新潮社
新見正則著
死ぬならボケずにガンがいい
2014年出版
最近、無意識に今後の生き方を考えているようで
(↑ 意識が無い所がコワイ)
図書館の 医療関係の棚をよく見ます。
その中で 今回目に付いたのが この本。
著者は医師で、2013年の「イグ・ノーベル賞」を受賞した方です。
この本、とても気に入りました。
というのは まず結論を述べてから各章で説明しているところ。
長く臨床医として患者さんに関わったあげく 「運」に左右される なんてことを
さらりと述べているところ。
この本を読んでいると
たとえ、病気にかからなくても事故に合うなど不運にも人生が
終わってしまう場合もあり、本当に今生きているのは運がいいとしか
思えなくなってきます。
ちょうどうまい具合に治療法が見つかるとかね。
急死は、周りの人にお礼も言えない、長患いはつらい
ガンなら 治療方法を選べるし少し治療して、周りの人に
お礼も言えるし・・・ということでガンがいいとなったようです。
ただし、抗がん剤による治療は避けるみたいです。
ガンは死ぬ直前まで比較的元気でいられ、急激に悪くなり
お迎えがくるそうです。理想的です。
著者のお母様はボケの症状が進み息子を認識できないそうです。
家族で介護をしていますが、大変そうです。
本人のライフスタイルが大きく影響するようで、周りでは
ボケの進行は止められないみたい。
本ではボケずにガンにかかっても生きている高齢者にコツを聞いて
参考にしようということですが、驚愕の実例がたくさん出てきます。
超メタボでも元気にボランティアをしている人、がんを抱えながら
なぜか元気な人を筆頭に 人間て奥深いなと感心するばかり。
高齢で元気な方に秘訣を聞くと、いろいろですがなにか「これ」というものが
それぞれにあるようです。
「生かされていること自体がありがたい」というものもあり、高尚なことでなくて
いいみたい。
それと、一つ参考にできそうと思ったのがもし、ボケの症状が
出てしまったら少しボケても続けられる趣味があるとボケの進行は
止まるそうです。少しはしょうがないということですね。
そうなると難しいことはできないので、カラオケとか老人会でのおしゃべりとか
そのようなものがいいそうです。簡単な料理もいいそうです。
しかし、それも「運」じゃないかと締めくくられています。
健康診断の数値のこと、免疫力のこと、高血圧認定のしくみ、薬の認可、
専門用語を減らして、わかりやすいですが結構医学界の奥深くまで
踏み込んで書かれています。
図書館にこのような本がたくさんあります。
また、借りてきます。
***イグ・ノーベル賞***
人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究。
マウスの心臓移植でオペラ「椿姫」を効かせると生存期間が延びる
という研究を発表した。ほかの曲では効果なし。
8日で止まる心臓が平均40日、最長90日延びた。