毎日HAPPYDAY

いくつになっても人生これから

珈琲店タレーランの事件簿

2012-10-17 10:15:41 | 読書メモ

先日、電車に乗る前にいつも寄るエキュート内(構内のショピングセンター)の

本屋さんで「このミス大賞隠し玉」という平積みがありました。

は?隠し玉?


隠し玉とは 新人賞「このミステリーがすごい!」大賞では、受賞に

及ばなかったものの、将来性を感じた作品を、著者と協議のうえ

全面的に改稿し、編集部推薦 ”隠し玉”として刊行しています。

と、帯に解説がありました。

佳作とはまた違って、将来売り出していこうという編集部の勢いや

ネーミングのユーモアがおもしろくて、その中から1冊買いました




  「珈琲店タレーランの事件簿~

    ~また会えたならあなたの淹れたコーヒーを」


    宝島社文庫  岡崎琢磨著



京都の目立たない珈琲店が舞台です。

そこは若い娘さんがバリスタをしていて、彼女の推理力がすごい!

偶然、飛び込んでくる事件を独特の推理で解き明かしていきます。



そして、事件も独特です。

殺人や強盗などの刑事事件は起きません。

民事事件も起きません。



「彼女はなぜ、赤い傘と緑の傘を取り違えたのか?」

から、彼女の彼に寄せる想いがわかる。



「彼は、なぜブラックコーヒーを淹れたのか?」

から、彼女の勘違いがわかる。



「あの少年はなぜ、牛乳を欲しがるのか?」

から、少年の危機がわかる。



というように、今日私がカフェに行ったら出会うかもしれない事件

気がつかないけど、毎日出会っているかもしれない事件が

綴られていきます。



なるほど~、「隠し玉」に選ばれた訳だ~。

昔、TVでやっていたホームドラマっぽいところがあります。





となりのヨネちゃんがやってきて

「ねえねえ、最近さあ、うちのトラのやつの様子がおかしいんだよ」

長年のお隣さんの ハナちゃんが

「どうしったっていうのさ、話してごらんよ」



・ ヨネちゃん話す 「電話でサボテンの話ばかりしている。

           最近できた 喫茶店の名前なんだよ。きっと可愛い子がいて

           入り浸っているに違いない」



・ ハナちゃん推理する
           
          トラちゃんは、結構モテるタイプだけど浮気性じゃないからね~

          それに、何かあるならヨネちゃんの前じゃ言わないよ。

          まったく、ヨネちゃんもアレだからね~

          ・・・・と、ここまでは心の中で
         
       

「わかった!そのサボテンってのが原因なんだね。ところでさ、トラちゃんは

植物好きだけど、サボテンはないのかい?」

「そうだ!あるけど、減ってきてるよ」

「サボテンの栽培がうまくいかないんじゃないの?

同じ可愛い子でも、喫茶店のサボテンじゃなくて、自分ちのサボテンじゃないのかね?」



てな、感じです。

もちろん、もっともっと、ずーーーっと知的です。



タレーランの由来はコーヒーを愛したフランスの伯爵の名前だそうです。

コーヒーのうんちくも満載です!



往復2時間の車中を楽しく過ごせました。



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