実録 一円も使わない終活
村上夏樹(社会保険労務士) 飛鳥新社2014年
がん告知から直葬まで、404日間の一部始終
私が思っている終活はかたずけたり、遺言みたいなものを書いたりすることですが
この本は、がんになって葬儀を出すまでの収支決算でした。
病気になったらこんな風に手続きして、費用はこんな風にかかるんだ・・・ということが
よくわかるようになっています。
ばあちゃんの時にだいぶいろいろ経験したと思いましたが、
知らないことがいっぱいでした。
知識があれば利用できるものが増える。
せっかくの制度があっても知らなければないのと同じになってしまう。
実際に健康保険から患者の移送費が出るということを知らなかったので
介護タクシーの費用を請求することができませんでした。
反対に、本に書かれていて私にも知識があったのは病室の費用について。
ばあちゃんが緊急入院になったとき、3万円の特別室しか空いていないといわれましたが
医師が緊急入院の必要性を認めた時は、大部屋の料金で入院できるはずなので
そのことを伝えると調整してくれました。
差額ベッド代は、患者が望んで個室に入るときのみ徴収されます。
本の結果は、92万円の黒字で治療と葬儀を終わらせていました。
各種保険会社からの保険金、補助金、総裁費用への補助など
私もずいぶん調べたつもりでしたが、知らないことがありました。
葬儀に関しても、どのように送りたいのかをよく考えてみると
豪華な祭壇などは必要ないかもしれないし、ほとんど無宗教であれば
お坊さんも呼ばなくていいかも。
本では「直葬」という方法を選んでいました。
病院から直接斎場に運び、日を選んで火葬します。
エンディングノートが流行りみたいですが、
こういう実務を知っておくのも大切なことだなと感じました。
知っていれば安心ですからね。