北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

小池礼賛を斬る

2017-04-08 | 平和
昨日、友人の1人と久しぶりに話していて、小池百合子東京都知事への並々ならぬ期待の声を聞いてビックリする。
「自民党政治」を変革する希望の星といった讃えようだ。
知事就任後の「奮闘」ぶりで、依然都民の期待が高いことはわかるが、彼は一皮むいた小池都政の本質に迫って批判するものと思っていたから意表を突かれる。

日本会議との関係は知らなかったようだが、それは置いておき、たまたま帰宅後に届いていた「世界」5月号で片山善博氏が都政の問題を的確に鋭く指摘しているので、自分の頭を整理する意味で、少し紹介しておきたい。

   

毎回、議会の役割にしっかり焦点を当ててホットな政治課題に切り込み、納得させられることが多いが、今回は先の都議会の百条委員会を取り上げ、都政の課題をあぶり出している。
百条委員会が期待はずれだったことは多くの人が認めるところだろうけど、片山氏はその理由を2つのピント外れという観点から解説している。

一つは時期を失していて後の祭りの印象をぬぐえないこと。
経緯や責任の所在を解明することはもちろん大事だが、豊洲問題は、当時、都議会が都の幹部の答弁を鵜呑みにしていたことに端を発していると指摘する。
2つ目は現在の都政を質すことにつながっていないということ。
豊洲問題を通じて、都庁という組織内部で情報が共有されず、意思決定過程が不透明で、説明責任の意識が著しく低いことは、百条委員会を開かなくともワイドショーや週刊誌などでも明らかになっているが、石原氏の現役時代になぜ議会は追及できなかったのか、これまた後の祭り。
さらに加えて(ここからが今日のブログの本題だが)、こういう「都庁の組織の病」が現在の小池都政に替わって取り除かれたのか、まさにいま、都議会は質すべきだと指摘する。

知事と都幹部の意思疎通と情報共有は十分か?
また、小池知事は「総合的に判断する」としばしば口にするが、それは要するに「自分が決める」に等しく、決定過程は不透明、説明責任からも程遠い。
こうした現在の小池都政を質すのが都議会の役割だが、質すことそっちのけで知事にすり寄るのが熱心で、知事の側も議会の多数派工作に余念がない。

「こんなことでは、病を抱えた都庁の組織とピント外れの議会がこれからも当分続く予感がしてならないのだが。」
と片山氏は締めくくっている。
全く同感で、冒頭の小池知事への期待の声に私はついていけないのだが・・・

最後に、こうした都庁の病や都議会の問題点は、珠洲市議会も他山の石としなければならないことは言うまでもない。


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