北野進の活動日記

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佐藤優が指摘する秘密保護法案の危険性

2013-11-29 | 平和
 すでに多くの識者、日弁連など多くの団体が様々な観点から特定秘密法案の危険性を指摘しているが、今日発売の週刊金曜日には元外務省官僚の佐藤勝氏と福島みずほ参議院議員との対話が掲載されている。

 この中で佐藤氏は外務省が定める秘密、そして一昨日成立した国家安全保障会議(日本版NSC)法について彼ならではの具体的かつ鋭い指摘をしている。

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 私はNSCが本丸で遠く亭秘密法は付属品だと思うんです。

 私は外務省にいたからよくわかります。ソ連課(当時)で最初に教えられたのは「我々の仕事は全部秘密。文書にはマル秘無期限の判子を押すのが基本」ということでした。ところが「秘」では秘密度が低いと思われて読まれないから「極秘」の判子を押す。その上の「極秘限定配布」にするともっとも読まれる。みんな自分の取ってきた情報を特定秘密にしたがりますよ。

 外務省には正式な文書でないメモがたくさんある。やばいものは決裁書にしないでメモで回すからです。しかも情報公開制度が制度化されることで、今までに極秘無期限で取っていた書類を5年でシュレッダーにかけるようになてきた。

 情報機関は適正評価を受けていない人間には情報を回しません。政治家は適正評価の対象外なので、機微に触れる情報のほとんどが官僚の中で独占されてしまいます。

 日本版NSCでもっともの重要なのは外務大臣、防衛大臣、官房長官、総理大臣からなる「4者会合」です。これは何かというと、日本が戦争するかしないかの最高意思決定をする、戦争指導最高会議ですよ。NSCができることによって国家構造がガラッと変わろうとしているんです。

 私は外務官僚の動きに注視すべきだと思います。外交官の法律感覚は法曹資格を持つ人とは違う。外務省は日常的に国際法をいじってますから、条文に反していても、相手が文句を言ってこない限り義務違反にならないと考えている。しかも最終的には力による解決がありうると考える。発想が暴力的なんです。

 対米追従の流れとはちょっと違います。・・・今回のNSCでは日本が主体的に先制攻撃までできるようなことをやろうとしているんです。

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 などなど。

 ところで今晩の報道ステーションのコメンテーターで登場した元通産官僚の古賀茂明氏もこんなことを語っていた。

 通産省のパソコンでWARDを立ち上げると予め原則秘密となっているという。公開文書にするのは特別に秘密を解除しなければならないとのこと。

 ようするに霞が関の情報は元々原則秘密。そこに今回の法案は秘密を扱う人に対する適正評価が入り、さらに民間人にまで厳罰を科すことが大きな特徴。

 密告社会、疑心暗鬼社会、委縮社会・・・このような法案が怖いことはいうまでもないが、それを日程ありきで成立させようとする安倍政権と与党(みんなの党は参議院で対応変わる?)の暴走はさらに怖い。

 佐藤優氏は言う。
 「これは権力としては非常に魅力のある法律です。しかし、このようなことは弱い権力がやることですよ。日本はだんだん十九世紀に返りつつあるということですね」

 弱い権力=民衆の支持を得ていない権力ということか。まさに安倍政権である。


 

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