先日、電車に乗る前にいつも寄るエキュート内(構内のショピングセンター)の
本屋さんで「このミス大賞隠し玉」という平積みがありました。
は?隠し玉?
隠し玉とは 新人賞「このミステリーがすごい!」大賞では、受賞に
及ばなかったものの、将来性を感じた作品を、著者と協議のうえ
全面的に改稿し、編集部推薦 ”隠し玉”として刊行しています。
と、帯に解説がありました。
佳作とはまた違って、将来売り出していこうという編集部の勢いや
ネーミングのユーモアがおもしろくて、その中から1冊買いました。
「珈琲店タレーランの事件簿~
~また会えたならあなたの淹れたコーヒーを」
宝島社文庫 岡崎琢磨著
京都の目立たない珈琲店が舞台です。
そこは若い娘さんがバリスタをしていて、彼女の推理力がすごい!
偶然、飛び込んでくる事件を独特の推理で解き明かしていきます。
そして、事件も独特です。
殺人や強盗などの刑事事件は起きません。
民事事件も起きません。
「彼女はなぜ、赤い傘と緑の傘を取り違えたのか?」
から、彼女の彼に寄せる想いがわかる。
「彼は、なぜブラックコーヒーを淹れたのか?」
から、彼女の勘違いがわかる。
「あの少年はなぜ、牛乳を欲しがるのか?」
から、少年の危機がわかる。
というように、今日私がカフェに行ったら出会うかもしれない事件
気がつかないけど、毎日出会っているかもしれない事件が
綴られていきます。
なるほど~、「隠し玉」に選ばれた訳だ~。
昔、TVでやっていたホームドラマっぽいところがあります。
となりのヨネちゃんがやってきて
「ねえねえ、最近さあ、うちのトラのやつの様子がおかしいんだよ」
長年のお隣さんの ハナちゃんが
「どうしったっていうのさ、話してごらんよ」
・
・ ヨネちゃん話す 「電話でサボテンの話ばかりしている。
最近できた 喫茶店の名前なんだよ。きっと可愛い子がいて
入り浸っているに違いない」
・
・ ハナちゃん推理する
トラちゃんは、結構モテるタイプだけど浮気性じゃないからね~
それに、何かあるならヨネちゃんの前じゃ言わないよ。
まったく、ヨネちゃんもアレだからね~
・・・・と、ここまでは心の中で
「わかった!そのサボテンってのが原因なんだね。ところでさ、トラちゃんは
植物好きだけど、サボテンはないのかい?」
「そうだ!あるけど、減ってきてるよ」
「サボテンの栽培がうまくいかないんじゃないの?
同じ可愛い子でも、喫茶店のサボテンじゃなくて、自分ちのサボテンじゃないのかね?」
てな、感じです。
もちろん、もっともっと、ずーーーっと知的です。
タレーランの由来はコーヒーを愛したフランスの伯爵の名前だそうです。
コーヒーのうんちくも満載です!
往復2時間の車中を楽しく過ごせました。
コメント欄は閉じてあります。あちらにもUPしま~す!