうです。

同じ庭だから土壌は同じだと思いますが、こちらは白いアジサイです。

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漆の風景(3)二見橋と旧二見橋

2012-06-12 | 石橋

姶良市蒲生町漆集落の少し南の県道に、二見橋というバス停があり、そこに二つの石橋があります。

 

この橋が二見橋で、向こう側が漆集落です。後郷川の支流に架かる橋で、右が下流です。

 

左(下流)が二見橋、右が旧二見橋です。

 

上流の旧二見橋から二見橋を望む。

 橋長:15.55m

 幅員:3.92m

 架設年代:昭和5年3月

 

二見橋近景。

 

二見橋から、上流の旧二見橋を望む。

 橋長:18.2m

 幅員:3.65m

 架設年代:不詳 

 

右岸から見た旧二見橋。現在使用されていません。

 

河床に降りました。旧二見橋を上流から見たもので、下流にあるのが二見橋です。

 

河床の下流側から見た旧二見橋。

 

河床の上流側から見た二見橋。

 

漆集落は有名な観光地ではありませんが、日本の原風景が残り、田の神や石橋などの史跡が多い、雰囲気のいいところです。

蒲生の大クスを見学したあと、足をの伸ばしてみてはいかがでしょうか。

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